永瀬正敏が語る台湾映画人との熱い友情 ホテルでのサプライズに「心がはしゃぎました」

来年には俳優生活40周年を迎える【写真:荒川祐史】
来年には俳優生活40周年を迎える【写真:荒川祐史】

「僕らが思った以上に、日本映画をちゃんと観てくれ、評価してくれている」

「ちょっと思い出しただけ」も、ジャームッシュ監督との縁を感じる作品だ。永瀬は「ミステリー・トレイン」での役名と同じジュンとしての出演。「僕が果たしてやらせてもらってもいいものか、とも思いました。同じ役名ですし。でもあの彼がただ単に成長した姿を描こうとされているのではなかった。30代のクリエイター(監督・松居大悟や音楽のクリープ・パイプ)さんたちが、若い人たちがたくさん見に来てくれる作品で、さらにジムの世界観を自分なりに消化して、ちゃんと自分の作品として制作してくれるということがうれしかった。東京国際映画祭で観客賞を取ったと知って、すぐに『おめでとうございます』とメールしましたね。ジムはまだ見ていないようですが、わざわざ見るというのがたぶんイヤなんです。劇場で観たいでしょうし。タイミングが合えば、さりげなく見てくれると思います」。

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 昨年受けた刺激を力に、今後もできるだけたくさんの現場に立つつもりだ。「今は、若い監督を含め、日本で作った映画を世界の人たちに観てもらいたい、という気持ちが強いですね。海外の皆さんは、僕らが思った以上に、日本映画をちゃんと観てくれ、評価してくれているから。もっと外向きに映画を作っていってもいいんじゃないかという気持ちは常にあります」と話す。

 これから春にかけても、出演作の撮影は続いている。来年には俳優生活40周年を迎えるが、その歩みは止まることはない。

□永瀬正敏(ながせ・まさとし)1966年、宮崎県出身。1983年、映画「ションベン・ライダー」でデビュー。近作は「赤い雪」(19)、「ある船頭の話」(19)、「ファンシー」(20)、「星の子」(20)、「名も無い日」(21)、「茜色に焼かれる」(21)他。2018年芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

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