【カムカムエヴリバディ】1人の俳優が父子2役を演じる形が“1話に2組” NHK「珍しい」

NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、朝8時)の第61回が27日に放送され、安子編で登場した荒物屋「あかにし」が再登場した。おまけに吉兵衛(堀部圭亮)の息子・吉右衛門の成長した姿が登場したが、吉右衛門を演じたのは、なんと亡くなった吉兵衛を演じた堀部だった。さらに、桃山剣之助(尾上菊之助)が亡くなるという衝撃的なニュースの後、息子の桃山団五郎が登場し、こちらも尾上が演じた。1人の俳優が父子の2役を演じる形が1話に2組も登場した。その背景を制作統括・堀之内礼二郎氏と演出・安達もじり氏に取材した。

荒物屋「あかにし」の前に立つ錠一郎(オダギリジョー)【写真:(C)NHK】
荒物屋「あかにし」の前に立つ錠一郎(オダギリジョー)【写真:(C)NHK】

安子編で登場した荒物屋「あかにし」が再登場

 NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、朝8時)の第61回が27日に放送され、安子編で登場した荒物屋「あかにし」が再登場した。おまけに吉兵衛(堀部圭亮)の息子・吉右衛門の成長した姿が登場したが、吉右衛門を演じたのは、なんと亡くなった吉兵衛を演じた堀部だった。さらに、桃山剣之助(尾上菊之助)が亡くなるという衝撃的なニュースの後、息子の桃山団五郎が登場し、こちらも尾上が演じた。1人の俳優が父子の2役を演じる形が1話に2組も登場した。その背景を制作統括・堀之内礼二郎氏と演出・安達もじり氏に取材した。

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 堀之内氏は「ヒロインの子役を演じていた子が、ヒロインが大きくなって、その娘を子役が演じるケースはこれまでもあったと思います。『おちょやん』もそうでした。朝ドラでは視聴者も含めた共犯関係というか、世代が変わって、その人の年代になれば、血がつながっているわけだから同じ人が演じても不思議ではないというフォーマットというか、ある種の文化を使っているからこそ成り立つ話かと思います」

 それにしても1回の放送に2組登場したのは異例かと思う。

 堀之内氏は「長い期間を描いているのがこの作品の特徴の1つでもありますので、他の作品に比べて確実に多い方というか、珍しいことではあると思います」

「あかにし」の看板にほほ笑んだ視聴者も多いはず。視聴者に楽しんでもらおうという意図も感じる。

 安達氏は「脚本家の藤本有紀さんが楽しんで書いてくださったようです。台本をいただいて興奮して楽しんで撮りました」

 父と息子、それぞれのキャラ設定や役作りも気になる。

 安達氏は「堀部さんは小さい時の吉右衛門を間近に見て一緒に演じてきたので、吉右衛門の特徴的な空気感をどう残すかを相談し、いろんなパターンを試してやりました。非常に絶妙なさじ加減で、吉右衛門だなと思えるところを演じてくださいました。これは吉右衛門であり、吉兵衛ではないという演じ分けは見事だったと思います」

 父・吉兵衛はケチベエと称され、気難しい面もあったが、幼児期の吉右衛門は父とは違い、子どもながら心の大きな、まるで人格者のようなキャラ設定という面白さがあった。

 安達氏は「お父さんのケチなところをどんどん受け継いでいった裏設定ではあるので、どちらかというとお父さん寄りのキャラクターになっていますが、幼少期の吉右衛門のニュアンスをどれがけ入れ込めるかという議論をしながらキャラクターを作っていきました」と説明した。

 尾上の剣之助と団五郎にも言及。

 安達氏は「設定上、往年の銀幕の大スターの桃剣と時代的な流れで言うとテレビを主戦場に頑張っている息子の設定があり、先代の方はすごくどっしりと演じていただいていましたが、息子の方は真逆にふってみましょうと、これも相談しながらやらせていただきました。堀部さん、尾上さん、お2人とも微妙な表情もさすがだなと思います。ちょっとしたことが違ったりして、俳優さんはすごいなと痛感した次第です」

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