大ヒット作「イカゲーム」EP8解説 「最後の晩餐」と三角形の謎と兄弟対決という伏線

Netflixオリジナルの韓国ドラマ「イカゲーム」が世界的な人気を集めている。9月17日に配信が開始されるとNetflix全米1位を獲得する快挙を達成。配信後ほぼ1か月で全世界1億4200万世帯が視聴し、94か国でランキング1位を記録するなどNetflix創業以来最大のヒット作となっている。画面の隅々まで行きわたっている伏線の“構成美”について解説するコラムシリーズ。今回は第8話(エピソード8)について紹介する。

「イカゲーム」の主人公ソン・ギフンを演じたイ・ジョンジェ【写真:(C)Netflix】
「イカゲーム」の主人公ソン・ギフンを演じたイ・ジョンジェ【写真:(C)Netflix】

ギフン、サンウ、セビョクの番号に数字のトリック

 Netflixオリジナルの韓国ドラマ「イカゲーム」が世界的な人気を集めている。9月17日に配信が開始されるとNetflix全米1位を獲得する快挙を達成。配信後ほぼ1か月で全世界1億4200万世帯が視聴し、94か国でランキング1位を記録するなどNetflix創業以来最大のヒット作となっている。画面の隅々まで行きわたっている伏線の“構成美”について解説するコラムシリーズ。今回は第8話(エピソード8)について紹介する。(文・構成=鄭孝俊)

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(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

「イカゲーム」第8話のタイトルは「フロントマン」。黒い覆面をかぶっているフロントマンの正体がついに明かされた。

「飛び石渡りゲーム」を乗り切った参加者はギフン(456番)、サンウ(218番)、セビョク(067番)のたった3人。共同寝室の白い壁には全ゲームのピクトグラム(絵記号)が描かれている。ゲーム種目が何であるかは手を伸ばせば届く距離に明示されていた。5番目のゲーム前、16人の参加者は「1」から「16」までのゼッケンを選ぶが、次のゲームが飛び石渡りだと分かっていれば、迷うことなく後ろの数字を選ぶことができた。視聴者には分かるが、登場人物には分からない。多くの視聴者がもどかしい思いをするが、それこそが制作チームの狙いだ。

 3人にはギフトボックスに入った正装が渡され豪華な食事が提供される。最後の晩餐(ばんさん)だ。メニューのメインはラムチョップ(子羊の骨付きロース肉)のステーキ。これもキリスト教と関係が深い。神の子羊はイエス・キリストを指すからだ。3人は正三角形に組まれたテーブルの各辺の中央に座っている。ここにも数字のトリックが隠されているようだ。3人の番号を確認してみよう。ギフン(456番)、サンウ(218番)、セビョク(067番)。456+218+067=741となる。7-4=3、4-1=3。いずれも3という数字が現れる。すなわち三角形だ。制作チームは残る人数を3人に設定し、そこからギフン、サンウ、セビョクの数字を調整した可能性がある。ちなみに、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作絵画「最後の晩餐」の中に描かれているイエス・キリストは正三角形の構図の中に収まっている。西洋の絵画に詳しい人なら誰でも知っている有名な話だ。

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