“3児のママレスラー”が泣く子を振り切り初来日 狙うは東京女子プロレスの王座奪取

王者坂崎(左)と"3児のママレスラー"ラナ・オースチン【写真提供:(C)DDTプロレスリング/撮影 村上由美】
王者坂崎(左)と"3児のママレスラー"ラナ・オースチン【写真提供:(C)DDTプロレスリング/撮影 村上由美】

シングルマザーとして、そしてプロレスラーとして… 自問自答の日々

 3児の母として子育てとプロレスを両立させるラナは、シングルマザーでもある。それだけに、「苦労は尽きない」。ときにはプロレス会場に連れて行くこともあるという。が、3人とも母の仕事に興味があるわけではない。子どもたちのため、長く家を留守にすることは極力避けている。これまでは最長でも3、4日だった。主戦場は英国で、足を伸ばしたとしても欧州内がほとんど。アメリカには一度行ったきり。だが、今回は最長の2週間、子どもたちを置いて家を留守にすることになる。

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 それだけに、東京女子への初来日は彼女にとって、また家族にとってとても一大事なのだ。子育てに時間を取られていた分、彼女は自分の夢をなかばあきらめていた。それは日本でプロレスをすること。見回してみれば、来日を決める女子のレスラー仲間が増えてきた。「私ももう33歳。自分はこれでいいのだろうか。子どもたちを言い訳にしているのではないか……」。

 そんな頃、坂崎ユカ&伊藤麻希のEVE参戦が決定。1月11日ロンドンのちょうど1週間前の“イッテンヨン”、地球の裏側では東京女子が後楽園ホールで試合をおこなっていた。その同日、ラナは日本からやってくるレスラーとの対戦をリング上からプロモーターに申し出ていたのだ。

 それを聞いた共同プロモーターのエミリー・リードはラナの要求を受諾。「母としても素晴らしい彼女は、女性のロールモデルになる存在」と女性目線による共感から夢の実現を手助けした。よってラナVS坂崎のカードが正式決定。引き分けからの決着をつけるため、ラナの来日も後日、東京女子から発表された。

 離英当日、下の子2人が「ママ行かないで」と大泣きした。だからこそ結果を出さなければいけないとラナは痛感。最高の日本土産はプリンセス・オブ・プリンセス王座のベルトにほかならない。日本はもちろん、世界的にも無名のレスラーだが、そんな背景を知っていれば、プロレスはもっともっと興味深く見ることができるだろう。

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