「おかえりモネ」ヒロイン妹役の蒔田彩珠が声優初挑戦「1日で録るはずが、4日かかった」

NHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」で主人公モネの妹役を演じる女優の蒔田彩珠(19)がアニメ映画「神在月のこども」(10月8日公開)で声優に初挑戦した。初主演映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」や「朝が来る」では多数の映画賞を手にした若手演技派だが、声だけの演技には苦労したと明かした。

アニメ映画「神在月のこども」で声優に初挑戦した蒔田彩珠【写真:荒川祐史】
アニメ映画「神在月のこども」で声優に初挑戦した蒔田彩珠【写真:荒川祐史】

蒔田彩珠、アニメ映画「神在月のこども」で12歳少女を熱演

 NHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」で主人公モネの妹役を演じる女優の蒔田彩珠(19)がアニメ映画「神在月のこども」(10月8日公開)で声優に初挑戦した。初主演映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」や「朝が来る」では多数の映画賞を手にした若手演技派だが、声だけの演技には苦労したと明かした。(取材・文=平辻哲也)

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 同作は12才の少女カンナが神使の兎・シロ (坂本真綾)と鬼の少年・夜叉(入野自由)とともに出雲へ向けて走るファンタジー。蒔田が演じるのは、走ることが大好きなカンナ。母(柴咲コウ)の死をきっかけに、走ることと向き合えなくなってしまう。しかし、神の使いである、うさぎとの出会いによって、神々が集まる出雲へ旅に出ることになる……というファンタジーだ。

「声優初挑戦が主人公っていうのは、もちろんうれしかったんですけど。戸惑う気持ちも少しありました。でも、自分があきらめたことにもう1回挑戦しようとするカンナの姿を見て私も演じてみたいと決心しました。カンナが12歳だったので、実際の自分の声より高いほうが良いと思い、そこは意識しました。普段のお芝居の時は何か作り込んでいくことはないんですが、今回は実際に家で映像を見ながらセリフを合わせたり練習してから臨みました」

 好きなアニメは「おおかみこどもの雨と雪」「耳をすませば」。俳優が声優を務める作品はよく観ている。アフレコは最後に吹き込むことになり、自分以外の声は既にレコーディング済みということで、たった1人のアフレコになった。「相手役の方がいないので、難しかったですね。プロの声優さんはやっぱりすごいなと思いました。今までとは違うので、これは頑張らないと、というのが率直な感想でした」。

 初主演映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」では吃音持ちのヒロインの同級生役を好演し、河瀬監督の「朝が来る」にも抜てきされた若手実力派だが、初の声優には苦労した。「すごい緊張していたのもあって、なかなかうまくできなかったんです。1日で録る予定だったのですが、4日くらいに分けて録りました。自分では、表現を大きめにやってるつもりでも、実際に聞いたら、そんなに変わってないということが何度もありました。時間をかけて、シーンを重ねていくごとにちゃんとカンナの声になっていったなと思います」。

 特に難しかったというのは明るく振る舞うシーンだ。「私自身も負けず嫌いなところがあるので、夜叉と張り合うシーンは演じやすかったです。でも、明るい12歳の女の子としてしゃべるシーンは難しかったですね……。ほかにも、感情を乗せて声を張り上げたり、走るシーンも息遣いがすごく難しい。ほぼ難しかったですね」と笑って振り返る。

 一番印象に残っているのは、ゴールの出雲を直前にして、「母と会えないのだったら、走る意味がない」と溜めていた感情すべてを吐き出すシーン。「ここはカンナにとって一番大事なシーンだし、大切に演じたいと思っていたので、頑張りました」と胸を張る。

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