吉沢亮が漂わせる時代劇の空気 「青天を衝け」明治になっても篤太夫に“土のにおい”

NHK「青天を衝け」第27回(19日午後8時)では、時代は明治になり、渋沢篤太夫(吉沢亮)がいよいよパリでの経験を生かし、本格的に商才を発揮するようだ。

商法会所について説明する渋沢篤太夫(吉沢亮)【写真:(C)NHK】
商法会所について説明する渋沢篤太夫(吉沢亮)【写真:(C)NHK】

NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の第27回(19日午後8時)の見どころを探る

 NHK「青天を衝け」第27回(19日午後8時)では、時代は明治になり、渋沢篤太夫(吉沢亮)がいよいよパリでの経験を生かし、本格的に商才を発揮するようだ。

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 NHKによると、篤太夫は、駿府藩の勘定組頭を命じられるが、水戸にいる昭武(板垣李光人)のことを思って辞退するという。しかし、この命が慶喜(草なぎ剛)の配慮であることを大久保一翁(木場勝己)から聞かされ、駿府に残る決断をする。

 篤太夫はパリで学んだ知識を生かし、武士と商人が力を合わせて商いを営む「商法会所」を設立。駿府藩の財政改革に乗り出すという。

 一方、箱館では、成一郎(高良健吾)や土方(町田啓太)らが新政府軍を相手に決死の抵抗を続けていたという内容とされる。

 篤太夫がいよいよ新たな時代に“日本の資本主義の父”と称される活躍を見せてくれそうだが、振り返ると、番組の開始からこれまで、農民から武士に取り立てられた篤太夫は、しっかりと時代劇の主人公として描かれていた。篤太夫を通して幕末の混乱を丁寧に描き、時に土のにおいを感じさせながら武士の魂も描いてきた。幕末を描く作品には、急激な時代の変化と複雑さに見ている側も混乱するケースがあるが、明治になって間もない、これまでの「青天を衝け」は、分かりやすく、しかも、きちんとした時代劇と感じる。

 これから注目したいのは明治政府での仕事、実業界で銀行やいくつも会社や経済団体を設立するなど、数えきれないほどの業績を残していく篤太夫や作品の雰囲気が、今後、どう視聴者の目に映るかだ。吉沢が演じる主人公・篤太夫からは、武州言葉の影響もあるかもしれないが、ドラマのスタートからこれまで、ずっと農家の長男として育った土のにおいを感じる。時が流れても、周囲が変わっても変わらない、いい意味で時代劇の雰囲気を保つ一つの重要な要素のようにも思える。これから時代が進むにつれ、作品の雰囲気がどうなっていくのか注目してみたい。

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