画鋲の絨毯を踏みしめる喜びをあなたは知っているか? 画鋲デスマッチの魅力とは

大日本プロレス8・28後楽園ホール大会で「画鋲&剣山 金銀ギラギラタッグデスマッチ」伊東竜二、“黒天使”沼澤邪鬼組VS神谷英慶、高橋匡哉組のゴングが鳴る。大日本では画鋲と剣山を募集。事務所や各会場で受け付けており「あの画鋲は私の」「あの剣山は俺の」とデスマッチに自ら“参戦”したい人は、大きなチャンスだ。

画鋲デスマッチ後のリングに上がると、こうなります【写真:柴田惣一】
画鋲デスマッチ後のリングに上がると、こうなります【写真:柴田惣一】

34万4440個の画鋲が飛び散るリングに上がると…

 大日本プロレス8・28後楽園ホール大会で「画鋲&剣山 金銀ギラギラタッグデスマッチ」伊東竜二、“黒天使”沼澤邪鬼組VS神谷英慶、高橋匡哉組のゴングが鳴る。大日本では画鋲と剣山を募集。事務所や各会場で受け付けており「あの画鋲は私の」「あの剣山は俺の」とデスマッチに自ら“参戦”したい人は、大きなチャンスだ。

 いろいろなデスマッチ形式があるが「画鋲デスマッチが一番好き」というファンも多い。「キラキラと美しく、幻想的で素敵。差し入れた画鋲は選手に刺さったのかな。それとも宙を舞ったのか」と、いつも以上に熱心に観戦してしまうそうだ。

「母さん、僕のあの帽子はどうしたでしょうね」という森村誠一の「人間の証明」を思い出した。元々は西条八十の詩の一節だというが「母さん、僕のあの画鋲はどうしたでしょうね」。確かに詩的な一面がある画鋲マッチである。

 以前、デスマッチの立会人を務めたことがある。「BJW認定デスマッチヘビー級選手権試合 観客持ち込み・画鋲デスマッチ」だった。認定書を読み上げ、王者からベルトを預かったが、リング上の緊迫感はすさまじく、デスマッチファイターが醸し出す、張り詰めた空気に圧倒されそうになった。

 果たして、34万4440個の画鋲が飛び散り、両者血だるまとなったド迫力マッチが終了したが、試合前に新土裕二リングアナウンサーから「試合後は、どうされます?」と聞かれていた。「やめたほうが」というニュアンスが強く伝わってきたが、血だらけのマットを目の前にして、その意味がよく分かった。

 腰が引けたが「いや、勝者にベルトをこの手で渡したいです」と即答していた手前、逃げ出すことはできない。リングへの階段を昇りながら、ちょっとだけ心配になった。マットには画鋲に加えて、蛍光灯など激闘の産物が一面に飛び散っている。キラキラと光り輝く「画鋲の絨毯(じゅうたん)」は美しくもあったが、ところどころに血だまりができていた。

 一歩、踏み出す度に、画鋲が突き刺さる。「ジャリッ」でも「プチッ」でもない、何とも言えない感触だ。「こんなところで闘っていたのか」。レスラーへのリスペクトがさらに高まった。

次のページへ (2/3) 「これが体だったら…」こみ上げる恐怖
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