王位戦第4局は平成将棋対令和将棋の展開 令和の藤井2冠が新感覚で勝利という結末に! 真田圭一八段解説

真田圭一八段
真田圭一八段

奇抜な手はなかったが、攻め倒した藤井2冠

 実戦に戻って、ようやく戦いが始まった73手目▲4七銀と銀をぶつけた局面は、玉が堅い上、戦場からも遠いので先手の方が方針が分かりやすく思える。だが、78手目△5四銀打を境に様相が一変する。この手自体は玉を厚くしつつ要所を抑える銀打ちで味がいい。だが、この銀はこの将棋自体の流れそのものを大きく変えてしまう手となる。この手以降、藤井2冠は勝勢になるまで攻めの手しか指さなかった。

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 一方、玉を堅陣に収めて攻めに専念できるはずだった豊島2冠は逆に防戦一方となってしまった。もちろん、藤井2冠が非常にうまく豊島陣を攻略したというのはあるだろう。だが、一手一手を見れば奇抜な手はなく、順当に攻め倒したような印象を受ける。必死に堅陣を築いた豊島2冠としては、このような展開での敗戦は不本意だっただろう。

 大局観、価値観の差異がもたらしたとも言うべき藤井2冠の快勝劇。これで王位防衛まであと1勝。同時進行の叡王戦も、奪取に王手を掛けている。このまま藤井2冠が突っ走るのか、豊島2冠が踏みとどまるのか。いよいよこの2人の対決も佳境を迎えた。

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