【ズバリ!近況】日本人初の2大会連続金メダリスト・上武洋次郎さんが明かす偉業を達成できた理由

メキシコ五輪後に見合い結婚し事業に専念【写真:坂本俊夫】
メキシコ五輪後に見合い結婚し事業に専念【写真:坂本俊夫】

今はゴルフや酒を楽しむ悠々自適の日々

 小幡さんは日本のテレビなどに出ることもなく、すぐ米国の大学に戻り、全米学生選手権3連覇、うち2回は最優秀選手賞を取るなど米国で活躍。そのまま大学院に進む。

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「そんなとき、次男坊の僕に足利の旅館の婿養子の話が入った。相手は当時慶応大学生。写真と手紙のやり取りをし、メキシコ五輪の1年ちょっと前のクリスマス休暇に帰国し、見合い。大学院の勉強がきつくてね。旅館の仕事も、名字が変わるのもいいじゃないかと、アメリカを引き揚げて婚約。その年にメキシコ五輪の予選前の合宿があって、選手たちの指導という形で参加。そうしたら僕の方が強い。それで予選から参加し、代表になり、苦戦もしましたが、なんとか五輪2連覇。10月にメキシコ五輪が終わり、帰国して11月に結婚式を挙げました」

 家業に取り組みつつ、早大レスリング部のコーチを4年間務め、また、ミュンヘン五輪のコーチ、次のモントリオール五輪の監督を務めるなどしたが、駅前の再開発事業で旅館をホテルにする際、借金をした。それでレスリングから離れ、35年間事業に専念。ホテル業を軌道に乗せ、10年程前に息子に社長職を譲った。

 それから母校・館林高校のOB会長を務め、土日には学生を指導。10年間1日も休まず続け、去年の9月にOB会長を後進に譲り、今はフリーだ。

「朝5時に起きて食事を軽くして、渡良瀬川の河川敷にあるゴルフ練習場に行き、まず川沿いを30~40分、ランニングとウオーキング。それから1時間ほどゴルフの練習。昼食後は草刈りなど家の雑用をして、シャワーを浴びてから昼寝したりテレビを見たりし、夜は軽く飲んで就寝です。週1回は友人と会食。館林市に行きつけの料亭があります。ゴルフは年相応にできるので体が動く間は続けたいですね。レスリングとゴルフの違いは、レスリングはカーッとなると力が出るんですが、ゴルフでカーッとなるとボールがとんでもないところに飛んでいく(笑)。

 酒はワイン、ウォッカ、ジンなど。ワインはメルロー種のワイン。酸味が少なくまろやか。日本酒も純米とか大吟醸とか日本中の酒がうまい。大体1日3種のアルコールを1杯ずつ飲み、その中の気に入ったものを最後まで飲むんです。飲んでいる時は、あまりものは食べない。僕はそのほうが酔っぱらわない」

 孫は女の子が2人。祖父のすごさを分かっているのだろうか。

「オクラホマのスポーツ選手の殿堂入りした時や早大からスポーツ功労者の表彰をされた時など、連れていっていますので、すごいとは思ってくれているみたいですが、大学3年と4年なので、もう全然遊んでくれないですよ(笑)」

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