【欧州車紀行・北仏6】モン・サン=ミシェルから第二次大戦の舞台となったバイユーへ

バイユーのノートルダム大聖堂【写真:峯田淳提供】
バイユーのノートルダム大聖堂【写真:峯田淳提供】

ノルマンディー上陸作戦の舞台となったバイユーへ

 ゆっちゃんが車に戻ると、僕らは一路東に100キロ弱離れたバイユーを目指す。モン・サン=ミシェルまでの高速道路を戻り、カンの手前で左に入るのだが、降り口を間違えてしまった。車に備え付けのナビの、高速道路を降りる指示が分かりづらいのが原因だ。すぐを右に降りるのか、その先なのか、どちらにも取れるような表示なのだ。結局、カンの一つ手前まで進んでしまい、仕方がないのでそのままカンに向かって左側に回り込み、また畑の中の一本道を右に左に。バイユーの街には無事、到着することができたが。

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「バイユーは第二次世界大戦末期の映画にもなった、ノルマンディー上陸作戦の『史上最大の作戦』で、いち早く解放された街なのね。街の中心部にノルマン・ゴシック様式建築のノートルダム大聖堂があるの。パリのノートルダム大聖堂と同じ名前の。その近くにタピストリーで有名な美術館があるから、それはどうしても見たいわ」

 ノルマンディー公ウィリアムがイングランドのサクソン王朝を征服したのが11世紀。タペストリーはその物語を幅50センチ、長さにして70メートルもある布に漫画チックに描いたものだ。

 バイユーの街を走っていると、ゆっちゃんが「やっぱり旧市街は他のヨーロッパの古い都市と同じね。車1台が通れるくらいのデコボコの石畳」とポツリと言う。確かに。日本には石畳の車道はあまりないだろう。欧州らしさを感じるものの一つだ。

 美術館に向かう前にホテルにチェックイン。駐車場はホテルの先のガレージを開けた中にあったが、表示がなく、とても分かりにくい。日本のように丁寧な案内表示がないことが多く、目的地に着いてから迷う。しかし、それもいつものこと。慣れっこになっている。

「荷物をホテルに置いて、取りあえず『史上最大の作戦』のビーチに行こう」

「ご飯はビーチに行ってから、ね」

 フロントに荷物を置き、ビーチに車を走らせる。避暑地のようにサンダルで浜に出かけることを想像する人も多いだろうが、ビーチまでの距離20キロくらい。ちょっとした移動である。

次のページへ (3/3) 【写真】モン・サン=ミシェルや赤い鳥居が見える風景ショット
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