よぎった引退、絶体絶命からの起死回生…「生きるヒント」を紡いだ棚橋弘至の実録

「プロレスは生き方」と熱く語る【写真:山口比佐夫】
「プロレスは生き方」と熱く語る【写真:山口比佐夫】

「僕にとってプロレスは生き方」 あきらめずに前を向く人生の指南

――苦境でも「ピンチは最大のチャンス」「不調だからとあきらめない」と立ち向かったエピソードが明かされています。

「けがで体が動かせなかった、つらかった。そこから棚橋はどう気持ちを前に向けたのか。どう克服してチャンピオンになったのか。実録ですね。『実録棚橋弘至』。第2版でタイトルを変えましょうか?出版関係者がざわついていますね(笑)」

――著書では、プロレスを山あり谷ありの人生に例えています。リングで伝えたいことはどんなことですか。

「僕にとってプロレスは生き方です。もちろん僕もいい時期があったし、けがで苦しんだ時期もある。プロレスにおいても攻めている時があれば、やられている時もある。実生活でも仕事がうまくいく時もあれば、ダメな時もある。人間関係もそうです。でも、あきらめずになんとかしようとあがいて苦しんでもがいていくと、必ずチャンスが来る。よくなるチャンスが。だから僕にとってプロレスとはなんですかと聞かれると、必ず『生き方』と答えるのです。必ず反撃のチャンスが回ってくるから、あきらめずに頑張っていこう。そういう思いです」

(つづく)

□棚橋 弘至(たなはし・ひろし) 1976年11月13日、岐阜県大垣市生まれ。42歳。立命館大卒業後の1999年に新日本プロレスに入門し、同年デビュー。IWGPヘビー級王座に何度も輝き、第56代IWGPヘビー級王者時代には、当時の歴代最多防衛記録である「V11」を達成。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」「エース」。特技はエアギター。2019年6月、「カウント2.9から立ち上がれ 逆境からの「復活力」」(マガジンハウス)を刊行。
https://magazineworld.jp/books/paper/3055/

(ENCOUNT編集部・吉原知也/Tomoya Yoshihara)

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