ウルトラマン最新作「トリガー」が「仮面ライダー」から受けた指針 ヒーロー演じる秘訣

「変身シーンは今でも緊張する」と話したマナカ ケンゴ役の寺坂頼我
「変身シーンは今でも緊張する」と話したマナカ ケンゴ役の寺坂頼我

寺坂の名前の頼我は獣神サンダーライガーに由来

 小林からは他にもこんな話をされたという。

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「変身アイテムの見栄えがよく変身できるといいよね。大変だけど、他の作品では経験できないことが多いから。『仮面ライダー』と『ウルトラマン』。作品は違えど、特撮の作品は役者としても磨いてもらえる。学びなさい。いっぱい周りの人の話を聞くんだよ」

 寺坂はその教えを守りながら『ウルトラマントリガー』の撮影に臨んでいるが、最近は意識的に心がけていることが増えたという。

「子どもたちのお手本になるように気をつけないといけないと思っています。食べ物にしても好き嫌いをせず、苦手なトマトでも進んで食べるようになったり(笑)。『疲れたー』なんて雰囲気で街を歩かないようにするとか、横断歩道で信号が青から赤に変わる時、点滅しているときなら気にせずに渡っちゃうときがあるじゃないですか。そういうときでも止まって渡らないようにするとか。新幹線に乗って、シートを傾けるときは後ろの座席の方にひと声かけるとか。些細なことから少しずつ広げていますね」

 細かな場面から気をつける。子どもたちのヒーローになる、とはそういうことなのかもしれない。だからこそ、寺坂は声を大にして言いたいことがある。

「あきらめなかったら夢はかなっていくってことを、僕がヒーローになることで伝えていけたら。『ウルトラマントリガー』は本当に多くの人たちの期待が詰まった作品ですし、現場の雰囲気から、その期待を超えられる作品になると思っています。今、誰もが大変な場面、難しい問題に向き合っていますけど、そういう闇の部分を光に変えられるような作品です。ぜひ、僕らのパワーを受け取ってください。みんなで夢をつないでいきましょう。スマイル、スマイル!」

 そんな明るく元気なあいさつで言葉で話をしめくくった寺坂。その言葉通り、『ウルトラマントリガー』が1人でも多く人の夢と希望につながるきっかけづくりとなることを切に願う。

 最後に余談だが、そもそも寺坂の名前にある頼我(らいが)の由来は、プロレスラーの獣神サンダーライガーにある。

「僕のお父さんはプロレスが大好きだったんですけど、ライガーさんと同じく、カラダが小さくて。ライガーさんも体力的に恵まれていな買ったのに、努力で強くなってスターになっていった方だから、僕が生まれてきた時に、もしコンプレックスや困難があっても、努力で這い上がってほしいっていう思いで頼我にしたそうです」

 ライガーといえば、20年1月に現役こそ引退したものの、現在でも日本を代表するマスクマン。もちろん、特撮の世界とはジャンルこそ違うが、生き方やキャラクターとしての存在を含め、自然と投影するように見えてしまう気がしてならない。

 そういった意味においても、今回の『ウルトラマントリガー』は、過去の「ウルトラマン」以上にさまざまな視点で楽しめる作品になることは間違いない。

次のページへ (4/4) 【写真】『ウルトラマントリガー』寺坂頼我の全身ショット
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