被災地で“車の日傘”無償配布 「普通に欲しい」と反響も…「正直売れない」 老舗メーカーの信念
最大震度7の揺れを観測した熊本地震は11日、発生から2週間が経過した。いまだに復旧の見通しが立たないなか、被災地では連日のように過酷な暑さが続いている。そんななか、車中泊避難を行う被災者に向け、“車の日傘”を無償提供した企業の取り組みが話題を呼んでいる。車室温度を最大30度以上も下げる効果があるという車用パラソル「パラクール」の開発秘話を聞いた。

車室温度を最大30度以上下げる効果も
最大震度7の揺れを観測した熊本地震は11日、発生から2週間が経過した。いまだに復旧の見通しが立たないなか、被災地では連日のように過酷な暑さが続いている。そんななか、車中泊避難を行う被災者に向け、“車の日傘”を無償提供した企業の取り組みが話題を呼んでいる。車室温度を最大30度以上も下げる効果があるという車用パラソル「パラクール」の開発秘話を聞いた。
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「明日、正午前後から氷川中学校でパラクール(車の日傘)を無料配布します。車内温度を30℃下げる効果が有りエアコンの冷房効果がアップしガソリンの消費にも効果あります」
今月7日、SNS上で拡散した被災地向けの支援情報。写真には、自動車のルーフ部分を覆うように、巨大な日傘が広げられた様子が収められている。ネット上では「これ、普通に欲しいな」「ちょっとした目隠しにもなるのはいいですね」「これは素晴らしい発想」と話題に。被災地支援の取り組みを称賛する声が多数寄せられている。
投稿したのは、自動車部品やカー用品、キャンピングカーの製造・販売などを行う創業73年の老舗企業、株式会社コイズミの公式アカウント。今回被災地で無償配布した商品「パラクール」は、15年前に同社が開発し、商標登録したものだという。現在は軽自動車から大型のワゴン車まで3サイズを展開。同社の検証では、夏場に60度以上の高温になる車室温度を、最大30度近く下げる効果が認められたという。
同社カルコア事業部の宮田芳孝さんは、「今では一般的なポータブルエアコンですが、弊社が車中泊用にいち早く開発した『ラ・クール』という商品があり、その効果を最大化するためにパラソルとラ・クールをモジって『パラクール』と名づけました」と開発の経緯を説明。
ラ・クールは外部電源やポータブル電源から、ドアを締め切った状態で使える車中泊用のエアコンで、毎年限定1000台が即完売する同社の人気商品だが、パラクールの方は夏場の日中に車内で過ごすというニーズ自体が少なく、「正直あまり売れなかった」。10年前、2016年の熊本地震の際に倉庫で眠っていたものを被災地で配布したところ、大きな反響が寄せられたという。
「前回の地震では余震の後に本震があり、一時帰宅していた多くの方が亡くなりました。地震のあと、しばらく家に帰れない状況で車中泊が増えているという報道を見て、すぐに思い立ち、倉庫の在庫をレンタカーに放り込んで被災地に向かいました。被災地の方から、『耐えられない暑さがかなり和らいだ』『ガソリンの減りが少なくなった』と、本当に喜んでいただけた記憶が鮮明に残っています」
今回の熊本地震でも、8月1日と8日に無償配布を実施。事前にSNSで告知していたこともあり、約200台分が15分ほどで配布終了したという。
「車中泊を余儀なくされている方々の姿を見て、いち早く届けなければと現地へ向かいました。正直なところ、パラクールは普段はそれほど売れる商品ではありませんが、酷暑の夏には絶対に必要なものだと信じて、これまで一貫して扱い続けてきました。本当に求められている物資をお届けできたと実感すると同時に、その切実さを肌で感じました」
今回の投稿をきっかけに、同社には商品の問い合わせが多数寄せられているが「社内にある在庫はすべて配布してしまいました」。同社では現在、来年以降に向け新型モデルを開発中だとしている。
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