「全裸監督2」伝説の女優を演じた佐藤あいりが激白「オーディションでは泣き通した」

状況の変化に「気持ちが追いついていなかった」と話す佐藤あいり【写真:荒川祐史】
状況の変化に「気持ちが追いついていなかった」と話す佐藤あいり【写真:荒川祐史】

「脱げますか」との質問に「正直、分からないです。脱げないです」

 2回目のオーディションでも、覚悟を決められなかった。ほかの応募者がAV女優らしく体のラインが見える服装でアピールする中、スエットパンツ&シワシワのロングTシャツ姿で、しかも時間ギリギリに会場入り。しかし、後藤監督の「あなたはそのままでいい。僕たちは役のイメージに合わなくても、いいなと思ったら、別の機会に声かけたりする。オーディションは普通で受かるのは奇跡なんだから、そんなに頑張らなくていい。リラックスしなさい」という言葉に励まされた。

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「脱げますか」との質問にも、「正直、分からないです。脱げないです」と回答。ただ、後藤監督は、佐藤の人間味に魅力を感じたようで、「その時、思ったことをそのまま(総監督の)武(正晴)さんに伝えればいい。オレも現場にいるから、大丈夫。話をして欲しい」と言われた。武監督との最終面接までの1週間も悩み抜いた。「まだまだ役者として甘いな、なんのために東京出てきたんだろう。ご飯もまともに食べられず、友達にもあまり会いたくなかった。状況が急に変わりすぎて、気持ちが追いついてなかったんです」

 撮影への参加は昨年7月から。コロナ対策もあって、メイクも自分の手で行った。「ネットにあがっている桜樹ルイさんの写真や動画を見ました。常に村西さんの近くにいる人なので、知っている人なら、桜樹ルイさんがモデルというのは分かるので、眉毛の濃さ、クリクリした目の雰囲気を出したつもりです」

 世界配信の大型ドラマの現場は初めて。「最初は怖さしかなく、圧倒されまくりでした。名前を呼ばれるだけでドキッとしましたが、緊張していることを出さないようにしていましたね」。セリフは少ないが、AV女優役のキャストとともにヌードを見せるシーンも。「(AV女優がストリップを披露する)浅草ロック座での撮影は深夜でした。100人くらいのエキストラがいらっしゃって、紙吹雪が舞う中、ダンスしました。こんなステージに立てることはめったにないので、貴重な経験でした。その撮影期間を乗り越えて、いろんなキャストを見てきた今だから言えるのですが、ちょっとチャレンジもしてみたかった」と振り返る。

 自身の殻を脱ぎ捨てたことで、女優としての覚悟、度胸もついた。「昔から私を知ってくれている方はびっくりするんじゃないかな。顔つきも、自分で見てもすごく変わっていますし、女性として、りりしくなったと思ってくれると思います。この前、短編映画でベッドシーンがあったんですが、全然抵抗なかった。どうやったら作品が良くなるか、どうやったら、このキャラクターの感情が伝わるのかを深く考えました。私、ちょっと変わったかもしれません。そうやって、少しずつ壁がなくなっていけば、と思います」

次のページへ (3/4) ファースト写真集は「結構、攻めています。ここまで露出したのは初めて」
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