シン・RIZINへの伏線か RIZIN榊原CEOがメイウェザー&UFCダナ・ホワイト代表と仰天の再会

UFCさえ手が出せない「メイウェザー」の切り札

 さらに言えば、この間をとりもち、「15年ぶりの再会」を仕掛けたのが“ボクシング界の超問題児”メイウェザーだった、という点もまた奇妙な因縁を感じて仕方がない。

 確かに、ボクシングファンにとっては5階級制覇の世界王者かもしれないが、日本の格闘技ファンにとってメイウェザーとは、17年夏にUFCの二階級王者であるコナー・マクレガーにボクシングルール戦をやらせた男(両者のファイトマネーの総額は約400億円とも)であり、18年の大みそかに那須川天心との事実上のボクシングルール(エキシビションマッチ)での一騎打ちを闘った男。

 天心戦では、一説には10億円といわれるファイトマネー、10キロ以上とも言われた体重差、天心のキック1発で5億円の罰金、会場入りが当日の試合開始2時間前など、前代未聞の一戦が物議を醸したが、あれから2年以上経った今でも、メイウェザーをリング上に上げられたのはUFCではなく、RIZINだった、という事実が存在する。

 それはもちろん、UFCのリングではボクシングルールの試合は組めないからかもしれない。

 とはいえ、プロモーターとして考えれば、「ザ・マネー」との異名を持ち、「パウンド・フォー・パウンド」とも呼ばれるメイウェザーとビジネスをしたのは、ホワイト代表ではなく、榊原CEOだったのである。

 組織としての規模や運営母体、経常利益を考えれば、RIZINとUFCの違いは、今や豪華客船と手漕ぎボート(失礼)に近いものがあり、いつの間にかUFCは文字通り、世界最大の圧倒的人気を誇る格闘技団体に成り上がった。

 それは昨年にしろ、RIZINはクラウドファンディングで支援を集めながら、やっとの思いで6回の大会を開催したのに対し、UFCはコロナ禍でありながら40回以上の大会を開催した点でも明らか。

 その点だけを考えても、両者の違いを認識せざるを得ない話だが、それでも、唯一その一点のみは、ホワイト代表でさえ、手が出せない領域なのだ。

 問題はこの後、この3者が遭遇したことで何が生まれるのか。

 次なる興味はそこになる。

次のページへ (3/4) RIZINがUFCと絡んで起きる科学反応とは
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