YouTubeは小学生の夢ずかん 人気YouTuberが感じた子どもたちの変化

「大人になったら、YouTuberになりたい」。そんな子どもたちが増えている。YouTuberが将来の夢の選択肢の一つとして定着してきている証だろう。実際にYouTuberとして活動する人はこの現状をどう捉えているのか。話を聞いてみると、意外な考え方が見えてきた。

お笑いコンビでYouTuber「裏切りマンキーコング」の西澤祐太朗(左)と関谷風次【写真:(C)吉本興業】
お笑いコンビでYouTuber「裏切りマンキーコング」の西澤祐太朗(左)と関谷風次【写真:(C)吉本興業】

大人になったらYouTuberになりたい子どもたちが増えている

「大人になったら、YouTuberになりたい」。そんな子どもたちが増えている。YouTuberが将来の夢の選択肢の一つとして定着してきている証だろう。実際にYouTuberとして活動する人はこの現状をどう捉えているのか。話を聞いてみると、意外な考え方が見えてきた。(取材・文=安藤かなみ)

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 第一生命保険が3月17日に発表した「大人になったらなりたいもの」アンケート調査結果では、小学生男子の1位「会社員」(8.8%)に次ぐ2位が「YouTuber/動画投稿者」(8.4%)。さらに「13歳のハローワーク」公式サイトが発表している人気職業ランキングでも常に上位にランクインするなど、今やYouTuberは子どもたちの憧れの職業として定着しつつある。

 吉本興業に所属するお笑いコンビで、YouTuberとしても活動する「裏切りマンキーコング」は、2014年に関谷風次と西澤祐太朗で結成され、今年で活動7年目を迎える若手コンビだ。西澤はお笑い芸人初のプロゲーマーとしても活動し、人気タイトル「スプラトゥーン2」で全国屈指の実力を誇る。風次も膨大なゲームの知識量を活かしてゲームイベントの司会を多数こなすなど、「ゲーム」「eスポーツ」に特化したコンビとして活動の幅を広げている。

チャンネル登録者数10万人超えの吉本芸人が小学校で子どもたちの前で講演を行った

 2016年に開設したYouTubeチャンネル「裏切りマンキーコングCh」ではゲーム実況動画を中心に投稿を続け、現在ではチャンネル登録者数10万人以上の人気チャンネルに。そんな「芸人」と「YouTuber」の二足のわらじを履く2人が、神奈川県内の小学校を訪問。小学校6年生の児童に向けて講演会を行った。

 2人が壇上から「YouTubeを毎日見ている子は?」と質問を投げかけると、体育館に集まった約100人の児童たちはほぼ一斉に挙手。初めて生で聞くYouTuberの話に、メモを取りながら真剣に聞き入った。

 ところが、「YouTuberやプロゲーマーになりたいか」と質問されると、手を挙げた児童はわずか2人だけ。意外な結果にも思えるが、風次は安堵(あんど)の表情を浮かべこう話す。「多方面に失礼かもしれないですが、(YouTuberになりたいという子が少なくて)ちょっと安心しました。みんな、ちゃんと憧れるものがあるんだなって」。

 風次が「(YouTuberへの)憧れというよりも、『ラクできる』という意味での憧れ。『キラキラ輝いている』よりも、『なりやすそうだな』『今、自分がやりたいこともないし』というジャンルなんじゃないかな」と冷静に受け止めれば、西澤も「同じ意見です。ラクして好きなことをやってお金を稼げていいな、という感覚の子が多いのではないでしょうか」と分析する。

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