コロナ感染の現役アイドルが語る自宅療養 突如襲った不安「自分はどうなるんだろう?」

新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず、いつどこで、誰が感染するか分からない状況が続く。アイドルグループ「SKE48」の福士奈央(21)は、昨年暮れにPCR検査で陽性判定を受け、活動休止を余儀なくされた。1月7日に無事活動を再開させたが、17日間の自宅療養は、どのような生活だったのか。自宅療養の不安と心の支え、感染を経験した今、若者世代に伝えたいメッセージを聞いた。(取材・構成=イシイヒデキ)

SKE48の福士奈央
SKE48の福士奈央

ネット上の情報は「すべてをうのみにはしない」

 新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず、いつどこで、誰が感染するか分からない状況が続く。アイドルグループ「SKE48」の福士奈央(21)は、昨年暮れにPCR検査で陽性判定を受け、活動休止を余儀なくされた。1月7日に無事活動を再開させたが、17日間の自宅療養は、どのような生活だったのか。自宅療養の不安と心の支え、感染を経験した今、若者世代に伝えたいメッセージを聞いた。(取材・構成=イシイヒデキ)

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〈活動再開までの経緯〉
 12月21日に体調の違和感を覚え、翌22日に発熱したため、PCR検査を受診。陰性判定を受けたが、自主的に外出を自粛する。数日経っても回復せず、病院でも風邪と診断されたが、再度PCR検査を受けた結果、陽性の結果が出た。厚生労働省の定める療養期間終了後、再度PCR検査を受けて陰性となり、活動を再開した。

 チームEの副リーダーを務め、責任感の強い福士は感染前、どのように新型コロナに関する情報を得ていたのか。

「自分の身近で感染した人はいなかったのですが、ニュースを見ていて、自分も気を付けなければならないし、若い方の重症化も話題になっていたので、人ごとではないと思っていました。私たちの世代ですと、インターネットで情報を得ることもありますが、すべてをうのみにはしないように心がけていました。ただ、さまざまなケースがあることを知り、そこから周りの人の意見も聞いて、感染対策をして生活を送っていました」

 具体的な感染対策とは。

「幼い頃から、外出後や食事の前の手洗いうがいは必ずしていて、衛生面には常に気をつけていました。コロナが流行してからは、消毒液、除菌シートを持ち歩いて、なるべく外食はせず、リモートで家族や友人と食事をしていました。劇場公演やイベントの際は、自宅で必ず検温してから現場に向かい、現場でも検温などの体調チェックや楽屋の人数制限、換気などが徹底されていました」

 SKE48は、新型コロナウイルス感染症のための抗体検査キット・抗原検査キット「ICheck」を用いた疫学調査を実施する「ICheck プロジェクト」のアンバサダーを務めており、福士も「ICheck」を使用して、体調管理に気をつけていたという。では、どんな体調の異変を感じたのか。

「陽性判定後3日ほどは、なにも症状はありませんでしたが、4日目くらいから、水がおいしくない、ご飯の味が薄くなったと感じました。1時間ほど昼寝をして起きたら、完全に味覚がなくなっていて、そこから嗅覚もなくなり、38度くらいまで熱が出ました。翌日も味覚も嗅覚のないまま、熱は39度まで上がり、それが4日間ほど続きました」

 なにを食べて味覚がないと感じたのか。

「買い置きしていた激辛のカップラーメンを食べた際、ピリ辛くらいにしか感じず、そこで異変を感じました。普段だったら何十分もかけて食べるのに、おかしいと……。その後、チョコレートを食べたのですが、まったく味がせず、なにかこう硬いもの、石けんのようなものを食べているような感覚でした」

 地元を離れ、現在は愛知県で一人暮らしをする福士。自宅療養期間中、大きな不安に襲われた。

「無症状だった時期は、家の掃除をできるくらい動けたのですが、味覚と嗅覚がなくなり、倦怠感が出て、高熱が出たときは不安に押し潰されそうでした。起きることも怖かったし、テレビで重症化してしまった方の話を聞くと、自分はどうなるんだろう? と心配に……」

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