【Producers’ Today】「大コメ騒動」の岩城レイ子氏が語る“女の行動力”と“社会の変化”

キャラクターのサクナヒメが井上真央らキャスト陣と一緒に走っている劇場用ポスター【写真:(C)2021「大コメ騒動」製作委員会 (C)2020 Edelweiss. Licensed to and published by XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.】
キャラクターのサクナヒメが井上真央らキャスト陣と一緒に走っている劇場用ポスター【写真:(C)2021「大コメ騒動」製作委員会 (C)2020 Edelweiss. Licensed to and published by XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.】

和風アクションRPG「天穂のサクナヒメ」ともタイアップ 知恵と汗の結果

――主題歌は米米CLUBの新曲「愛を米(こめ)て」。この「米」つながりが面白いです。

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「私が米米CLUBさんの楽曲が好きだったということもあって、カールスモーキー石井さんに頼みに行ったんです。そうしたら本当にシャレが分かる方で、面白がっていただけたのかな、と思います。お金がないから、知恵と汗を出さないと。稲を育てて強くなるという『天穂(てんすい)のサクナヒメ』という和風アクションRPGが昨年11月に発売されたのですが、人気で品切れの事態が起きて『これは令和の米騒動だ!』という声が上がっていたんです。それで米騒動つながりということで、タイアップをお願いし、ゲーム制作のえーでるわいすの方に、映画をご覧いただいてメッセージを寄せてもらい、それを映画のチラシの裏面に掲載したり、キャラクターのサクナヒメが井上さんらキャスト陣と一緒に走っている劇場用ポスターも作りました。面白いことは何でもやろうよ、と。放送作家をやっていたのでノベライズも実は私が書いたんですよ。ペンネームは『戸屋まい』。富山のお米という名前(笑)。こういうの得意だし、面白がっているだけです」

――そういった面白い発想はどこから湧いてくるんですか?

「やっていて面白いことをしないとつまらない。つらいことがあっても、なんか面白いことをやるのが好きなので。例えばお金がない、宣伝費がない、この「ない」というところを、ずーーーーーっと突き詰めて、で、それをどうしようかな、とずーーーーーっと考えているんですね。寝ている間も(笑)。それでずっと考えていると脳が何とかしろと自分の脳細胞に指令を出すんだと思います。であるとき、ぽこっと『あ、これとこれをくっつけたら面白いかも』とひらめく。そうするとすぐに行動するんです。失敗するのでは、といちいち思っていても仕方がないじゃないですか。とりあえず、断られてもいいや、って。扉があったらノックしてやろうという感じかな」

「扉があったらノックしてやろう」「考えている暇があったら動く」

――フットワークが軽いのはなぜですか?

「もともとせっかちだったの。ニッポン放送の『高嶋ひでたけのお早よう!中年探偵団』の放送作家を19年くらいやりました。ニュースもやる、取材もする、スタジオの中にゲストが入っている中でも原稿を書く。とにかく、すぐやる。必然的にやらざるを得ない状況で、考えている暇があったら動こうよ、というのが自分の中にしみついちゃった。テレビのニュース番組、医療番組などのほか、フジテレビの『なるほど!ザ・ワールド』もやってましたね。あれは大変だったな。ネタ出しの会議に行くと、だいたい午前11時から始まって終わるのが午前3時なんですよ。ですから局内で3食食べちゃう。私はまずネタを出したり、取材に出たり、構成したり……。すごい大変でした。考えてみれば」

――岩城さんの存在がテレビ界に変化をもたらした?

「まさか。テレビ業界の隅っこで、動きまわっていただけで。その後、パブリシティーの仕事をしたのですが、そっちの方が性に合ってました。『これとあれとくっつけて』みたいな『たくらみ』が成功すると、やったー! って内心思ったり。でも本来私は1人が好きで、読書が趣味。乱読なんで、とにかく活字を読んでいるときがいちばん幸せ。猫と一緒に家で1人でいるときがいちばん幸せですね」

□岩城レイ子(いわき・れいこ)1956年、東京都出身。放送作家としてラジオ、テレビの情報報道番組の企画構成を担当。1991年に企画・PR会社オフィスR&Mを設立。番組企画、イベント、パブリシティー、出版プロデュースなどを手がける。92年よりハウステンボス園内のホテル運営会社である株式会社NHVホテルズインターナショナルのPR業務を担う。その後、北海道のウィンザーホテル再開業に携わり、PR業務を行った。現在、株式会社エース・プロダクションの代表取締役として、映画のプロデュースを担当。「武士の家計簿」「星めぐりの街」など地方発映画のプロデュースを行い、地域振興のサポートを行っている。

※これまでの主な仕事
テレビ:「ニュースプラス1」「NBAファーストブレイク」「ほのぼのワイド」他。
ラジオ:「高嶋ひでたけのお早よう!中年探偵団」「好奇心の大統領」他。
イベント:ハウステンボス「華の花嫁イベント」(グランプリ:加藤ローサ)、
     ハウステンボス「ミスターブリリアント 点灯式イベント」他。
映画: 「武士の家計簿」「草原の椅子」「星めぐりの町」「大コメ騒動」。
出版プロデュース:「話の面白い人・つまらない人」(高嶋ひでたけ著)、「歴史を   本当に動かした戦国武将」(松平定知著)、「本当にこわい歯の病気」(波多野尚樹著)、西村雅彦「俳優入門」、DVDブックなど多数。
著書:「若手社員がやめる会社・辞めない会社」(徳間書店)など。
受賞歴:アメリカIBAラジオCM環境部門で優秀賞、民放連ラジオCMで最優秀賞。
連載:週刊ポスト「医心伝身」を12年以上。

劇場用ポスター (C)2021「大コメ騒動」製作委員会 (C)2020 Edelweiss. Licensed to and published by XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.

(取材/構成・鄭孝俊)
全国紙、スポーツ紙文化部デスクを経て「ENCOUNT」記者。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在籍中。専門は異文化コミュニケーション論、メディア論。成蹊大学文学部ゲスト講師、ARC東京日本語学校大学院進学クラスゲスト講師などを歴任。

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