米出身漫画家が「鬼滅の刃」を徹底分析 マンガ学会で研究発表「炭治郎の中にモンスター」

「外」の世界に踏み出すことの大切さを描写

――複雑化した鬼は空間をゆがめて鬼殺隊を翻弄します。鬼殺隊士が鬼の群れと戦う無限城は足場が不安定極まりないです。どう解読すればよいでしょう?

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「この場面については『モンスターは可能不可能の境界線を巡視する』『モンスターは<差異の入り口>に宿る』という理論が応用できそうです。自分の運命を決める社会、会社、親に対する信頼度や関係が不安定になってしまった現在だからこそ、世界も何もかも不安定に見えてくる。その場合、人はどうすればよいのか。まずは、自分を取り巻く境界を認識し『外』という新しい世界、『鬼滅の刃』でいえば鬼の世界に踏み込むことでモンスターを理解することができる。そうすると今度は『内』の世界の『異常』が見えてきて、『内』の世界をどう変革すべきかが見えてくる。外の世界へ踏み出せない人は永遠に『無知』ということになります」

次のページへ (5/5) 「柱なんてやめてしまえ!!」という言葉に込められた意味
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