金魚すくいは「責任を持って」 取った金魚をトイレに放置…衰弱状態からの回復過程が反響

駅のトイレに置かれていたビニール袋、その中で小さな金魚がかろうじて生きていた──。夏祭りのシーズンを迎え、縁日では金魚すくいの屋台を目にする機会が増える。そんな中、お祭りの日に駅のトイレに置き去りにされた金魚を発見し、自宅へ連れ帰って治療した投稿者の行動がSNS上で反響を呼んでいる。発見時の状況や回復までの過程、小さな命に向き合う責任について話を聞いた。

トイレに放置されていた金魚【写真:X(@Oimo_is_inco)より】
トイレに放置されていた金魚【写真:X(@Oimo_is_inco)より】

「このままでは命を落とす」 トイレで発見した金魚を連れ帰る

 駅のトイレに置かれていたビニール袋、その中で小さな金魚がかろうじて生きていた──。夏祭りのシーズンを迎え、縁日では金魚すくいの屋台を目にする機会が増える。そんな中、お祭りの日に駅のトイレに置き去りにされた金魚を発見し、自宅へ連れ帰って治療した投稿者の行動がSNS上で反響を呼んでいる。発見時の状況や回復までの過程、小さな命に向き合う責任について話を聞いた。

「駅のトイレに捨ててあった…生きてるのでとりあえず持ち帰り」

 7月末、こうXに投稿したのは「じゃがいもいんこ」(@Oimo_is_inco)の名前で発信している30代の投稿者だ。普段から亀や海水魚、インコなどを飼育し、サボテンも育てている。過去には金魚を飼った経験もある。

 金魚を発見したのは、午後9時30分ごろ。駅のトイレを利用しようとした際、個室から出てきた人が「金魚が捨ててある」とつぶやくのが聞こえた。

「最初は『え? 金魚が捨ててある?』と信じられませんでした。個室を確認すると、床に水の入った袋ごと金魚が置かれていました」

 まさか本当に金魚がいるとは思わず、目を疑った。「このまま誰にも気付かれずに放置されれば、命を落とすかもしれない」。そう考え、袋ごと持ち帰ることを決めたという。

 帰宅時の金魚は、酸欠状態だったとみられ、かなり弱っていた。本来は急激な水温変化を避けるため、袋の水と水槽の水の温度を合わせてから移すのが望ましいとされる。しかし、投稿者は一刻を争う状態だと判断し、できる限り袋の水と近い水温の水槽へ移した。

 さらに、人工海水の素を使って塩分濃度0.5%の塩水浴を実施。うろこがはがれた部分や傷もあったため、魚病薬の「エルバージュエース」を使った治療を始めた。

 近隣では当日、祭りが開かれていた。電車内でも金魚の入った袋を持つ人を何人も見かけたことから、投稿者は金魚すくいですくわれた個体ではないかと考えている。ただし、置き忘れや落とし物だった可能性も否定できないため、駅に連絡したが、現時点で持ち主からの申し出はないという。

一度は白点病に…治療を乗り越え元気に

 十分に酸素を供給すると、金魚は少しずつ元気を取り戻した。しかし、その後に体表へ白い点が現れる白点病を発症。投稿者は再び治療を施し、無事に回復させた。新しい水槽も購入し、現在は驚くほど元気に泳いでいる。

 金魚には「キョン」という名前が付けられた。品種について、投稿者はオランダシシガシラとみている。頭頂部だけが赤い「丹頂」と異なり、赤い部分が顔まで広がっているためだという。

 投稿者によると、金魚すくいの金魚は温度変化や追い回されること、過密な環境などによって大きな負担を受けている。金魚すくいの金魚を連れ帰った際の対応として、投稿者は0.5%程度の塩水を入れた不透明な容器にエアレーション(エアポンプを使って水中に空気を送り込む仕組み)を設置し、薄暗く静かな場所で1週間ほど休ませる方法を挙げる。

 回復までをつづった投稿は大きな反響を呼んだが、何げない日常の出来事として投稿したため、これほど注目されるとは予想していなかった。多くの温かな言葉が寄せられ、「とても励みになりました」と感謝を口にする。

 その上で、投稿者は「金魚すくいをするのであれば、最後まで責任を持って飼育できる環境を整えた上で連れ帰ってほしいです。飼育が難しいのであれば、無理に持ち帰らず、お店へ返すという選択肢もあります。命ある生き物なので、その場の楽しみだけで終わらせず、最後まで大切にしてほしいです」と、小さな命と向き合う責任について語った。

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