Sareeeと彩羽が超“クラッシュギャルズ”宣言 電撃一騎打ちの真相「私たちが女子プロレスですよって見せつけたかった」

昨年7月、Sareeeと彩羽匠(マーベラス)の“スパーク・ラッシュ”が長与千種&ライオネス飛鳥から正式に“クラッシュギャルズ”の魂を継承することを許されてから、早くも1年が経った。昨年まではシングルファイターの雰囲気がした両者だったが、今年はSareeeに触発されてか、彩羽の覚醒が随所に見られるように。今回はSareeeと彩羽を直撃。それぞれの思いを聞いた。

Sareee(右)と彩羽匠の“スパーク・ラッシュ”は現在、女子プロレス界の台風の目になっている
Sareee(右)と彩羽匠の“スパーク・ラッシュ”は現在、女子プロレス界の台風の目になっている

狙うはプロレス大賞のタッグ部門

 昨年7月、Sareeeと彩羽匠(マーベラス)の“スパーク・ラッシュ”が長与千種&ライオネス飛鳥から正式に“クラッシュギャルズ”の魂を継承することを許されてから、早くも1年が経った。昨年まではシングルファイターの雰囲気がした両者だったが、今年はSareeeに触発されてか、彩羽の覚醒が随所に見られるように。今回はSareeeと彩羽を直撃。それぞれの思いを聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

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「(Sareeeに)インスパイアされていますよ、しっかり」

 現在、Sareeeと“スパーク・ラッシュ”を組んでいる彩羽匠が昨今の覚醒の理由をそう語った。

 この発言を受けてSareeeは彩羽の覚醒を、「もう生き生きしていますよね、去年、“スパーク・ラッシュ”を結成して、それぞれIWGP王者とGHC王者としてシングルをメインでやってきたんですけど、ベルトを持ちながら、2人で出ていくことってそこまでなかったかなって感じだったんです。でも今年は、個人的には“スパーク・ラッシュ”にかけているので」と話す。

 しかも、Sareeeは「匠さんもそうだと思いますけど、プロレス大賞のタッグ部門を狙っていますし、どんどん2人で刺激的なことをやってビックリさせていきたいです」と目を輝かせた。

 興味深いのは、Sareeeの思いを耳にした彩羽が「タッグを組んで、今のプロレス界に刺激を与えていきたいと思っていたけど、Sareeeさんが言っている『今年は“スパーク・ラッシュ”にかけている』っていう言葉に、自分は最初悩んじゃって」と話していたこと。当然、真横にいたSareeeは「なんで?」という表情を見せる。

「自分は今までマーベラスの一員として後輩の成長を待ちすぎていた部分もあったので、Sareeeさんの話を聞くと、自分から動かないとダメだなと思って。去年は一歩引いて、下の成長を待っていたと思うんですけど、それ自体も全部やめて、かき乱すだけ掻き乱そうってマインドになりました」

 彩羽いわく、これまでは「自分のことは後回し」にしてきたという。

 実際、さらに彩羽は驚くような行動を見せる。先月21日、マーベラス福岡大会での試合中、Sareeeの首のダメージを危惧してタオルを投入すると、試合後に長与から公開叱責を受けた。その際、彩羽は「自分たちのやり方がある。黙っててください!」と初めて師匠に歯向かったのだ。彩羽の行動を「事実上の“決別”」と報じるメディアも現れた。

 これについて彩羽は「長与さんにあんなお客さんの前で楯突くことってなかった」と語ると、その理由を次のように述べた。

“スパーク・ラッシュ”は、8月9日にはEBARA WAVEアリーナ おおた(大田区総合体育館)でのマリーゴールドに参戦
“スパーク・ラッシュ”は、8月9日にはEBARA WAVEアリーナ おおた(大田区総合体育館)でのマリーゴールドに参戦

電撃一騎打ちは“賭け”だった

「あれは、それだけ自分に今、芯があるんだなって逆に思えたし。長与さんの言っていることは間違いでもない。今までは全部、長与さんの言っていることに『イエス』と言ってきましたし、真面目すぎた部分もあったと思うんですけど、やっと自分の考え、これを突き通したいんだっていう意志がちゃんとできたっていうのがあって。反抗でもありながら、自分の力で試したい。長与さんの力でとかそういうのとかはナシにして、自分の、自分たちの力で挑戦したいっていうのは明確に思えましたよね」

 一方、Sareeeは冷静にこう話した。

「去年、(“クラッシュギャルズ”を)継承していただいて(“クラッシュ”に対して)尊敬とかたくさんあります。もちろん、それは忘れてないですけど、尊敬の気持ちだけじゃあ超えられないって。継承するって相当の覚悟が必要だと思うので、それに私たちもやっと気付かされて、今スタートしたって感じなんです」

 ちなみに彩羽といえば、これまで女子プロレスに関わる誰もが「いい選手だよね」と口を揃えて評価していた選手。ただし、そこで終わってしまっていた印象があった。実際、1年ほど前には“ミスター女子プロレス”神取忍からも「うまいんだけど、なぜか評価が上がらない」と指摘を受けつつ、「きっかけがあれば、もっと上に行ける。期待を込めて」と言われていたが、結果的に「いい選手」の先は、2026年になってから具体的に表面化した。

 彩羽は語る。

「そういう部分を引き出してくれたのがSareeeさんで。自分以外のことを考えることはたくさんあったんですよ。下の子のこととか。でも、自分のことを考えていなかった。目標だったりとかも、優先順位が違った。自分が動くことで、こう周りが変わってくるんだって気づけたことがわかったんです」

 実は先日、“女子プロレス界の重鎮”ジャガー横田のデビュー50周年記念大会(7月24日、後楽園ホール)が開催された。この大会では、Sareeeの相手だった優華(アイスリボン)が怪我で欠場したため、Sareeeの相手が宙に空いたしまった。が、ここでSareeeは彩羽との一騎打ちを電撃で実現させることを思いつく。もちろん事前に告知されていない会場中はSareeeの相手が彩羽と分かった瞬間に仰天し、騒然とした。これに関してSareeeは、「ここは“賭け”でしたよね」と語ると、その思いを以下のように話した。

「“スパーク・ラッシュ”の覚悟。ここは二人で見せつけようっていう。いろんな世代のお客さんだったり、OGの人たちがいるなかで、“私たちが女子プロレスですよ”っていうのを、二人で“スパーク”として見せつけたかった。(彩羽がリング上での)対角に立ったら立ったで、誰よりも負けたくない相手だから。誰よりも燃えるし」

 しかもSareeeとしては、今回の彩羽戦の本当の相手は、「対お客さんとか、対クラッシュギャルズとか…」と話し、これまでの一騎打ちとはまた違った感覚でいたことを打ち明ける。当然、彩羽も似たような認識を持っていた。

「試合に行くまでの気持ちが全然違いました。このカードが決まって、どっちもリスクを背負うじゃないですか。どっちかが負けて、どっちかが勝つ。ホントになんか、リラックスした気持ちじゃなくて、ホントにもう何かに突っ込むような気持ちで。戦車。戦車に乗ってた!(なぜか嬉しそうに)そういう気持ち。“闘い”に(向かう感覚)」

 彩羽の言葉を受けてSareeeは「こんな緊張感はなかなかない。普通にやっていたら経験できないような気持ちになったというか」と話すと、「これからもどんどんプロレス界に刺激を投げ込んでいきたい」と本音を明かした。

 すると、今度は彩羽が「たぶんこれ(SareeeVS彩羽戦は)自分たち以外はあんまりよく思わないカードなんですよね」と口にした。一体それはどういうことなのか。

本日、8月8日にはマーベラス後楽園ホール大会でSareeeはメインで桃野美桜を迎え撃つ
本日、8月8日にはマーベラス後楽園ホール大会でSareeeはメインで桃野美桜を迎え撃つ

これからもプロレス界に刺激を投げ込む

「なぜならばこの対戦ってもっと大きいところで、もっとプレミアム感を持って行われるのが、もちろんその意見が当たり前なんですよ。でも、それ以上に自分たちは絶対に価値を落とさないし、でも驚かせたいっていうのが強くて、あのシングルマッチが組めましたよね。ホントなら絶対にないカードだったかもしれないけど、それさえも力に変えて」

 事実、電撃一騎打ちを実現させたSareeeと彩羽の行動は、とくに彩羽の所属するマーベラスの後輩たちの感情を昂(たかぶ)らせた。先にも書いたジャガー興行では、最前列で“クラッシュギャルズ”の二人に挟まれながら、客席からSareeeと彩羽の一騎打ちを観戦した、マーベラスの新人・暁千華が、試合後にSareeeと彩羽にケンカを売って行った。結局、8月8日には後楽園ホールで、彩羽VS暁が実現し、Sareeeはメインで桃野美桜戦が行われることになった。

 この流れについてSareeeは「私たちがああいう風に(電撃で一騎打ちを)闘ったから、暁千華も歯向かって宣戦布告してきた。ああいうのもウチらが動くことによって、今度、8・8で桃野とシングル(対決)がありますけど、そういうのが刺激になってみんながメラメラ燃えてきているのかなって感覚はあるので」と語ると、彩羽も「きっと食らいついてこなかったら、こっちは勝手に上がっていくのでっていう気持ち。もうそっちに振り切ってますね」と呼応した。

 Sareeeが世界最大のプロレス団体WWE(NXT)との契約を終え、日本での凱旋試合を行ったのが2023年3月。あれから3年半、「闘いがない」「裏投げ問題」「本物論争」「ブーイング現象」……と、これまでさまざまな問題提起をプロレス界に巻き起こしてきたが、今度は彩羽という強力なパートナーを巻き込みながら、さらなる令和女子プロレス界の改革に着手している。もちろん、今後もその勢いを加速させていくことは間違いがない。

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