【RIZIN】“華不足”のバンタム級に「しょぼすぎ。やる気あんのか」 太田忍が苦言…王者サバテロにも言及「弱点ある」

RIZINバンタム級で米国人王者が存在感を増している。ダニー・サバテロ(33)は、昨年大みそかに前王者・井上直樹に勝利し、ベルトを獲得。今年4月には初防衛に成功した。絶対王政を築きつつある王者は何者なのか。昨年5月に東京ドームで対戦した、リオ五輪レスリング銀メダリストの太田忍(32=THE BLACKBELT JAPAN)が実像を語った。

サバテロ戦を振り返った太田忍【写真:ENCOUNT編集部】
サバテロ戦を振り返った太田忍【写真:ENCOUNT編集部】

試合映像を分析「開始5秒で全員にタックル」

 RIZINバンタム級で米国人王者が存在感を増している。ダニー・サバテロ(33)は、昨年大みそかに前王者・井上直樹に勝利し、ベルトを獲得。今年4月には初防衛に成功した。絶対王政を築きつつある王者は何者なのか。昨年5月に東京ドームで対戦した、リオ五輪レスリング銀メダリストの太田忍(32=THE BLACKBELT JAPAN)が実像を語った。(取材・文=浜村祐仁)

 福岡のアリーナが静まり返った。今年4月に行われたサバテロの初防衛戦。5分3R、挑戦者の後藤丈治をケージ際で封じ込めた。試合後に、榊原信行CEOが「ただ勝つだけなら他の団体いけよ」と苦言を呈するほど、徹底的に戦術を遂行した完封劇だった。

 サバテロのMMA戦績は18勝4敗。UFCへの登竜門とされるTitan FCでベルトを獲得し、Bellatorでも暫定王座戦まで進出するなど、世界でも実績を積み上げてきた。

 バックボーンのカレッジレスリングでは高校時代に出身地のイリノイ州の選手権で2度優勝。ペンシルバニア州の名門・パデュー大学時代には、全米大学(NCAA)選手権にも3度出場した。

 初来日は、BellatorとRIZINが共同開催した「超RIZIN.2」。Bellatorパートでマゴメド・マゴメドフ(ダゲスタン共和国)と対戦したが敗戦。その後、2025年にRIZINと契約し、初戦で対峙したのが太田だった。

 太田は過去のサバテロの試合映像を分析し、序盤の展開を予想していたと明かす。

「(サバテロは)全員にタックル入るんですよ。しかも開始5、6秒で。だから僕に対しても当然そうだろうと思っていた」

 しかし、試合は予想外の展開となった。開始直後からスタンドで打ち合い、1R30秒には右ストレートを被弾。太田は思わずぐらついた。

「打撃の距離じゃなくて、組みの距離を設定してしまった。距離設定をミスして、向こうがドンって一発きてそれで効いちゃったんすよ。もう力も入んないし、ふわふわの状態で終わってしまった」

 2R以降も、サバテロは長いリーチを生かした打撃で主導権を握った。コーナー際に追い込み、ハイキックを浴びせる場面も。3Rには太田がテイクダウンを奪ったものの、身体をひねられて頭部をマットに打ちつけ、最後はパウンドの連打でレフェリーストップとなった。

「2ラウンドの後半ぐらいまで記憶がなかった。やっと戻ってきた3Rもひねられて、頭打っちゃって。デコピンでも効くぐらい効かされてたから、伸びちゃったって感じなんすよね」

 レスリングエリート同士の一戦だったが、サバテロはあえて打撃戦に持ち込み、自分の流れに引き込んだ。太田は、攻略のポイントは組みの展開にあったと分析する。

「組みに関しては向こうが嫌がっていたのが分かった。打撃で『こいつと打ち合ったら怖いな』とか、『ちょっと不利だから組みやんなきゃな』って思わせれば。そこに引き入れたかったですよね」

 米国のメガジム・ATTに所属し、相手に合わせて戦略を変える格闘IQの高さもサバテロの長所の一つ。一方で弱点も見えてきたという。

「やっぱ打撃じゃないですか。決め(絶対的な部分)が無いというのは弱点だと思う。僕の場合はレスリングでは勝てる。だから組んだ時にスクランブルでどれだけ上回って決めきれるか。そこが鍵だとは思う」

サバテロへのリベンジを誓った【写真:徳原隆元】
サバテロへのリベンジを誓った【写真:徳原隆元】

バンタム級ファイターに提言「僕しかいないですよ」

“The Italian Gangster”の異名を持ち、試合前にFワードを連発するトラッシュトークを吐くのも恒例だ。太田も試合前に挑発を受けたが、意外にも好印象だったという。

「いいと思いますよ。リモートであんな盛り上げる選手いないからね。(試合後に)ちょっと喋ったんですけど、『お前のことリスペクトしてる』って言ってくれましたし、試合になったら別ですけど、俺も彼の事リスペクトしてるんで」

 試合で魅せるアスリート系のファイターが上位戦線に揃うバンタム級。しかし、太田は興行としての危機感も口にした。

「しょぼすぎ。やる気あんのかっていう。盛り上げないと団体も認知度が上がらない。朝倉未来選手とか平本蓮選手とかね、ズバズバ言う選手がいるからフェザー級って盛り上がってるわけで。サバテロみたいな選手は絶対必要。日本人でもサバテロとバチバチやり合えるような選手がいないと」

 さらに自身がその先頭に立つ覚悟も語った。

「(盛り上げれるのは)僕しかいないですよ本当に。うちの親父の言葉借りるわけじゃないけど、でかいこと言っても有言実行したら、ビッグマウスじゃないから。ビッグマウスにしなければいいだけっすよ」

 7月開催の「RIZIN LANDMARK 15 in HIROSHIMA」で太田はキルギスの強豪・イリスベク・ティレノフと対戦する。サバテロへのリベンジロードを歩み始めた男は、まず広島の地で第一関門突破を目指す。

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