「人生折り返し」の43歳 2児の母・真木よう子、“リアルな自分”を発信するワケ「育児や家事は大変だけど」

俳優の真木よう子が、今月10日にテレビ東京系で放送されるドラマ24『ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-』(金曜深夜0時12分)の第2話「いじめっ娘」で主演を務める。トップホラー作家・伊藤潤二氏の傑作から厳選した作品を、オムニバス形式で描く実写連続ドラマをどのように演じたのか。(取材・文=小田智史)

インタビューに応じた真木よう子【写真:増田美咲】
インタビューに応じた真木よう子【写真:増田美咲】

伊藤潤二氏の「いじめっ娘」で主人公を熱演「もう女ジョーカーみたいな感じ」

 俳優の真木よう子が、今月10日にテレビ東京系で放送されるドラマ24『ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-』(金曜深夜0時12分)の第2話「いじめっ娘」で主演を務める。トップホラー作家・伊藤潤二氏の傑作から厳選した作品を、オムニバス形式で描く実写連続ドラマをどのように演じたのか。(取材・文=小田智史)

 真木が出演する「いじめっ娘」(収録巻:伊藤潤二傑作集5 脱走兵のいる家)で演じるのは、穏やかな日常を送る主人公の女性・栗子。結婚5年目、平穏な生活を送る栗子の前に、かつて自分が子ども時代にいじめていた少年・直哉が現れる。この再会をきっかけに、栗子の中に眠っていたかつての記憶と歪んだ加虐心が蘇り、やがて大人になった2人の関係は、常識を脱したものへと変貌していく。

 伊藤氏の作品は、美しくもグロテスクな独特の世界観で、国内外から多くのファンに愛されている。真木は「グロテスクなものは苦手なんですけど」と前置きしつつ、ホラー自体に抵抗はなく、「普通にお化けとか、“ヒトコワ”系のものはわりと好きで見たりします」と話す。

 2児の母として子育てをしながら原作を読む中で、自身の出演するストーリーだけ“異質さ”を感じ、オファーを引き受けたという。

「他の作品も少し読ませていただいたところ、骨が出ていたりするシーンがあって、最初は『マジか』と(苦笑)。でも、私の回だけ異質というか、こんな面白い終わり方をするんだと思って、43歳の真木よう子が画面に出る時を想像した瞬間に1人で大爆笑してしまいました(笑)。少し質の違うホラーをお届けしたいという気持ちになって、面白そうだから是非やらせてくださいと快諾しました。『ツインテールはマストでやらせてほしい』と言いましたね」

 栗子を演じるにあたっては、これまでの役作りとはアプローチが異なったと明かす。「これは絶対に(現実の自分と)つなげてはいけない話なんです」。敢えて、役に“寄り添わず”、切り分けて考えた理由はある。

「普段の作品への挑み方とは違って、役を理解することよりも、この作品を面白く提供する方向に力を入れました。作品を見ていただければ分かりますが、自分の子どもにあんなことを絶対にしてはいけないんですから。だから、役に共感できるかとか一切考えず、完全に切り離して考えていました。髪型もメイクも原作に近い状態。本当にもう“女ジョーカー”みたいな感じです(笑)。デジタルタトゥーもどんと来いです。全然大丈夫です、面白いから。あの43歳の真木よう子を夜中に画面で見てしまったら、質の違う恐怖を味わうかもしれません(笑)。でも、そうなったら私としては成功という感覚です」

キャリアを重ね、「役者はすごくいいもの」としみじみ語る【写真:増田美咲】
キャリアを重ね、「役者はすごくいいもの」としみじみ語る【写真:増田美咲】

40代だからこそできる役にも意欲

 2025年12月に第2子となる次女を出産した真木。インスタグラムでは「個人的高齢ママあるある」と題した育児動画を投稿するなど、“リアルな自分”を発信し続けている。

「育児や家事は大変ですけど、わりと考える時間はあります。もう43(歳)にもなって、人生も折り返しぐらい。自分がどういう存在でいたいか考えた時に、『取り繕わない』、『うそはつかない』『いろんなことにあらがわない』ことが正直楽なんです(笑)。何かを隠してしまったり作ってしまったりすると、それを守ることにまた体力を使うし、精神力も使う。それは面倒くさいなという、ただただそれだけです(笑)」

 2001年のデビューから25年が経過。「役者はすごくいいものだなと思います」としみじみ語る。

「アイドルさんとか他のお仕事だと歳を重ねたら云々と言われてしまうかもしれませんけど、役者はやっぱり年齢が強さになってきます。40(歳)になったからこそできる役とか、歳を重ねたからこそ出る説得力がついてきて、より深みのある、奥行きのある役ができるようになるんです。これからそういった役をたくさんいただけるように、頑張っていきたいです」

 今後挑戦してみたい役を尋ねると、「警察、先生……、正義っぽい役はたくさんやってきたので、今度はそちらに“お世話になる側”をやってみたいです(笑)。ぶっ飛んだお仕事もやらせてほしいかな」と少女のようないたずらな笑顔を浮かべた。

「今はただ、本当に何も期待せず見守っていてほしいです。そしていつか、『好きだな』と少し思ってもらえたら、それが一番幸せなことだと思っています」

 決して飾ることなく、真木は自分なりの俳優人生を突き進み続ける。

□真木よう子(まき・ようこ)1982年10月15日、千葉県出身。2001年に映画『DRUG』でデビューすると、06年に『ベロニカは死ぬことにした』で映画初主演。同年『ゆれる』の演技で山路ふみ子映画賞新人女優賞を受賞。第37回日本アカデミー賞では「さよなら渓谷」で最優秀主演女優賞、『そして父になる』で最優秀助演女優賞をダブル受賞。昨年12月に第2子を出産し、2児の母として育児にも奮闘する。身長160センチ。

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