アニソン界の若手実力派・Junnaが再デビュー宣言「新たな姿を」 15歳での『マクロスΔ』抜擢から10年
アニソン界の若手実力派アーティスト・Junnaが24日、再デビュー後第1弾となるEP『ハローグッバイ』をリリースした。2016年に、テレビアニメ『マクロスΔ』戦術音楽ユニット・ワルキューレのエースヴォーカリストとして15歳の若さで歌手デビューを果たすと、一躍次世代を担うシンガーとしての注目を浴びた。17年には、ソロデビュー。圧倒的な歌唱力と10代とは思えぬボーカルテクニックで『Here』や『コノユビトマレ』などのヒットを連発。今年4月に再デビューを宣言した。ENCOUNTではインタビューを通じて、25歳になった彼女の軌跡をたどった。

再デビュー後第1弾EP『ハローグッバイ』をリリース
アニソン界の若手実力派アーティスト・Junnaが24日、再デビュー後第1弾となるEP『ハローグッバイ』をリリースした。2016年に、テレビアニメ『マクロスΔ』戦術音楽ユニット・ワルキューレのエースヴォーカリストとして15歳の若さで歌手デビューを果たすと、一躍次世代を担うシンガーとしての注目を浴びた。17年には、ソロデビュー。圧倒的な歌唱力と10代とは思えぬボーカルテクニックで『Here』や『コノユビトマレ』などのヒットを連発。今年4月に再デビューを宣言した。ENCOUNTではインタビューを通じて、25歳になった彼女の軌跡をたどった。(取材・文=福嶋剛)
Junnaは2000年に愛知県で生まれ、ごく普通の家庭に育った。
「小学生の頃は活発な子で、休日に家族で出かけるカラオケが何よりの楽しみでした。いきものがかりさんが大好きで、いつも楽しそうに歌う私を見て、10歳の時に母が音楽スクールに通わせてくれました。全てはそこから始まりました」
名古屋の音楽スクールに通い、メキメキと頭角を現していった。
「名古屋のショッピングモールなど、いろんな場所で歌いました。初めて人前で歌った時は足がガクガク震えましたが、すごく気持ちよかったです。『もっともっと歌いたい』と思い、たくさんのオーディションを受けました」
Junnaの最大の魅力である歌唱力とボーカルテクニックは、このスクール時代に磨かれたものだった。
「これまでの25年間で、一番歌を練習した時期が間違いなくこの頃でした。レッスンが終わると、母と録画した映像を見ながら反省会をしました。いきものがかりさん、Superflyさん、Official髭男dismさん、ONE OK ROCKさんなど、男女問わず大好きな曲をたくさん歌って、いろんな歌唱方法を勉強させていただきました。そのおかげで低い音から高い音まで声が出るようになり、練習は大変だったけど毎日が楽しかったです」
そして14歳の時、思わぬチャンスが巡ってくる。
「オーディションを100本くらい受けて全て落ちていたのですが、諦めずに応募し続けました。すると、受けたオーディションのスタッフさんが『マクロスΔのオーディションを受けてみませんか』と誘ってくださったんです。当時アニメはほとんど見ていなかったので、『とんでもない作品に受かっちゃった』とドキドキしました」
アニソン歌手なら誰もが憧れるマクロスシリーズ。『マクロスΔ』の劇中音楽ユニット「ワルキューレ」の美雲・ギンヌメールとして、エースボーカルへの大抜てきだった。
「初めてのレコーディングは『いけないボーダーライン』という曲でした。メンバー5人のトップバッターで歌入れをしたのですが、キャラクターを完璧に理解できていなくて『どうしよう?』と戸惑っていたら、ディレクターさんが『余計なことを考えずに、ありのままのあなたで歌ってください』と言ってくださり、落ち着いて歌えました。その後、ヒロインの鈴木みのりちゃんとラゾーナ川崎でお披露目会を行ったのですが、何千人というお客さんが集まっていて、『すごいところに来てしまった』と驚きました。今振り返っても、本当に奇跡のような出会いです」
そして満を持して16歳の時に、JUNNAとしてメジャーデビューを果たした。
「ソロデビューはすごくうれしかった半面、『ワルキューレの美雲から抜け出せるのかな』というプレッシャーもありました。最初のミニアルバム『Vai! Ya! Vai!』は、私の好きなロック要素と美雲の要素をうまく融合させた作品で、その後にリリースした1stシングル『Here』(テレビアニメ『魔法使いの嫁』OP)で多くの方に私を知っていただけました。翌年リリースした1stフルアルバム『17才が美しいなんて、誰が言った。』からはライブのレパートリーも増え、シンガーとしてすごく充実した日々を過ごせていたと思います」
そんな多忙な音楽活動の傍ら、学業も一切手を抜かず難関校に合格。大学生として勉学にも励んでいた。
「ずっと行きたい大学があったので、自分の幅を広げたいと思って受験しました。実際に英語や心理学を学んだことでコミュニケーションの取り方も変わりましたし、音楽活動とは関係のない世界で友達を作ったり、社会とつながって何かを学んだりすることが新鮮で楽しかったです」
公私ともに順調なステップアップを重ねていった。しかし、パンデミックによりあらゆる活動が制限されてしまう。
「20歳のタイミングで3年ぶりのフルアルバム『20×20』を出すことが決まり、『今まで以上にアーティストとしての自分自身にフォーカスした作品を作りたい』と気合いが入っていました。ところが、その直前にコロナ禍になり、ライブは中止、大学の授業もリモートに切り替わって、この先が不安で仕方がありませんでした。でも悲観的になるより、『今しかできないことをやろう』と切り替えて曲を作りました。まさに『いま』という曲なのですが、あの頃、自分の存在や生きる意味を考えているうちに、『やっぱり私は歌いたいんだ』と改めて気付かされました」
コロナ禍で不自由な学生生活を送ったが、それを経験したからこそ得られたものも大きいと語る。
「大学に行って社会とつながったことで、音楽のことだけでなく『自分は何者なのか』を考えるようになりました。周りの友達が就職活動を始めた時、『歌以外何もできなくて大丈夫なのだろうか』と焦りもしました。その時に抱いた思いが、今回の『再デビュー』につながっています」

自分の弱さ、寛容さ、柔らかさといった部分も名前で表現したい
これまで所属していたレーベルを卒業し、次のステップに向けた準備期間を経て、今年4月に活動を再開した。だが、なぜ「再始動」ではなく「再デビュー」という言葉にこだわったのだろうか。
「『今までの曲は歌いません』という意味ではないので、普通に『再始動』や『心機一転』でもよかったのかもしれません。でも私の中では、大学卒業と同時に『これまでの敷かれたレールの上を走る自分』を終え、これからは社会人として『自分で線路を敷きながら走っていく』くらいの気持ちでやっていきたかったんです。その決意表明として『再デビュー』という言葉を選びました」
6月24日にリリースした4曲入りEP『ハローグッバイ』は、そんなJunnaの言葉通り、これまで以上に表現者としての新たな挑戦がその歌声にも表れている。
「『ハローグッバイ』の前に配信リリースした『GUM』(テレビ朝日系ドラマ『余命3ヶ月のサレ夫』主題歌)が起点になりました。今までは、さまざまなテクニックを駆使して、どちらかと言えば癖の強い歌い方をすることが自分らしさだと思っていたんです。でも今回は、あえて癖のない真っすぐな歌い方に挑戦しました。録り終えて、自然体で歌った自分の声を聴いた時、すごく新鮮に感じました。今回はまさに、そうした引き算の表現で曲の世界観を描きました」
歌詞は作家とヒアリングを重ねながら、自らの思いを言葉に落とし込んでいった。
「今は、特に言葉や表現が難しい時代だなと感じます。今までの楽曲も丁寧に歌詞の意味や言葉を大切にしてきましたけど、もっと言葉を選んで伝えていかないと、誤解されたりネガティブに受け取られたりしてしまうと感じることが多くなりました。SNSも同じです。その半面、決して優等生にならなくても、『ネガティブな性格も私自身だ』と肯定できる自分でいいと思えるようにもなりました。3曲目に収録した『喝采』は、まさにそんな心境を歌っています。4曲目の『ランデブー』は、ライブで盛り上がれる曲を作りました。聴いてもらうだけで、どんな風に楽しめるかが直感的に伝わると思います」
今後目指したいアーティスト像について聞くと、「Junna」という新たなアーティスト表記に答えが込められていた。
「これまで使っていた大文字のJUNNAは、強さに満ちたイメージでした。それは当時の私に必要だったものですし、たくさんの方に支えられ、守られながらここまでやってこられました。その大きな象徴の一つがワルキューレの美雲です。一生マクロスに感謝しながらソロアーティストとして前進したいですし、同時に、もっと今の等身大の自分を愛してあげたい。そう考えた時、これまでのJUNNAに隠れていた自分の弱さ、寛容さ、柔らかさといった部分も名前で表現したいと思い、小文字を交えたJunnaに変えました」
新作EPを引っ提げて、7月からは全国ツアー『Junna Rock You Tour 2026 ~ハローグッバイ~』を開催する。
「再デビュー後初の全国ツアーですし、今年はマクロスΔが10周年を迎える大切な節目でもあります。ワルキューレからのファンの方も、ソロになってからのファンの方も、全員が心から楽しめるライブにしたいです。そしてみなさんに、新たなJunnaの姿をしっかりとお見せしたいと思います」
□Junna(ジュンナ)2000年11月2日、愛知県出身。テレビアニメ『マクロスΔ』の劇中で歌唱する戦術音楽ユニット・ワルキューレのエースヴォーカリスト、美雲・ギンヌメールの歌唱を担当し注目を集める。17年6月にソロデビュー。『Here』(『魔法使いの嫁』OP)、『コノユビトマレ』(『賭ケグルイ××』OP)など数々のアニメ作品の主題歌を担当し、アジア・北米・南米・中東での海外イベントにも精力的に出演。26年4月、ソニー・ミュージックレーベルズへの移籍とともにソロアーティスト名義をJunnaに変更。テレビ朝日系ドラマ『余命3ヶ月のサレ夫』の主題歌『GUM』をデジタルリリースし再デビュー。
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