宮迫博之リングアナデビューの“真相” 「RIZIN」と「互いにとってウィンウィン」の今後は…

格闘技プロモーション「RIZIN」の大会「RIZIN.22」が9日、横浜・ぴあアリーナMMで開催された。新型コロナウイルス禍もあって、ほぼ半年ぶりとなった大会。2daysの初日は、思った以上に厳しい客入りだった。主役は選手でも観客でもなく、まだまだコロナとも言える状況。主催者・榊原信行CEOの言葉を通して、未来のRIZINのあり方を探った。

「RIZIN」の運営について語る榊原信行CEO【写真:ENCOUNT編集部】
「RIZIN」の運営について語る榊原信行CEO【写真:ENCOUNT編集部】

「RIZIN.22」は“思った以上に厳しい客入り” 未来のあり方とは

 格闘技プロモーション「RIZIN」の大会「RIZIN.22」が9日、横浜・ぴあアリーナMMで開催された。新型コロナウイルス禍もあって、ほぼ半年ぶりとなった大会。2daysの初日は、思った以上に厳しい客入りだった。主役は選手でも観客でもなく、まだまだコロナとも言える状況。主催者・榊原信行CEOの言葉を通して、未来のRIZINのあり方を探った。

「当初、僕らが思っていたのは、2日間ソールドアウトすると。それも早いタイミングでそうなるだろうと信じていました」

 9日、横浜に新設されたばかりのぴあアリーナMMでの「RIZIN.22」の終了後、榊原CEOが総評で発した言葉の一部である。

「RIZINを応援してくれているハードコアなファンは、このチャレンジを絶賛してくれたし、クラウドファンディングも8千人近い人に応援していただいて、7千万円近い金額が集まりました。これには感謝しています。でも、通常のカジュアルファンというか、ライトユーザーは必要以上にコロナを恐れる。外出を控える。これは自主的にそうなっていますね」

 そう話した榊原CEO。それでも、半年ぶりに満を持して開催するRIZINである。会場では厳重なコロナ対策を実施した。まず、全選手へのPCR検査(結果は全員が陰性)をはじめ、関係者や取材陣、観客を含めた来場者全員に事前の登録を義務付けた。その際、名前や連絡先はもちろん、どの席で観戦したのかを提出してもらうことで、もし観戦後に「陽性」が出た場合の情報に役立てるようにした。

 さらに来場者には入口で全員の体温を測り、37.5度以上であれば入場を断るようにしたほか、席種別に入退場時間をずらすなど、幾重にも徹底した対策を施したのである。

 だが、それだけ入念な準備をしていることが、かえって来場することのハードルを上げる結果につながったのか。この日の観客数は2805人(主催者発表)。自治体と国が決めたガイドラインによれば、最大5千人か、会場に動員できるキャパシティーの半分で、数の少ないほうが対象となることから、今回は最高で5千人までは動員することができたのだが、結果としてはその数字を大きく下回った。

 榊原CEOは「前編後編の2日間、トータルでどういう評価をいただけるか。きょうの選手たちの試合は非常に熱のある思いのこもった試合を全選手が届けてくれたことに感謝したい。これだけの熱がつくれたのはやってよかったな。充実感はあります」と口にしたあと、「(観客の数が)物足りないですけどね」と続けた。

 実際、9日の全9試合中、判定まで至った試合は1試合のみ。それだけ実力差のあるマッチメークも中にはあったが、それでもコロナ禍であることを考えれば、開催できたことで合格点を取れたと思わなければいけない面は否定ができない。

 榊原CEOは、第5試合終了後にリング上に登場した皇治が、解説席にいた那須川天心を呼び出し、直接リング上で対戦を表明したことについて記者から質問が飛ぶと、「これからの調整になる」としながら、「年内に最低2回は大会をやりたいと思っているので、そこで実現させていけるように」との見解を示した。

 だが、その際に皇治がメディアを使って主催者の思惑と違う持論を展開していく手法を「プロレスじゃないので」と言ってしまうのは非常に残念に思えた。

 というのは、プロレスもRIZINも興行であることに変わりはない。また、「プロレス」という言葉にはさまざまな解釈が成り立つだけに、使い方を間違えると単なる誤解しか生まない論争に巻き込まれる。いま現在、クラウドファンディングまで実施して幅広い層に資金援助を呼びかけているのであれば、なおさら、いらぬ敵を増やす方法を取るのは得策ではないと思うがいかがだろうか?

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