BTS・JINが入隊 現地記者に聞く兵役生活のリアルと除隊後「人格も成熟、音楽の幅も広がる」

世界的人気を誇る韓国のボーイズグループ・BTSの最年長メンバー・JIN(ジン、本名キム・ソクジン)が13日、陸軍に入隊した。現地メディアによると、京畿(キョンギ)道漣川(ヨンチョン)郡の第5師団新兵教育大隊前には国内外のメディアが多数集結。JINらが乗った車両計6台はこの日午後1時40分頃に同所のゲートを静かに通過した。JINが車の窓を開いて顔を出すことはなかった。所属事務所は「現場訪問を控えてほしい」と呼びかけていたが、数十人のファンが国内や香港などから訪れJINの安全と健康を祈った。入隊現場ではBTSのメンバー全員がJINを見送った。

陸軍第5師団のゲートを通過するBTS・JINらを乗せた車両【写真:Getty Images】
陸軍第5師団のゲートを通過するBTS・JINらを乗せた車両【写真:Getty Images】

完全武装で100キロ行軍訓練 今は携帯で通話OK

 世界的人気を誇る韓国のボーイズグループ・BTSの最年長メンバー・JIN(ジン、本名キム・ソクジン)が13日、陸軍に入隊した。現地メディアによると、京畿(キョンギ)道漣川(ヨンチョン)郡の第5師団新兵教育大隊前には国内外のメディアが多数集結。JINらが乗った車両計6台はこの日午後1時40分頃に同所のゲートを静かに通過した。JINが車の窓を開いて顔を出すことはなかった。所属事務所は「現場訪問を控えてほしい」と呼びかけていたが、数十人のファンが国内や香港などから訪れJINの安全と健康を祈った。入隊現場ではBTSのメンバー全員がJINを見送った。

 JINの入隊について東京特派員の経験がある韓国・京郷新聞全国社会部の尹熙一(ユン・ヒイル)記者に改めて聞いた。

――配属についてJINの希望は通りますか。ドラマ「愛の不時着」に主演した俳優ヒョンビンは歴代最高齢となる満28歳で志望した海兵隊に入隊しました。

「海兵隊は入隊手続きがまったく違います。海兵隊への入隊を希望する場合、別途の申請をして対象者に選定されなければならないため、JINの場合は海兵隊に行くことができません。ヒョンビンの場合、本人が海兵隊入隊を志願して行ったのです。海兵隊は一般兵士に比べて訓練強度と勤務強度が高いため、強い体力と精神力が必要です。そのため希望する人が限られています。JINは一般兵士として入隊しますので、歩兵第5師団内で勤務地や業務などが決まる可能性が高いです」

――自身の兵役生活を教えてください。

「私は35年以上前に師団の下にある連隊の人事課で行政兵として勤めていたので、一般兵士とはかなり違う生活をしていました。ただ、行政兵として勤務する時も周期的に訓練と行軍をしながら戦闘力を育てました。 完全武装して100キロ行軍をしたこともあります。当時は規律がとても厳しく、いつも緊張した生活をしていましたが、現在はかなり余裕があると聞いています。 例えば、今は外にいる親や友達とよく電話(携帯電話)をするなど連絡が取れると聞きました。軍服務で良かったことは、軍を通じて社会のシステムを間接的に体験できたことと忍耐力と協同心を育てることができたことです。軍服務を終えると“私ではなく他人”、または“皆”を考えるようになります」

――JINが兵役を終えた後、どのように人間性、音楽性などが変化していると思いますか。

「韓国で生まれた男性は軍服務以後にとても変わります。まず、情緒的に安定を取り戻すようになり、責任感も高まります。そういう面でJINを含むBTSのメンバーが軍隊を除隊したら、人格や人間性の面でより成熟していくと思います。音楽においてもより円熟の境地になるのではないかと考えています。除隊後のBTSがどう活動するかについてはよく分かりませんが、音楽の幅もより広がるのではないかと思います。これまでは韓国と海外の若者層を狙った音楽が主流だったとすれば、除隊後はより幅広い人々が共感する音楽をもって世の中に出てくるのではないかと予測します」

――もしJIN本人に話しかけるとしたら何と言いますか。

「これまで世界的なミュージシャンとして活動したことはすべて忘れ、国防の義務を果たさなければならない国民の1人として忠実に過ごしてほしい。そうすれば、JINはさらに一段階跳躍でき、より高いレベルのミュージシャンになれるでしょう。一般人の同僚と多くの話を交わしながら、スターではなく普通の人の気持ちをより多く理解する機会を作ってほしい、という話をしたいと思います」

 JINは24年6月に除隊する予定。BTSの他のメンバーも今後、順次入隊する。BTSは25年頃にグループとしての活動再開を目指している。

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