【ズバリ!近況】「まちぶせ」石川ひとみが明かす当時の心境「私のことみたい、と思って歌っていました」
♪好きだったのよあなた……のサビが懐かしい1981年のヒット曲「まちぶせ」。「好き」という気持ちをストレートに伝えられない女子の心情がよく描かれ、今も「そらで歌える!」という人は少なくないのではないか。歌っていた石川ひとみさん(61)はクリクリとした大きな目と笑顔がかわいらしく多くのファンを魅了したが、87年にB型肝炎を発症し入院・療養した。ヒットから40年。石川さんは今、どうしているのか。東京・港区のレコード会社で石川さんに聞いた。

積極的な歌手活動を再開している
♪好きだったのよあなた……のサビが懐かしい1981年のヒット曲「まちぶせ」。「好き」という気持ちをストレートに伝えられない女子の心情がよく描かれ、今も「そらで歌える!」という人は少なくないのではないか。歌っていた石川ひとみさん(61)はクリクリとした大きな目と笑顔がかわいらしく多くのファンを魅了したが、87年にB型肝炎を発症し入院・療養した。ヒットから40年。石川さんは今、どうしているのか。東京・港区のレコード会社で石川さんに聞いた。(取材・構成=中野裕子)
3年前にデビュー40周年を迎え、記念でオリジナルアルバム(「わたしの毎日」)をリリースしました。その4年前から3、4か月に1度、ライブをしてきました。新型コロナウイルスの影響でお客さまを入れたライブはできなくなりましたが、代わりにこの4月、羽田の「TIAT SKY HALL」で配信ライブに初挑戦し、先月はそのDVDをリリースしました。新しい歌はもちろんのこと、私が10代、20代に歌っていた歌も歌っています。私のために作っていただいた歌たちなので、ライブを重ねるにつれ1曲1曲を大事に歌っていきたい、という熱い思いがどんどん強くなってきましたね。
かつての自分の歌を、もう1度みなさんに聴いてもらおうと思ったきっかけは、04年からCDリリースしたアルバム「みんなの一五一会」シリーズを歌わせていただいたことかもしれません。“一五一会”というのはBEGINさんが考案した4弦楽器で、それを弾きながら童謡やフォークソングを歌ったのですが、歌ううち「あら、またしっかり歌っていけるかも」という希望が生まれました。なぜならデビュー10年目の27歳で体調を崩し、病気とともに生きていかなければならなくなり、それまで思うようにライブ活動などの歌手活動がうまくできなかったので。
コロナでB型肝炎発症時に受けた誤解や偏見を思い出した
といっても、何も活動していなかったわけではなく、子ども向け番組「母と子のテレビタイム日曜版」(NHK教育)に2年間、レギュラー出演させていただいたり、ラジオ、講演をしたり。その間もずっと「いつか必ずもう1度ライブをしていきたい!」という歌への思いを持ち続けていました。結果的に今の活動にたどり着くまで、ゆっくり一歩一歩、地に足着けて歩んで、そのときどきでチャンスをキャッチし、点から線につなげ、気が付いたら、「音楽的にサポートしてくれる人がちゃんと近くにいたじゃない」って(笑)。決して計算できない道のりでしたが、周りの人、そしてファンの方たちに助けられ、積み重ねてきた40年だったと思います。
病気のことは、決してマイナスとは捉えてはいません。病気という試練を与えられたからこそ、自分の歩むべき道や命の大切さに気づき、他の人の気持ちを考え思いやりをもてるようになりたいという、人としての基本を学べたと思っています。コロナでウイルス感染についての誤解や偏見を受けた出来事を思い出しましたけど、正しい理解や人としての優しさ、思いやりの大切さを改めて思い起こすきっかけになりました。今はみんなでコロナと闘っているのだから、ソーシャルディスタンスをとっても、心の距離はとらず絆を強めていけたらいいなあ、と思っています。
