憧れの日産旧車を“衝動買い”→妻に事後報告で「最悪」 30年越しの夢、気付けば総額1000万円超

「その日に買いましたよ」――。高校時代から約30年憧れ続けた日産の旧車を、見つけたその日のうちに妻に内緒で衝動買いした。購入後も手を入れ続け、車両代を含めて費やした総額は1000万円を超えた。しかし、30年越しの夢をかなえた男性を待っていたのは、思い描いていたものとはまるで違う現実だった。男性オーナーに愛車エピソードを聞いた。

「DATSUN」のエンブレムが目を引く1968年式ダットサン フェアレディ【写真:平木昌宏】
「DATSUN」のエンブレムが目を引く1968年式ダットサン フェアレディ【写真:平木昌宏】

【愛車拝見#388】30年憧れた日産旧車を即決 妻には事後報告

「その日に買いましたよ」――。高校時代から約30年憧れ続けた日産の旧車を、見つけたその日のうちに妻に内緒で衝動買いした。購入後も手を入れ続け、車両代を含めて費やした総額は1000万円を超えた。しかし、30年越しの夢をかなえた男性を待っていたのは、思い描いていたものとはまるで違う現実だった。男性オーナーに愛車エピソードを聞いた。(取材・文=平木昌宏)

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 秋のカーイベントのシーズン到来。長野・上田市のアリオ上田で開かれたクラシックカーフェスティバルの会場で、国内外の旧車が並ぶなか、男性も愛車で参加していた。所有しているのは、1968年式ダットサン フェアレディだ。

 フェアレディへの憧れは、高校時代に芽生えた。

「高校生の時、先輩が乗っていたんですよ。4つぐらい上だったかな。かっこいいな、俺も欲しいなって」

 その後は結婚し、子宝にも恵まれた。子どもが独り立ちするまでは家族にお金がかかり、趣味の旧車どころではなかったという。フェアレディを購入できたのは、高校時代から約30年後だった。

「どうしても欲しくて探したんだけど、やっぱりなかった。出てきて、たぶんその日に買いましたよ」

 衝動買いした時に葛藤はなかったのかと聞くと、男性は「もう、ないです」とあっさり答えた。

 会場で妻に、夫が何の相談もなく車を買った当時の心境を聞いてみた。答えは「最悪」だった。本人にとっては待ち望んだ一台でも、妻にとっては突然知らされた大きな買い物だった。男性も「奥さんに怒られました」と振り返った。

リアには「Fairlady 2000」のエンブレム。約15年にわたり大切に所有している【写真:平木昌宏】
リアには「Fairlady 2000」のエンブレム。約15年にわたり大切に所有している【写真:平木昌宏】

「これ、クルマじゃねえ」費やしたお金は1000万円超

 念願のフェアレディだったが、初めて乗った時の印象は強烈だった。

「これ、クルマじゃねえって。乗り心地が悪いし、最初はブレーキも利かなくて。だから全部変えました」

 その後も修理や整備は続いた。エンジンや足回りに手を入れ、シートを含む内装も張り替えた。部品はできる限り純正に近いものを使ったという。エンジン関連だけで約260万円を費やした。

「その前にエンジンとか、いろいろ全部やったから。塗装が一番最後になっちゃったんですよ」

 全塗装には約200万円をかけた。仕上がったのは約2年前で、購入から十数年をかけて現在の姿になった。車両代を含めれば、総額は1000万円を超える。

「もうこれで金をかけるところはないですよ。どうにか仕上がったから」

 雨が降らなければ、今も週に1回ほど走らせる。高速道路では、周囲の車から注目を集めるという。

「高速なんか乗ってると、結構ゆっくり走ってきますよ」

 半世紀以上前の車だけに、乗れる時期も限られる。

「エアコンが効かないから、真夏は無理。でも、やっぱり楽しいですね」

 衝動買いから約15年がたった。妻も今では夫と一緒に旧車の趣味を楽しんでいるという。

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