潮見洸太が『テニミュ』で得た自信と手応え「役との絆は強い」 水泳全国経験から俳優の道へ
ミュージカル『テニスの王子様』などに出演してきた俳優・潮見洸太(27)は、2024年に同作でデビューするまで、異色の経歴を歩んできた。水泳に打ち込んだ10代から一転、自ら芸能界入りを選択した理由、堅実な人生観などを語った。

先輩の一言で実感した“演じる責任”
ミュージカル『テニスの王子様』などに出演してきた俳優・潮見洸太(27)は、2024年に同作でデビューするまで、異色の経歴を歩んできた。水泳に打ち込んだ10代から一転、自ら芸能界入りを選択した理由、堅実な人生観などを語った。(取材・文=大宮高史)
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183センチの長身と鼻筋が通った端正な顔立ち。芸能界で輝く要素を持ち合わせているが、高校時代は、地元・福岡の強豪校で水泳に打ち込み、全国大会出場を重ねていた。ところが一転、卒業のタイミングで芸能界に飛び込む決断をした。
「『水泳で一生食べていけるか』と現実的に考えました。社会人になった時の自分を想像したら、水泳一本でいくよりももっと広い世界を知りたくなりました。水泳を極めたからこそ、好きなことで食べていくことの厳しさは分かっていたのですが、『好きなことをして、強みを生かせばいい』が我が家の方針でした。周りからも『芸能をやったら』と言われたこともあったので、19歳で『メンズノンノ』のオーディションを受けました」
同オーディションでは縁がなかったが、ボーイズグループでリーダーとしても活動した時期に培ったと行動力と責任感が、自身の道を切り開いた。
「グループ活動がきっかけで今の事務所の社長と知り合って、LINEを交換しました。その後に『売れたいです』って社長のLINEに電話して、所属にしてもらえました。社長に勧められて、受けたのが『テニミュ』(ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン)のオーディションでした。『結果はどう転んでもしょうがない』というマインドで受けていました。でも、最終まで進んだ時に『あっ、受かるかも』という不思議な予感がありました」
こうして2024年1月、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs立海でデビューを飾った。演じたのは、立海のテニス部部長・幸村精市だ。初舞台は潮見に、ライブとは全く別の感覚を突きつけた。歌やダンスの経験はあっても、役を演じることは勝手が違った。
「俳優同士で言葉をしゃべって、キャッチボールのように物語を届ける。それを何千人の前でやるということが、自分の中ですごく不思議な感覚になっていて、最初はぎこちなかったです。不安だらけでしたね」
その不安を自信に変えられたきっかけは、『テニミュ』3rdシーズンで同役を演じた先輩・立石俊樹からの一言だった。
「立石さんが僕らの舞台を観に来てくれて、『すごく良かったよ』という言葉をくれました。それがうれしかったし、立石さんと間近で会えて改めて責任を実感しました。原作がある上で、僕らが肉体として表現するその意味を、俳優一人ひとりがすごく考えているのが『テニミュ』です。そして、みんなの思考と体のぶつかり合いから作品が生まれていって、代によってカラーが全然違うのが素晴らしさだと思います。『テニミュ』の俳優同士でご飯に行く時も、『部長』って呼ばれるんですよ(笑)。それくらい役との絆は強いですね」
幼少期に憧れた特撮作品に出演「楽しさだけで突っ走れました」
潮見が芝居で大事にしてるのは、単なる自己表現ではない。不安をバネに、自分という個性が消えるまで役を突き詰める職人的な探究心だ。
「いくら稽古しても不安はあります。水泳でもチームの勝敗がかかるプレッシャーを感じていました。でも、だからこそ成長していけるのかなと思います。お芝居だと、とにかく役になりきらないと『怖い』という感覚もあります。少しでも自分を出してしまうと、中途半端な演技をお客さんに見せてしまうような気がして。そうならないよう、僕がこの役をやる意義を考え抜いて、納得の上で演じています。なので、シンプルに『お芝居が好き』とは言えないのですが、自分にしかできないことを考えて役に昇華させています」
今年はテレビ朝日系連続ドラマ『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』でのクールな人造人間999役で、地上波ドラマ初出演も果たした。特撮ドラマとの縁も素直に喜んでいる。
「特撮は好きで、幼稚園の時に言っていた将来の夢は『ウルトラマンになる』でしたね。ウルトラマンの名前は全部言えるくらい好きで、フィギュアもたくさん持っていました。だから、『ギャバン』の現場は楽しさだけで突っ走れました」
大学時代には就職活動もしていた。部活や就活、家族の気風が潮見の職業観にも影響している。
「僕の家系は、親戚が集まればみんなが武勇伝を語るような環境だったんです(笑)。大学に受かった、就職できたとか、そういうことも話題にして共有し合ってきました。昔は『そんなの誇れる?』と疑問だったのですが(笑)、俳優って成果がはっきり世の中に残りますよね。家族からもことあるごとに『頑張ってるね』と言われます。もう27歳ですが、子どもができたり、後輩を指導する側になった時に『僕はここまでやったんだ』って、残せるものが増えていくのもやりがいです。『テニミュ』もその一つですね」
プライベートでは銭湯好きだという。ここから素朴な素顔ものぞかせた。
「趣味の数はあまり多くないです。レトロな銭湯に行ってリフレッシュするくらいなので、ファンと話す機会がなかったら、空っぽな人生になってしまう気もしていて(苦笑)。ファンがいたから、芸能生活を続けてこられた面もあります。豊かなこの時代に、誰かを応援したいという気持ちの受け皿になれることもありがたいです。だからこそ、どんなに大きな場所に行っても、ファンとの交流の場は持ち続けたいと思っています」
堅実な人生経験に裏打ちされた信念が、これからも潮見の輪郭を作り、作品というレガシーを世に残していく。
□潮見洸太(しおみ・こうた)1999年6月16日、福岡県生まれ。2024年、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン『青学(せいがく)vs立海』幸村精市役で俳優デビュー。舞台を中心に活動し、『Collar×Malice -deep cover -』『ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ―』などに出演。今年はミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 前編で、引き続き幸村精市役で出演。
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