「なんだこれ」倉庫にあった車→まさかのお宝 30数年ぶりに復活 「見つけた業者さんはたいしたもん」

「いかにオリジナルを残していくか」――。自分の使命だと、そう強く感じている。50代男性会社員の目線の先にあるのは、1975年式のスバル レオーネ 1400セダンST。塗装も内装も、座席にかかっているチェック柄のシートカバーでさえ、当時の「そのまんま」だ。なんと約30年間、倉庫で眠り続けていた“掘り出し物”という奇跡の1台だ。旧車を守り続ける熱い思いを聞いた。

1975年式スバル レオーネ 1400セダンST【写真:ENCOUNT編集部】
1975年式スバル レオーネ 1400セダンST【写真:ENCOUNT編集部】

【愛車拝見#366】 「ほぼほぼオリジナルを保っています」

「いかにオリジナルを残していくか」――。自分の使命だと、そう強く感じている。50代男性会社員の目線の先にあるのは、1975年式のスバル レオーネ 1400セダンST。塗装も内装も、座席にかかっているチェック柄のシートカバーでさえ、当時の「そのまんま」だ。なんと約30年間、倉庫で眠り続けていた“掘り出し物”という奇跡の1台だ。旧車を守り続ける熱い思いを聞いた。

 青みがかったシルバーのカラーリング。ボンネットや屋根のサビは、長い時間を経過してきた“古き良き味わい”になっている。

「30数年間、納屋のような倉庫に入っていたそうです。10年ほど前に業者が発見して『なんだこれ』となって、乗れるようになるまで整備したと聞いています」。それを知人の前オーナーが入手。約3年前に縁あって、前オーナーから預かり受ける形で、「ウチの仲間入りしました」という。

 この個体が驚異的なのは、そのオリジナル度の高さにある。ボディーカラーの塗装は当時のまま。ダッシュボードには割れ一つない。一部のホイールキャップ以外は、純正品そのままだ。手に入れてからそこまで走っておらず、総走行距離は約3万9000キロ。「ほぼほぼオリジナルを保っています。エンジンも、もちろんそうです。まあ必要なところは取り換えましたけど、下回りを見てもサビもひどくないし、とてもいい状態で動いています。しかし、見つけた業者さんはたいしたもんですよ。よくつぶさずに車を起こしてくれたなと思っています」と胸を張る。

 男性はもともと2ドアのクラウンに乗ったり、四駆にハマったりのマイカー人生を歩んできた。「ランクルとジムニーばかり乗ってたんです」。ただ、スバルとの縁が全くなかったわけではない。父親はスバル360(通称・てんとう虫)やR2に乗っていた。しかし、自分の“乗りたい車リスト”には入ってこなかった。

 転機は12年前、息子の一言だった。「乗りたい車があるんだけど」。息子が写真を見せてきたのが、スバル レオーネ RX/IIだった。男性は最初ピンとこなかったが、滋賀に不動車があるということになり、「3代目レオーネです。どうしても欲しいから取りに行きたいと、息子からお願いされたので、私がローダー車を運転して滋賀まで行ったんですよ。写真を見たら、かっこいいなと思ったのもあります」。

 念願の愛車を手に入れた息子の喜びに触れ、目の当たりにしたことで、父親の中で何かが変わり始めた。「乗ってみたらとてもいい車で。レオーネって車、見直したんです」。運命的な変革がもたらされた。

 息子の影響でスバルに目覚めた男性は、その後、念願の2代目レオーネRXを手に入れた。レオーネのオーナーズクラブに入会。引き取った不動車を直して走れるようにした。

「オリジナルがやっぱりいい」

“沼”はさらに深かった。「乗っていくと、代をさかのぼりたくなるんですよ、スバルって」。たまたま初代レオーネRXをワンオーナーで持っていた知り合いが降りることになり、声をかけてもらった。「泣く泣く2代目のRXを手放して仲間に託しました。それで、初代を手に入れることができたんです」。

 旧車乗りを悩ませるのは、何といっても部品の調達だ。部品取り車を確保したり、代替部品を検討するなど、苦労を重ねている。「本当は毎日乗りたいのですが、乗れば乗るほど、部品は消耗します。旧車イベントや休日の天気のいい日のドライブという乗り方をしています。乗りたいけれども抑えている。はがゆい思いもあります」と本音を語る。ちなみに、普段乗っているのは、スバル プレオのLSリミテッドだという。

 倉庫に眠っていた貴重なレオーネ セダンは、今年4月、東京・品川駅前で行われた「第27回 高輪交通安全フェア 品川クラシックカーレビュー イン 港南」で、初めての“イベント出展デビュー”を飾った。

「自分自身も、若い頃はちょっといじった車も好きでした。車は乗れば乗るにつれてね、オリジナルがやっぱりいいという思いに変わってきました。原点回帰じゃないけど、そうなると、いかにオリジナルを残していくかということ。それをずっと考えながら車に乗っています」

 旧車乗りとして、“もうこれしかない”という重みをかみしめながら、大事に大事にハンドルを握っていく。

次のページへ (2/2) 【写真】当時がそのまま残された驚異的な旧車の実際の様子
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