芸歴15年の20歳山時聡真、松山ケンイチ・永作博美らに受けた影響と「大人の会話」に入れる喜び
20歳にして芸歴15年目の俳優・山時聡真(さんとき・そうま)が、TBS系連続ドラマ『時すでにおスシ!?』(火曜午後10時)に出演している。同作は、子育てを終えた主人公・みなと(永作博美)が、第2の人生で鮨職人を目指す物語。山時は、みなとが友人に誘われて足を踏み入れた鮨アカデミーで、同じクラスの森蒼斗を演じている。これまでは等身大の役を演じることが多かったというが、今回はどのように役に取り組んだのかを聞いた。

連ドラ『時すでにおスシ!?』に出演中
20歳にして芸歴15年目の俳優・山時聡真(さんとき・そうま)が、TBS系連続ドラマ『時すでにおスシ!?』(火曜午後10時)に出演している。同作は、子育てを終えた主人公・みなと(永作博美)が、第2の人生で鮨職人を目指す物語。山時は、みなとが友人に誘われて足を踏み入れた鮨アカデミーで、同じクラスの森蒼斗を演じている。これまでは等身大の役を演じることが多かったというが、今回はどのように役に取り組んだのかを聞いた。(取材・文=ふくだりょうこ)
山時はバラエティー番組の収録後に取材部屋に入ってきた。笑顔で記者と対峙。脚本を読んだ時の感想を問うと、「悪い人が出てこない物語です」と即答した。
「一人ひとりが共感できるようなキャラクターが集まっているなとすごく感じています。あとは、言葉の使い方が好きです。そのまま言葉で伝えるのではなく、何かに例えたり、素敵な言葉に変えていて、視聴者にもキャラクターにも伝えるというところは『いいな』と思いました」
鮨アカデミーでは講師の大江戸海弥(松山ケンイチ)のもとで学んでいくが、森蒼斗はどんな人物なのだろうか。
「寡黙に見えて、ちょっとぶっきらぼうだと思います。思春期でよくある20歳の男の子というキャラクターかと思ったのですが、授業中はしっかりメモを取るし、大江戸先生のことを一番尊敬しています。なので、『心の中がメラメラと燃えているような青年を演じられたらな』と思いました」
山時は自分自身のことを「わりとキャピキャピしているというか、明るくてなんでも相談したり、言うタイプ」と分析。蒼斗とは異なるからこそ、難しい部分もあるという。
「蒼斗は控え気味なところもあるので、『そこはどういう感覚なんだろう。ちょっと難しいな』と思っています。でも、ずっとそういうわけではないので、いかにも普通な男の子、ちょっとかわいげがある要素を入れていく。今はそこが難しいです」
鮨アカデミーのクラスメートたちの年齢はバラバラ。蒼斗はクラス内で最年少になる。
「20歳の蒼斗からすると、みなさんの年齢ってすごく大人に見えるので、その距離感が縮まっていくグラデーションはすごく意識しています。現場はすごくにぎやかです。年齢差があるのですが、その壁を全く感じなくて。対等な目線でいつも話してくださるので、すごく現場に居やすくてみなさん大好きです」
とはいえ、共演者は松山、永作、佐野史郎、ファーストサマーウイカと著名な先輩ばかり。俳優の道を歩む中、学びの多い現場になっている。
「松山さんの役作りだったり、永作さんのリアリティーのある言い回しなど、学びが多いです。ウイカさんも表情はもちろん、体の全部の要素を使ってお芝居をされています。佐野さんについては、現場で台本を読んでいるところを見たことがありません。ご自身でアイデアを出して、フランス語をセリフの中に入れたりとか毎回、勉強になっています」
昨年、蒼斗の設定年齢と同じ20歳になった。だが、芸歴は15年。5歳でスカウトされ、活動を始めた頃のことを聞くと、「あんまり覚えてなくて」と正直に返した。
「当時、サッカーや空手をやっていたのですが、それと同じ感覚でしたし、よく覚えてないんです。ただ、両親から聞くと、僕は昔から変わっていないみたいです。現場でもすごく明るく撮影していたそうです」
「楽しむ」を大事にしている。山時の話を聞いていると、そのように感じられる。
「多分、『楽しいと思っていたから今も続けられているんだろうな』というのはあります。演じることが人生の一つの楽しみだったというか。小学校でそんなことを考えていないと思いますが『嫌だな』と思うことはなかったので」
15年というと短い期間ではない。これまでに感じた壁はあるのだろうか。
「今、わりと学生ものが多いんですよ。蒼斗もそうですし、年齢が近い役が多いので、ここから大人になっていくにつれて高校生に戻ったりするパターンもあれば、少し上の年齢を演じたりするタイミングもあると思うので、それは『絶対、壁だな』と思います」
20歳になって、意識が変わった部分はあるのだろうか。
「やっぱり、大人になると責任はあります。でも、正直、そこまで変わっていないんです。20歳になって、お酒を飲めるようになって友だちとの関係も深くなったり、社交的な場も増えたので、友だちも増えたんですけど」
シームレス(途切れなし)に20代へ。ということだろうか。しかし、そんな状況でも一つの変化があった。
「大人の会話に入れるようになりました。今までは勝手にすごく壁を感じていたんです。今回のドラマもそうなのかもしれません。『僕が一歩大人に近づいたからこそ、話せるようになったのかな』ということはすごく感じます」

始まったばかりの20代「堂々と生きたい」
スタートしたばかりの20代。何を目指すのか。
「30代になった時に20代のことを笑い話にできるぐらい、失敗も笑いに変えられるように『堂々と生きたい』と思っていますね。20歳になって10代の時のことを笑い話にできる時がやっと来ました。でも、それは『堂々と胸を張って10代を生きたからこそなんだろうな』というのはあります。だから、20代もそういう年にしたいですし、『あの時、あの失敗をして良かったな』と思えるように胸を張っていきたいと思います」
デビューから15年、大勢の大人と仕事をしてきた。そんな中で理想とする大人像は見つけられているのだろうか。
「立場は関係なく、現場の雰囲気を明るくでき、人間として皆さんに分け隔てなく気さくに話せるような俳優でありたいと思っています。あとは、憧れられる人になりたいです。今までたくさんの先輩方に憧れてきて、そういうことで成長させてもらった部分もあります。作品を見て、感動して、『もっと続けたいな。こういう作品出たいな』という希望も湧いてきました。なので、いつか自分がそう思われる立場になれたらと思っています」
最後に「鮨アカデミー」にちなみ、好きなネタを聞いてみると、実は「もともと食べられなかったんです」と打ち明けた。
「20歳になる前ぐらいから白身は食べられていたんですけど、赤身やまぐろは食べられませんでした。でも、お酒を飲むようになって、食べられるようになりました。好きなのはタコです(笑)。もう、昔から好きなんです。中トロも好きですが、どちらかと言ったらタコです!」
山時は終始、明るかった。確かに蒼斗とは違うキャラクターだ。だからこそ、この役をどう演じ切るのかが気になってきた。これからどのように役の幅を広げていくのかも。
□山時聡真(さんとき・そうま) 2005年6月6日、東京生まれ。スカウトをきっかけに5歳で芸能活動を始め、16年に映画『ゆずの葉ゆれて』で俳優デビュー。今年3月27日に公開された映画『90メートル』では、菅野美穂とダブル主演。その他、アニメ映画『君たちはどう生きるか』(※声の出演)、映画『蔵のある街』、日本テレビ系連続ドラマ『ちはやふる-めぐり-』などに出演。6月28日には、主演舞台『オーファンズ』が東京芸術劇場シアターイーストで開幕。
あなたの“気になる”を教えてください