【人気TikToker直撃第1弾】令和の売れ方が話題の17歳、“顔出ししない理由”とは

suiは令和に誕生したポップソングメーカーだ【写真:石丸敦章】
suiは令和に誕生したポップソングメーカーだ【写真:石丸敦章】

歌詞へもこだわり「恋愛ソングは苦手なんですけど…」

 8月17日には「エピソード TikTok ver」もリリースされたが、前作の「エピソード」と聞き比べると彼のアレンジの幅が感じられる。実は恋愛ソングが苦手だというが、歌詞についても彼なりのこだわりがあった。

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「初めに配信したエピソードは、自分の好きな音を使って作りました。みんなが動画で使ってくれたエピソードとはアレンジが違うので、今回耳なじみのあるバージョンとして改めてリリースしました。恋愛ソングは苦手なんですけど、歌詞は現実味がないというか……。物語っぽくしている部分があるんです。《私のお話》や《こんな僕の話》とか、聞く人によって自分に当てはめてみたり、その曲でキャラクターが想像されるものでなく、聞いた人によってその曲のキャラクターが見えるように意識してます」

 同月24日にリリースされた新曲「可愛い君が愛おしい!」は、軽快なシャッフルビートや楽曲のラストに入った効果音(リップ音)が曲の雰囲気を引き立てる。ポップソングメイカーとしてのsuiの認知度をさらに引き上げ、「エピソード」に続きストリーミングチャートで上位を獲得した。

「自分の音楽って、効果音が多いんですよね。『エピソード』も学校のチャイムを織り交ぜたりしてて何かしら効果音を入れてるんですけど、そこで思いついたのがリップ音で、音を加工して曲に入れました。“このまま終わっても面白くないかな?”って思って、泡が弾けるような感じを意識して入れましたね。最初は水が跳ねる音が録りたかったんですけど、レコーディングが難しくて(笑)」

 TikTokがブレイクの火付け役になったアーティストが増えている令和の音楽シーン。YouTubeチャンネルでオリジナル楽曲を公開すれば、わずか数か月足らずで再生回数も伸びる。オリジナル曲「エピソード」は200万回、「可愛い君が愛おしい!」に限っては、数週間で170万回再生を超えた。1つのターニングポイントにもなったTikTokは、彼にとってどのようなものなのか。

「ずっと音楽をやりたかったんですけど、中学生の頃からどうしても一歩踏み出せなくて、やりたかったことができていなかったんです。フル尺で曲を作るのは時間がかかるけれど、15秒だったら小一時間ぐらいで投稿できる。あと一瞬で楽曲を共有できるのが後押しになって、自分がこうして音楽ができるようになったこともあって、TikTokは自分には無くてはいけないものですね」

 最後に、今の目標についても聞いてみた。

「今考えているのはTikTokに限らず、自分の作ったオリジナル楽曲を女性ボーカルの方や同じ男性でも声の特徴が違う方に歌ってほしいですね。楽曲提供じゃないけど、そういうことにチャレンジしてみたいです」

 令和に誕生したポップソングメーカーは、根底をのぞき込むとまだまだ思わぬ可能性を秘めていそうだ。音楽の趣向にしろ、これから更に自身の才能を発見し、伸ばしていくことだろう。なんて言おうとまだ音楽シーンに飛び込んで数か月、成長意欲もすさまじい。ストリーミング時代に現れた逸材の今後を、これからじっくり見届けたい。

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