【人気TikToker直撃第1弾】令和の売れ方が話題の17歳、“顔出ししない理由”とは

suiはTikTok発のアーティストだ【写真:石丸敦章】
suiはTikTok発のアーティストだ【写真:石丸敦章】

ライブ鑑賞で衝撃「楽しそうにライブをしているアーティストに憧れ」

 目をキラキラと輝かせながらそう語るsuiからは、本当に音楽が好きなことが伝わってくる。筆者の「音楽が好きなんですね」という投げかけにも、満面の笑みで「はい」と答えたのが印象的だった。投稿される動画では、ギターやベースといったあらゆる楽器をマルチに操っているが、音楽ルーツはどこにあるのだろうか。

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「母からは保育園の頃からずっと音楽に興味がある子どもだったと聞いてました。当時はジャンルを問わず、いろいろな歌を歌ってたみたいです。小学校の頃からピアノとバイオリンを習うようになって。そこからさらにギターやベースだったり、投稿している動画に出てくる楽器を習ったり、独学で練習しました。母はクラシックが好きで、その影響で中学生の頃まではクラシックを中心に聞いたり、演奏してましたね。中学に上がってからは邦楽ロックも聞くようになりました。最近はひいおばあちゃんからもらった大正琴という面白い楽器にハマってるんですよ」

 近年ネット発で話題になっているアーティストは、ヨルシカを筆頭に、ずっと真夜中でいいのに。、Eveとメディアに顔出ししない傾向にある。TikTok発のアーティストもこの傾向にあり、suiも例外ではない。TikTokを始めた当初のことを、「自分は(同級生に)知られるのが恥ずかしかったから言えなかったんですけど」と振り返る。しかし、投稿された曲は瞬く間に広がった。短い動画に好きな音楽をつけて投稿できるTikTokというプラットフォームで、女の子目線で描かれた楽曲「エピソード」の若者世代を中心に大人気となった。自身も予期せぬヒット、仲の良い友達にもバレたという。

「自分でもまだ慣れていない部分があって、いつもはTikTokを見て好きな音楽があったら調べてみようって思ってたのが、いざ動画を見ていると自分の曲が使われてる動画が流れてくるんですよ。“あ、自分の曲が流れてる”って。投稿した動画に映った部屋を見て、仲の良い友達にはバレましたね(笑)。けど、いざ出してみると“面白いじゃん”ってポジティブな意見をもらえて、それが今は楽しいです」

 さらに顔出ししない理由について尋ねると、こんな答えも返ってきた。

「単純に自分が顔出しするような人じゃないっていうのはありますけど(笑)、自分の音楽だけに注目してほしくて。顔出しすると少なからずその人が歌ってる姿が目に浮かんだり、その人自体のキャラクターが映り込んでしまうと思うんですよ。曲を聞くと“この人だ”っていう感覚があるので、純粋に音楽を楽しんで聞いてほしくて。あえて顔出しはしないようにしてます」

 SEKAI NO OWARIの弾き語りカバー動画やバンドのカバーも積極的に投稿しているが、聞いてきた音楽からの影響を受けた部分もあるようだ。

「これまで聞いた音楽は出したらキリがないけど、邦楽シーンだとSEKAI NO OWARIさんがずっと好きで、女王蜂さん、あとネットの音楽シーンだとずっと真夜中でいいのに。からカバーを中心に活動しているシンガーさんや歌い手さんだったり趣味で聞いてますね」

 特に女王蜂のライブには衝撃を受けたという。

「自分が初めて行ったライブハウスが、Zepp Tokyoっていう大きなところで。“こんなデッカいところでライブする人がいるんだな”って衝撃を受けたと言いますか。楽しそうにライブをしているアーティストを見ると影響されるし、いいなって憧れはありました」

 自身が表現したい音楽をきちんと表現できていることに対する憧れ――。TikTokからヒットを飛ばしたsuiだが、音へのこだわりは強い。「将来は音楽が勉強できる道に進みたい」と、受験勉強に励む彼は、現状にはまだ満足していないようだ。

「今は技術が足りてなくてミックスやマスタリングとか納得のいくものが作れていないんです。プロの方に頼むこともあるんですけど、いずれは自分の音楽なので、全部自分で表現したいです。聞いてきた音楽や好みのジャンルはいくつかあるんですけど、これまで誰もやったことないようなことができるかは分からないけれど、自分で良いと思える好きな音楽を、こだわった音で作っていろんな人に聞いてもらいたいですね」

次のページへ (3/4) 歌詞へもこだわり
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