【人気TikToker直撃第7弾】“浮気の歌が話題”10代歌手 ファンらの恋愛体験談を歌うワケ

ファンからの相談が歌詞作りに役立っていると語ったりりあ。【写真:石丸敦章】
ファンからの相談が歌詞作りに役立っていると語ったりりあ。【写真:石丸敦章】

15秒のヒロインがTikTokから誕生 「ストレートな言葉で伝わりやすい歌詞にする」

 SNSで恋愛相談をしたファンは、彼女の曲を聞けばきっと、それが自分の話を基に書かれたものであることが分かるに違いない。

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「そうですね。最近はファンの方から“こういう話で曲を書いてください”ってお願いされることも多くなってきて。助かってます。お題があったほうが作りやすいので。だからみなさん、いろんな恋愛の体験談を私にください(笑)」

 つまり、りりあ。は、自身の心のうちを赤裸々に書くというよりも、友達やファンの体験談を自分なりにそしゃくして膨らませながら歌詞を書くタイプ。その際、次のことに気を配っているという。

「ストレートな言葉で伝わりやすい歌詞にすることを心掛けています。抽象的な言葉はあまり使わないですね。そんなに語彙力がないので、簡単な言葉でしか書けないんですよ。なので、必然的にそういう歌詞になっちゃうんですけど。日常の会話によく出てくるような言葉はなるべく使おうと思ってます。例えば《既読のつかないままのLINE》とか、《匂わせのストーリーが更新》とか(※いずれも『浮気されたけどまだ好きって曲。』の一節)。普段友達と話していて、LINEとかストーリーってやっぱりよく出てくるワードなので。そういうところで共感が得られるんじゃないかなと」

りりあ。はTikTokにギター弾き語りのショート動画を頻繁にアップし、そこから活動の場を広げていったシンガーだ。弾き語り動画をあげると「キレイな歌声」「天使のような歌声」といったコメントが多数付いた。彼女は自分の歌声をどう思っているのだろう。

「ありがちな声だなって。いまでもそう思ってます。でも、それを“いい”って思ってくださる方がいらっしゃるのは本当にありがたいし、それによってメンタルが保てているって感じですね。そういうコメントがあるから、私はなんとかやっていける」

 癒しの成分も含んだ透明感のある歌声。そして中毒性のあるサビのメロディーと、始めにドキっとさせながらしばらく心に残ることとなる共感性の高い歌詞。それらが有機的に合わさったことで、りりあ。の「浮気されたけどまだ好きって曲。」は10代を中心に大きく広がりを見せた。そしてそうしたひとつひとつの要素は、実は「TikTokでバズる」条件とピッタリ重なるものでもあったようだ。瑛人「香水」を筆頭にTikTok発のヒット曲がチャートを席巻するようになったのはこの半年ぐらいのこと。TikTokは15秒~30秒くらいの短い尺の動画が主であるため、聴いた瞬間ハッとして耳にひっかかるものでないとそのまま流れていってしまう。故に中毒性のあるサビのメロディー、パンチラインがあって伝わりやすい歌詞であることが重要で、それがボーカルの力や個性と合わさることで大きく広がるわけだ。

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