「やりたくないことはやりません」 森香澄、“あざとかわいい”の裏側にあるリアリストの顔
フリーアナウンサー・俳優・タレントと幅広く活動する森香澄は、“2025年の顔”にも選ばれるなど、今を時めく人物の1人だ。「令和のあざと女王」の異名を取り、代名詞ともなった“あざとさ”。その独自の美学と今後の可能性を本人に聞いた。

LINEのやりとりにも“駆け引き”
フリーアナウンサー・俳優・タレントと幅広く活動する森香澄は、“2025年の顔”にも選ばれるなど、今を時めく人物の1人だ。「令和のあざと女王」の異名を取り、代名詞ともなった“あざとさ”。その独自の美学と今後の可能性を本人に聞いた。(取材・文=小田智史)
テレビ東京のアナウンサーを経て、27歳でタレントに転身。徐々に「あざとい」と言われ始め、昨年は日経トレンディ「2025年 今年の顔」に選出されるほど大ブレイクした。
今でこそ「あざとい」には意識的な部分があるものの、もともとは“自然とやっていたこと”だった。
「大学に入ってお化粧とかおしゃれをし始めたら、一気にお誘いが増えました。そこから、もっとかわいくなろうとして、それが行き過ぎた結果、あざといと言われるようになりました。大学1年生ぐらいの時が一番あざとかったんじゃないですかね(笑)」
“森香澄流”の男性を落とすテクニックが気になるところだが、本人は「聞かれすぎて、自分でもよく分からなくなってきました」と笑う。
「もはや過度なボディータッチとかはやらない方がいいと思っています。私はもう30歳になっていて、もし今から男性と出会うとなったら相手が20代前半というのはあまりないはず。返信を遅くするテクニックがあると思うんですけど、20代後半から30代の男性と出会うとなったら、30代の恋愛に関しては返信は早ければ早いほど“仕事ができる人”として認定されると思います。“焦らす”フェーズは20代までだったのかなって(笑)。私のことを気にかけてほしいみたいな時期はありましたし、まだそういうテクニックみたいなものが世にそこまで出ていない時は良かったんですけど、今はもうそれが周知されているので、“逆を突く”という感じです」
LINEのやりとり一つとっても、そこには自分なりの“駆け引き”があるという。
「相手が絶対返信できる時間なのに返信してなかったら、『この人、仕事できないんだろうな』と思って、もう『なしだな』って思っちゃうんです(笑)。逆も然りで、私も相手がしっかり仕事している人がいいなと思うので、返信が早ければ早いほど、『この人はきっと優秀な人なんだな』と興味を持ちます。返信は返せる時は秒で返して、返せなくなった時は『今からちょっと返せなくなります』みたいな感じで言うようにして、それが駆け引きなのかなと最近は思っています(笑)」

「ポイントの高い男性像」は?
「あざとい」は、本来「抜け目がない」「ずる賢い」などネガティブな意味を持つ一方で、現代では「計算されたかわいさ」として肯定的に使われるようになった。それだけに、言われることに抵抗はなかったという。
「私が言われるようになった時は、もうあざといはポジティブに捉える人が増えてきていた段階でした。“あざとい”だけではなく、“あざとかわいい”と言われることが多かったので、ほめ言葉だと思って最初からポジティブに捉えていましたね」
今ではもう「あざといと言われなくなりました(笑)」とも明かす。
「『森香澄』というだけで、勝手に組み込まれているというか。最初は『あざとくやってください』とか言われていたんですけど、『もうやってくれますよね?』みたいな感じになりました(笑)。ただ、あざといも求められる角度が違ったりするので、それぞれの思うあざといはどういうあざといなんだろうと知るところから始めないと、結構すれ違うことがあるのですり合わせるのが大変だったりします」
自身の中では、世代に合わせたあざといのイメージと基準があると話す。
「『この層だったらこういうあざとさ』というのは分析しています。例えば、Z世代だったら、ブリブリなあざとさよりも、むしろ少しサバサバしている方が逆にあざといと言われています。逆に、40~50代の方、特に男性が見ているような番組だったら、手を顔の周りに置くみたいなあざとさを求められているんだろうなと思います。自分の中で使い分けたり、幅広くあざといを担っています(笑)」
そんな森が抱く「ポイントの高い男性像」はどのようなものなのか。
「情緒が安定していて、仕事を楽しんでいる人。好き嫌いをせずなんでも食べる人。人間として基礎的なところができている人がいいなと最近は思うようになりました。秀でて何かができる人は、秀でて何かがおかしかったりするので(笑)。逆に普通のことが普通にできる人になかなか出会えないという現実も最近はヒシヒシと感じています」

30代の目標は「自分から動く」
自分自身が見た「森香澄」はどんなキャラクターなのか。「常に俯瞰するようにしてはいます」。冷静な分析によれば、「森香澄=あざとい」の進化段階だという。
「世間の皆さんには、『あざとい』というイメージがある思います。でも、最初はそれを広めることを目標にしていたので、実際にある程度広まったということがまずはすごいことだと思っています。そして、そのあざといがそれぞれの思っているあざといに投影されてるのが、“現在の森香澄”なのかなと。これから、『私はこうです』と示すのが正解なのか、皆さんのあざといに柔軟に対応していって、それぞれのイメージが違う方がいいのか、今は模索中です」
森は、「私は自分でキャラを作り上げるのはあまり向いていない」と語る。
「『あざとい』も世間の人が作ったイメージ。私は需要があるから対応していくみたいな性格だし、大人数の時はみんなが納得する形を作るタイプです。私は、自分がやりたくないことはやりません(笑)。皆さんのイメージが変わる時がいずれ来るとは思っているので、需要の限りは対応していきたいです」
芸能界に飛び込んで7年目、6月には31歳となる。30代のキーワードは“能動的”だという。
「20代まではいただいたオファーに柔軟に対応していくのが主となる活動だったんですけど、それだけでは30代は前に進めない気がしています。『私はこういうこともやってみたいです』という発信を実は少しずつ始めています。今は少しずつ準備している段階。『自分から動く』が30代の目標です」
“令和のあざと女王”の勢いは、まだまだ止まりそうにない。
□森香澄(もり・かすみ)1995年6月16日、東京都生まれ。2019年にテレビ東京に入社。アナウンサーとして数々の番組に出演し、23年3月末に退社。現在はタレント、俳優、モデルとして幅広く活動する。2024年の『オトナの授業』(TOKYO MX)で連続ドラマ初主演。『伝説の頭 翔』(24年/テレビ朝日系)、『年下童貞(チェリーボーイ)くんに翻弄されてます』(25年/MBS 毎日放送)、『DREAM STAGE』(26年/TBS系)、映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』(25年)、映画『ロマンティック・キラー』(25年)などに出演。SNS総フォロワー数は240万人を超える。
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