地震直後、“開かずの踏切”で混乱 1台1台に声がけしていたのは中学生くらいの男子…漫画家が感謝「お前ら最高だぜ!」
今月20日午後4時52分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード7.7(速報値7.5)の地震が発生。新幹線や在来線を中心に大きな交通の乱れが生じる中、岩手・盛岡市の前潟駅近くの踏切で、自主的に交通誘導を行った男子学生たちの行動がネット上で話題を呼んでいる。感謝の思いをSNSにつづった投稿者の女性に詳しい話を聞いた。

20日の地震、踏切前で自転車を停めて…1台1台に声がけする姿
今月20日午後4時52分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード7.7(速報値7.5)の地震が発生。新幹線や在来線を中心に大きな交通の乱れが生じる中、岩手・盛岡市の前潟駅近くの踏切で、自主的に交通誘導を行った男子学生たちの行動がネット上で話題を呼んでいる。感謝の思いをSNSにつづった投稿者の女性に詳しい話を聞いた。
「前潟駅付近の踏み切りが閉まっていて、軽く渋滞かと思ったら、踏み切り前にチャリ停めて中学生くらいの男の子達が、さっきの地震で前潟駅で電車止まっているから踏み切り開かないです! って1台1台に声かけてくれて、お陰で迂回して帰れた いい子達ありがとう! お前ら最高だぜ! 気をつけて帰れよ」
地震が発生した20日、SNS上に投稿されたある体験談。
投稿者で、盛岡市で漫画家をしているというそのだつくし(@tukusi0602)さんは、その日、地震を受けいつもより早めに帰宅しようと午後5時過ぎに市内のアトリエを出て車で自宅に向かっていた。JR前潟駅近くの踏切に向かう道は渋滞していたが、ふと、対向車が来ないことに気づいたという。
対向車線には中学生と思しき男子学生が数人、ウロウロと歩いては並んでいた車のドライバーに話しかけている。
中学生から声をかけられた車は次々と右折し、橋のたもとにある川沿いの道へと走っていった。「もしや事故だろうか」。そのださんが車から「何かあったの?」と尋ねると、中学生の1人が「さっきの地震で前潟駅に電車が止まってしまって、踏切が開かないようです」と状況を説明してくれた。
礼を言い、道を替えてその場を後にしたが、学生たちはその後も後続ドライバー一人ひとりに声がけをしている。遠回りして無事に帰宅した後、「あの子たちは無事に帰れたのだろうか」と心配したそのださんは、感謝を伝えたいが、学校も分からないしお礼を言うこともできない……そんな思いをSNSに投稿した。
投稿は拡散。「私も同じ踏切で声をかけてもらった」「なんていい子たち!!」「流石だね岩手っこ」など、学生たちを称賛するリプライが多数寄せられた。

受け継がれた震災の教訓 「育てた親御さんにも敬意を払う思い」
話題を呼んだ投稿について、そのださんは「多分東日本大震災のあたりに生まれたか、または赤ちゃんか、生まれていないかくらいの少年たちなので、あの日の行動は、育てた親御さんにも敬意を払う思いです。おかげで大渋滞にはならなかったと思います」とあらためて感謝の思いを吐露。
東日本大震災当時、自身は内陸部にいて、津波の情報をニュースで見聞きすることしかできなかったといい、沿岸部の被害に対しては「同じ県なのに無事で申し訳ない」「何もできなくてごめんなさい」という思いでいたという。その後、漫画家という仕事を生かして何度も取材を重ね、子どもたちへの似顔絵のボランティアや、街や人の復興する様子を漫画にするなどの活動を行ってきた。
「伝達技術や災害対策も日々進化しています。そして子どもたちに伝え未来につなげる大人がいます。昨日の子どもたちも誰かに伝えられて学んだ子だったのかなと思いました」とそのださん。
震災の教訓は風化することなく、次の世代に確かに受け継がれているようだ。
あなたの“気になる”を教えてください