三遊亭円楽、芥川賞作家中村文則氏初の書き下ろし落語に挑む「噺の内容は一切出さない」

芥川賞作家の中村文則氏(48)と7代目三遊亭円楽(48)が22日、東京・新宿の紀伊国屋ホールで落語会「文学×落語 三遊亭円楽×中村文則 ~円楽、中村文則 執筆 新作落語 相勤申上候。~」の記者会見を行った。中村氏が円楽のために書き下ろした「滑稽噺」(中村氏)を聞かせる会で、「噺の内容は当日まで一切出さない」(円楽)と保秘の姿勢を貫く。タイトルは「座れない」だ。

記者会見に登壇した三遊亭円楽(左)と中村文則氏【写真:ENCOUNT編集部】
記者会見に登壇した三遊亭円楽(左)と中村文則氏【写真:ENCOUNT編集部】

中村文則氏が「何と無料で!」執筆

 芥川賞作家の中村文則氏(48)と7代目三遊亭円楽(48)が22日、東京・新宿の紀伊国屋ホールで落語会「文学×落語 三遊亭円楽×中村文則 ~円楽、中村文則 執筆 新作落語 相勤申上候。~」の記者会見を行った。中村氏が円楽のために書き下ろした「滑稽噺」(中村氏)を聞かせる会で、「噺の内容は当日まで一切出さない」(円楽)と保秘の姿勢を貫く。タイトルは「座れない」だ。(取材:文=渡邉寧久)

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 2人の交流のきっかけは、ファンレターだった。

「今から10年前、かみさんに勧められて読んだ小説に強烈なパンチを見舞われて、手紙を出させていただいたところお返事をいただいた。以来のお付き合いです」と円楽(当時は王楽)からのアプローチだったことを明かした。

 交流を続ける中である日、円楽が、「新作落語を書いてみる気、ありません」と誘い水を向けたところ、中村氏が快諾。「落語を広めたいという姿勢に共鳴できたこともあり、7代目円楽を襲名するというので、そのお祝いとして書きます、と書かせていただいた。大変お忙しい中、中村さんが何と無料で! DVDとかCDも買いましたから赤字ですよ」と、笑いを取りながらオファーの裏側を伝えた。

 さらに「創作期間は1か月。DVDを見たり資料を読んだりしてひと月ぐらいで落語脳にして、今だ! という瞬間に書き始めました。ジャンルは滑稽噺です」と明かすが、ネタバレは一切なし。

「事前に何人かに読んでもらったら評判がよかったので、スベったら全部彼のせい」と円楽にプレッシャーを与える一方、「噺家さんが作らないような創作落語になっている。落語好きな人にも初めての人にも来てほしい。うるさ型もちゃんと聞けるようにした」と、落語マニアを自負するファンにもある種、挑戦状を叩きつけた。

 すでに原稿は円楽に届けられている。一読した印象を円楽は「これは難しいなと思いましたね」と明かし、「面白い! パフォーマーとして演じるにあたってどこに重点を置いてとかどこを変えるか、どこをくっつけるか、考えさせられるし、こんなものまでしゃべるの? というものもあります」と手ごわい台本であることをにおわせた。

 6月18日、紀伊国屋ホールの本番に向け、これから噺を体内に染み込ませていく円楽に、「楽しんでやればお客さんに伝わる。それが一番」と、中村氏はやさしい。

「小説と同じで、あとは完全に(演者に)おまかせですね。自分が作ったものが、(いろんな噺家がしゃべることによって)変わって行って、そのうち誰が作ったのかも分からない、あれは誰が作ってんだろうな、と思ってもらえれば」と、自作が古典落語化することを願った。

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