尾崎世界観が描くこれからのクリープハイプ 新曲へ手応え「いっぱい発表できそう」

23日に公開される志村貴子原作の劇場アニメ「どうにかなる日々」の主題歌、劇伴音楽を担当した4人組ロックバンド「クリープハイプ」。クリープハイプが映像作品の劇伴音楽を手がけるのは、意外にも今作が初めてだという。作品を彩る新曲「モノマネ」から、劇中で使用される楽曲まで全23曲を書き下ろした尾崎世界観にインタビュー。前編では初めての劇伴制作の裏側や、今回の制作が現メンバーでの活動が10周年を迎えた“今”のクリープハイプにどう影響するかを語ってもらった。

これからのクリープハイプについて明かした尾崎世界観【写真:山口比佐夫】
これからのクリープハイプについて明かした尾崎世界観【写真:山口比佐夫】

音への喜びに気付く「興味がないと思いこもうとしていた」

 23日に公開される志村貴子原作の劇場アニメ「どうにかなる日々」の主題歌、劇伴音楽を担当した4人組ロックバンド「クリープハイプ」。クリープハイプが映像作品の劇伴音楽を手がけるのは、意外にも今作が初めてだという。作品を彩る新曲「モノマネ」から、劇中で使用される楽曲まで全23曲を書き下ろした尾崎世界観にインタビュー。前編では初めての劇伴制作の裏側や、今回の制作が現メンバーでの活動が10周年を迎えた“今”のクリープハイプにどう影響するかを語ってもらった。

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――主題歌「モノマネ」を含めて23曲を制作されたと伺いました。曲は一気に制作したのでしょうか。

「少しずつ溜めていましたね。それも、『今作るぞ』と言うよりは、『作らなきゃいけない』という意識が、生活の隙間にずっとあったんですよ。『ああ、今いけそう』という、くしゃみのような感じで。出そうだなと思ったら作って、録音して……という風に溜めていって、『よし、これは溜まっただろう』と思って数えたら全然足りなかったりして。『ウソだろ?』と思ったり(笑)。でも、それが楽しかったですね。やらなきゃいけないんだけど、やりすぎちゃいけないというか。本気で今まで通り作ったら作品に合わないと思ったので、ふとした生活の隙間で作ったり、自分自身をだましながら、不意打ちで作っていくというのをやっていたので、その合間は、それが楽しかったです」

――作品にも日常の風景が多く描かれていますね。

「そうですね。だから、机に向かって『やるぞ!』というのはちょっと違うと思ったんです。僕はいつも寝て曲を作るんですよ。ベッドに小さいギターを持って行って。だから、この作品の劇伴を作るのにはすごく合っていたかもしれないですね」

――以前にアニメ作品のエンディングを制作されたときとはまた別の感覚だったのでしょうか。

「そうですね。今回は、普段自分が使わない場所を使って作っていきました。もう今のメンバーで10年以上やっていて、周りから求められるものも、自分たちが出せるものもある程度決まってきていることに対して危機感を持っているタイミングで今回のお話をいただいたんです。ただクリープハイプとしてやっていたら、絶対にないだろうという曲ばかりできたし、それはもう、単純に作り手としてうれしいことですね。自分が今まで見過ごしていたというか、気付いていなかったものに、ちゃんと気付けました。『こういうものもやりたかったんだ』、と。どこかで、世間から思われているイメージに自分自身が勝手に当てはめているところもあって。『興味がない』と思い込もうとしていたんですけど、『こういう音を、こういう音階で、こういう楽器で表現して喜びを感じるんだ』ということに改めて気付きました」

――クリエーターとして新しい挑戦をするのは大変なことだと思います。「やってよかった」という実感はありますか。

「よかったですね、本当に。こういうきっかけがないとやれなかったと思います。これがメジャーデビューして1年後、2年後にやっていたとしたら、また変わってくると思うんですけど。このタイミングだから、本当によかったと思います」

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