サザン・原由子、ソロライブで爆笑トーク連発 メンバーとの“あうんの呼吸” バンドの絆にもファン感涙
桜舞う古都で行われたライブは、ステージにも客席にも、ずっと笑顔があふれていた。サザンオールスターズの原由子が、ソロデビュー45周年記念公演を開催した。京都・鎌倉の2か所で計4公演、スペシャルな“春の逢瀬”が実現となった。優しくしなやかな歌声を響かせ、本職のキーボードだけでなく、アコースティックギターも弾き、爆笑トーク連発で、エンターテイナーとしての魅力をこれでもかと発揮。「一生青春」を宣言した原から、ファンはたくさんの元気をもらった。鎌倉芸術館 大ホールで4月7日に実施された千秋楽公演を、“ファン目線”でレポートする。

京都・鎌倉で計4公演 4月21日でソロデビュー45周年
桜舞う古都で行われたライブは、ステージにも客席にも、ずっと笑顔があふれていた。サザンオールスターズの原由子が、ソロデビュー45周年記念公演を開催した。京都・鎌倉の2か所で計4公演、スペシャルな“春の逢瀬”が実現となった。優しくしなやかな歌声を響かせ、本職のキーボードだけでなく、アコースティックギターも弾き、爆笑トーク連発で、エンターテイナーとしての魅力をこれでもかと発揮。「一生青春」を宣言した原から、ファンはたくさんの元気をもらった。鎌倉芸術館 大ホールで4月7日に実施された千秋楽公演を、“ファン目線”でレポートする。(取材・文=吉原知也)
「原さんって、本当にMCが面白い」。笑いに包まれたライブ会場で改めて実感した。
1978年にサザンのメンバーとしてデビューし、ピアノ・キーボード・コーラスなどを担当。81年の『I Love Youはひとりごと』でソロ活動を開始。今年4月21日でソロデビュー45周年の節目を迎える。今回、『伊右衛門 presents 原由子 45th Anniversary Live「京都・鎌倉物語 2026」』として、3年ぶりの単独公演を開催した。
雨にぬれた恋心を歌ったソロ曲『あじさいのうた』から始まり、サザンで原がボーカルを担った名曲を含めて、ベストヒットの全21曲を披露した。サザンのドラム、松田弘がライブバンドメンバーに加わったことも胸が熱くなるポイントだ。
開演時間になって、舞台袖からステージに登場した原。ファンの歓声に対して、両手を上げて左右に移動し、満面の笑みで応じる。原の笑顔はファンの安心感だ。演奏が始まる前から、心が幸せで満たされていく。
2曲目が終わったところで最初のMCだ。「桜のきれいな季節に鎌倉でお会いできたことをうれしく思い、感謝申し上げます」。落ち着いて見えるのに、「相変わらず緊張したままです」という言葉が信じられないぐらいだ。
今年12月11日で70歳の古希を迎える原。「この年齢でライブができるなんて自分が一番驚いています」としみじみ語りながらも、「それでは最後の曲です!」といきなりボケをかました。バンドも全員ズッコケ。会場は大爆笑だ。気を取り直して、「歌っている時は年齢のことを忘れて、恋の歌を歌います」。甘酸っぱい青春を感じさせる名曲が続いた。
ちなみに、この前振りの後の3曲目『恋の歌を唄いましょう』は、サザンの96年のアルバム『Young Love』からのナンバー。ライブ演奏の少ないレア曲だ。しかも、松田のドラムで生で聴くことができ、心の中で号泣。「仕事に徹せねば」と涙をこらえるのが大変だった。

桑田佳祐を引き合いに「一生青春」
その後のMCが最も印象的だった。今年2月に70歳を迎えたサザンオールスターズの桑田佳祐を引き合いに、「私の周りに2月に古希を迎えた人がいます。『一生青春』と言っていたのに共感します。そんな年の重ね方をしたいです」。青山学院大時代に出会った2人。一緒に音楽を作り、公私共に歩む桑田からも刺激を受け、歌い続ける思いを示した原の姿にグッときた。
ドラムの松田も4月に古希を迎えたばかり。原のソロ活動のレコーディングでもビートを刻んできた仲間に対して、「弘君がいると私も心強いです」とメッセージを送る。松田も「原さんのライブに参加できて、いいスタートが切れました!」と明るい表情で応じた。バンドの絆が感じられ、サザンファンとして、ここも感涙のシーンだった。
ミュージシャンの宇崎竜童が作曲し、サザンのベース・関口和之が詞を書いた初期ソロ作品『うさぎの唄』の激レア選曲にびっくり。ここで、原がキーボードからアコースティックギターに楽器を変える。ソロの『いちょう並木のセレナーデ』、サザンの『唐人物語(ラシャメンのうた)』では、ギターを演奏。ステージ中央のキーボード席から立ち上がり、マーティンのアコギを抱えて、透明感のある美しい歌声を届けた。
後半の盛り上げパートは、観客が総立ちに。最新アルバム『婦人の肖像 (Portrait of a Lady)』(22年)からの『スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)』では、大型ビジョンに“ギターの神様”エリック・クラプトンのビジュアルが映し出された。原が学生時代から敬愛してやまないクラプトンをモチーフにした歌詞のロックな楽曲。曲の終わりに、見せ場が待っていた。青学の後輩でサザンや原の音楽活動を支えてきたギター斎藤誠が、クラプトンの代表曲で、デレク・アンド・ドミノス時代に発表した『いとしのレイラ』のギターフレーズをさく裂させると、原にスポットライトが当たる。レイラ曲中の象徴的なピアノソロを、情感たっぷりに奏でたのだ。青春時代からの憧れのスターへの“愛”がひしひしと伝わってきた。
今回のライブは、やはりドラムの松田の存在が大きかった。松田らしい、力強くリズムをうならせるビートだけでなく、時に原の歌声に合わせて優しく。サザンの『鎌倉物語』などの演奏で、ボーカルに寄り添うドラムプレイも印象的だった。

サザン松田弘と“あうんの呼吸”のコーラスワーク
歌声自慢の松田によるコーラスも秀逸。原の息遣いに合わせる“あうんの呼吸”のコーラスワークに、感動しまくりだった。原が生まれて初めてリードボーカルを歌ったというサザンの『私はピアノ』。「この曲がなかったら、45周年のライブはできなかったと思います」と歌い上げ、松田がドラムとコーラスで盛り立てた。サザンの『そんなヒロシに騙されて』のサビでは、原が歌う主旋律に松田が絶妙にハモる。普段のサザンのライブでは桑田がハモるのだが、新鮮味があって魅了された。
曲の締めにバイオリンの金原千恵子をもじって、「そんな千恵子に騙されて」と歌ったら、どうしてか笑いが止まらなくなった原。おちゃめな姿に、会場はどっかーんと大爆笑だった。
そして、ラストは『花咲く旅路』。音楽の旅はまだまだ続く――。そんな前向きな意思が感じられた。
公演後のあいさつで、原は「大変なことも多いですが、穏やかな日々を過ごしたいものです。平和じゃないとライブはできないですから。平和でいたいです」とメッセージを口にした。こんな時代だからこそ、心に響いた。
これだけ元気をもらえるライブ。ファン思いの原の姿勢に触れ、こちらこそ「夢をありがとう」だ。これからも、もっともっと“ステージでの原由子の笑顔”を見ていきたい。
セットリスト
1.あじさいのうた
2.春待ちロマン
3.恋の歌を唄いましょう
4.シャボン
5.Anneの街
6.少女時代
7.鎌倉 On The Beach
8.うさぎの唄
9.夕方Friend
10.いちょう並木のセレナーデ
11.唐人物語 (ラシャメンのうた)
12.旅情
13.鎌倉物語
14.京都物語
15.私はピアノ
16.恋は、ご多忙申し上げます
17.ハートせつなく
18.スローハンドに抱かれて(Oh Love!!) ~ いとしのレイラ (Cover)
19.じんじん
ENCORE
20.Walk Don’t Run (Cover) ~ 恋のフーガ (Cover) ~ そんなヒロシに騙されて
21.花咲く旅路
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