「りくりゅう」三浦璃来モノマネでSNS席巻、森田まりこの素顔 教員挫折の過去…「細かすぎて」でのブレイクと小籔千豊に救われた日

ミラノ・コルティナ五輪で日本中を感動させたフィギュアスケートの「りくりゅう」ペア。その三浦璃来選手のモノマネが「激似」とSNSで爆発的な反響を呼んだ。その人、吉本新喜劇の森田まりこ(45)は、きっかけをこう振り返る。

三浦璃来になり切った森田まりこ【写真:ENCOUNT編集部】
三浦璃来になり切った森田まりこ【写真:ENCOUNT編集部】

「尊すぎて涙が出た」フィギュア三浦璃来選手への敬意と、狂気の自撮り1000枚

 ミラノ・コルティナ五輪で日本中を感動させたフィギュアスケートの「りくりゅう」ペア。その三浦璃来選手のモノマネが「激似」とSNSで爆発的な反響を呼んだ。その人、吉本新喜劇の森田まりこ(45)は、きっかけをこう振り返る。

「最初は周りから『高橋成美さんに似てるからやってみたら?』と言われていたんです。でもオリンピックが始まると、今度は璃来選手に似ているというLINEやDMが殺到して。正直、璃来選手と私はどんな部分が似てるんかな? という戸惑いもありました」

 彼女を動かしたのは「似ている」という声以上に、競技そのものへの深い感動だった。

「演技を見ていて、勝手に涙が出てきたんです。お二人の絆が本当に美しくて、尊いなと。もともとダンスをやっていてフィギュアへの憧れもあったので、あのポーズを真似したい!という衝動が抑えられなくなりました」

 スピード感と同時に、作り込みは凄まじかった。「リクエストしてくれた方全員に、リクエストした甲斐があったわと言われるくらい喜んでもらいたかったので出来るだけ忠実に再現したかった。自撮りは1000枚程撮ったと思います。角度を変え、連写しまくり、自分でも何が正解か分からなくなるほどでした(笑)」。SNSで披露した一枚は、その膨大な没カットの上に立つ“奇跡の1枚”だった。

「全身を引きで見たら、もうめちゃくちゃな格好をしてましたけどね」と、職人魂の裏側を茶目っ気たっぷりに明かした。

モノマネのポイントを語る森田まりこ【写真:ENCOUNT編集部】
モノマネのポイントを語る森田まりこ【写真:ENCOUNT編集部】

「ドラミングはパー」世間の常識を覆すリアルへのこだわりと、祖母との約束

 森田の代名詞といえば、あまりにも生々しい「リアルゴリラ」だ。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の人気コーナー「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で初出場で準優勝の快挙。「宝塚音楽学校の受験生」ネタとともに披露し、衝撃的なインパクトを残した。

 この芸の原点は、小学生だった頃に家族の前で披露した時の原体験にある。

「家族が笑ってくれたのが本当に嬉しくて。私はお調子者で、先生や先輩の真似をして喜んでもらうことに喜びを感じる子どもでした」

 森田のモノマネは、単なる誇張ではない。リアルへのこだわりがある。「例えば、ゴリラって拳で胸を叩くイメージがあるじゃないですか。でも、本当のゴリラは『パー』で叩いているんです。私はそこを絶対に譲りたくなくて、私のドラミングも常に『パー』です」。

 細かすぎて伝わらなくても貫くのが森田流だ。「ゴリラの足の重心がちょっと外側にかかっているとか、誰にも気づかれないような部分を大切にしています。今回の三浦璃来選手のモノマネでは、お肌を白くしたり、細めのタレ眉にしたり。カツラの中では髪をキツめに縛って皮膚を引っ張って若く見えるようにしました笑『ほんまに似てる』と楽しんでもらいたい一心なんです」と力を込めた。

 見た目のインパクト、そして動き――。その芸は、かつて耳が遠くなった祖母の心も動かした。「新喜劇に出るようになって、おばあちゃんは耳が遠くて言葉が聞こえにくかったんですが、『まりこのゴリラは聞こえなくても楽しめるから大好きや』と言ってくれました。言葉の壁を超えて、誰にでも伝わる芸をしたいという思いは、今も私の根底にあります」。

挫折した教員への道、新喜劇の洗礼を救った小籔千豊の“鶴の一声”

 意外なことに、森田は中高の保健体育の教員免許を持つ元「先生」の卵だ。

「でも、自分が教える立場じゃないなってずっとモヤモヤしていたんです。非常勤講師として支援クラスの介助員をしていた時、新喜劇のオーディションがあることを知って。『絶対受けたい、でも合格した場合、担当している児童のもとを途中で離れることになるので、それはその子にとっていい影響ではない』と思い、1年待って挑戦しました」

 お笑い好きの父の後押しもあり、吉本新喜劇という憧れの舞台に飛び込んだが、待っていたのは厳しい現実だった。「台本通りにいけばいいと思っていたら、自分発信でボケを考えないと爪痕すら残せない。当初は先輩方も、私がどんな役をやりたいと思っているのか、どう扱えばいいか分からないと言われたこともありました。」

 そんな霧の中を彷徨っていた彼女を救ったのが、小籔千豊の存在だった。『細かすぎて――』の放送があった後日「小籔兄さんが楽屋で大きな声で『自分、全国ネットで準優勝してんな! すごいな!』と言ってくださったんです。それで番組を見ていなかった先輩方も私のことを知ってくださって。そこから一気に3枚目としての出番が増えました」。

 さらに芝居が下手で落ち込んでいた時には、浅香あき恵から贈られた「一声二声三芝居。まりこちゃんは声がいいから大丈夫」という言葉も胸に沁みた。「その一言がどれだけ励みになったか。新喜劇は、自分一人ではなく、周りの支えがあってこそ成り立つ場所なんだと痛感しました」。

「まりこ!」と呼び捨てにされる幸せ、新喜劇の顔として世界を目指す

 芸歴2年目だった『細かすぎて――』での衝撃からはや19年。45歳となり私生活では結婚もした。今年はヤンシー&マリコンヌの“相方”松浦真也とともに「新喜劇の顔」にも選ばれた。

 これからのビジョンを問うと、彼女は迷いなく「新喜劇の人と思われたい」ときっぱり。「街を歩いていて『あ、ゴリラの人や』と言われるのも嬉しいですが、名前で『まりこちゃんや!』と親しみを持って呼んでもらえるのが一番の幸せ。特に小さい子どもに『まりこ!』と呼び捨てにされると、もうめちゃくちゃ嬉しいんですよ」と目を細める。

 子どもに愛される自身の姿とともに描くのは世界進出だ。近年、芸人界からもとにかく明るい安村や、アキラ100%らが世界的オーディション番組「ゴット・タレント」に参戦するなど、新たな挑戦の先の一つとなりつつある。そのために、森田は今、不慣れなSNSでの発信にも果敢に挑戦している。

「ショート動画の勢いとか、正直まだついていけてない部分もあります。でも、新喜劇の森田まりこをもっと知ってもらうためには、自分から世界に向けて発信していかなあかんと思っています」

 三浦璃来選手に対しても、リスペクトがあるからこそ「いつか生で演技を見たいけれど、お会いしたら恥ずかしくて顔を背けてしまうかも」とはにかむ。憧れを笑いに変え、笑いを通して人々と繋がる。「好きな人のことをずっと見つめていたい」という純粋なエネルギーが、また次の笑いを生み出す。

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