草なぎ剛、トランスジェンダー役を語る「ビビッと雷が落ちた」「僕の代表作になる」

内田監督からは「現場ではあまり細かい演出はなかった」という【写真:荒川祐史】
内田監督からは「現場ではあまり細かい演出はなかった」という【写真:荒川祐史】

「トランスジェンダーの方にも何人かお会いした」

――一果役の服部さんは新人ですが、共演していかがでしたか?

草なぎ「監督はオーディションで見て、すぐに(服部)樹咲ちゃんだと決めたんですけども、それが分かりましたね。樹咲ちゃんは本番になると、いろんなものを吸収して、一果になりきっている。俺も人の心配をしている場合じゃないなと思って、僕は僕で、反応が起きた。自分の子じゃない子を自分のアパートに迎え入れる凪沙の心境に近いものを感じました」

――内田監督は草なぎさん、服部さんの組み合わせを初めて見たときはいかがでしたか?

内田監督「現場のマジックで一番楽しいのは、脚本と違うことです。ほぼほぼ思っていたのと違っていたので、楽しかった。草なぎさんが凪沙になった瞬間も違う。日本の撮影は思っていたのと違うことを修正していくスタイルだと思いますが、修正せず、ずっと見ていきたいと思いました」

――内田監督との仕事は?

草なぎ「監督には僕を感じ取っていただいて、剛君には細かく言わない方がうまく進んでいくんじゃないかな、と思っていたそうで、現場ではあまり細かい演出はなかったんです。それが、すごくやりやすかったですね」

――歩き方がとても女性的でした。メイクや髪の長さなどは草なぎさん自身のアイデアですか?

草なぎ「監督含めた打ち合わせで、ウィッグの長さなど場面場面によって細かく変えていただきました。ハイヒールをはくと、自然にそういう感じになるんです。ハイヒールなんかで歩いたことないし、むしろ女性ぽく歩いた方が、歩きやすい。そこら辺は監督がその場面と照らし合わせて、ハイヒールの色、爪の色とかを緻密に計算していました。トランスジェンダーの方にも何人かお会いしたし、撮影現場にはチームで来てくださった。その空気を感じて、僕の中でどんどんなんかうまい具合に回っていきました。内田監督との仕事はすごく刺激的。画が日本っぽくない。もちろん、日本的というのも大事なんですが、完成したものを見た時も、いい意味で日本映画という感じがしなくて、すごいセンスだなと思いました」

――劇中の後半、少し体重を落とされているように思えたのですが、実際はどうでしたか?

草なぎ「少し絞りました。でも、夜中にラーメンを食べなかったり、酒を飲まなかったりぐらいで2、3日だけ(笑)。それより、心情の方が難しいし、大事だなと思います。ただ、体重を落とすと、いい具合に映るんじゃないかと思って、夜中のラーメンはやめました(笑)」

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