急こう配の峠道で撮影していたら突然ミニバンがバックで突っ込んできて……。ウオーキング中の夫婦が間一髪、事故を回避した瞬間を収めた動画がネット上で大きな話題になっている。撮影者は直前に夫婦と会話しており、立ち止まったその数秒が明暗を分けた。投稿したeno-改（@5pXCPuMdEFBNoZG）さんに詳しい話を聞いた。

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「危ねぇ！あと30秒早く走ってたら巻き込まれてた、、、車に乗っていた家族とウォーキングしてた夫婦共に怪我がなくて本当に良かった、、、」

　8月15日に投稿された73秒の動画は、衝撃的な結末だった。

　晴天の峠道をリュックを背負いながら歩いている夫婦。左カーブに差し掛かると、突然、視覚のないところから車が猛スピードでバック走行。車は制御が効かない様子で、そのままフェンスに「ドン！」と激突した。夫婦は寸前のところで身をかわし、車からは煙が上がった。

　動画を見た視聴者からは、「奇跡ってこういう事を言うんやと思う」「見ててすごいヒヤヒヤした」「ここねぇ、酷道だからねぇ…」「事故車に駆け寄るバイクの方の行動力もこの事故での怪我人無しも凄い」「なんで猛スピードでバックしてきたんだろうね？ブレーキが壊れたのかな？」「エンジンじゃなくて駆動系がダメになったのかもしれん」「昔この道沿いに住んでた事があって、ご覧の通り急坂だから年一くらいで、下りで車やバイクが止まりきれず目の前の民家の塀に突っ込んでたなぁ」などの声が寄せられた。

　場所は大阪府東大阪東豊浦町の暗峠（くらがりとうげ）。eno-改さんはたまたまバイクの撮影をしていた。

「Ω（オメガ）カーブをバイクで登る動画を撮りたくて設置していました」

　愛車のヤマハ・SRV250Sでいったん坂を下っていく際に、夫婦とすれ違った。夫婦は立ち止まり、撮影の邪魔にならないか気にかけた。eno-改さんは「どうぞどうぞ、行ってください」と声をかけ、そのままスタート地点へと下って行った。

　この時、夫婦と会話をしていなければ、直後にバイクで峠道を上ってくるeno-改さんも事故に巻き込まれた可能性がある。

　事故後、妻をかばいながら道路で立ち尽くす夫。eno-改さんはバイクを止めて急行し、「大丈夫!?」と心配。そして救出のためミニバンの運転手に駆け寄った。

　eno-改さんによると、事故の原因は不明。命びろいした夫婦とは安全を確認し、二次被害を抑えるための行動について話したという。

　迅速な行動には称賛が集まり、「バイク乗りとして恥ずかしくない行動ができたことを誇りを感じます」と冷静に受け止めた。

「バイクはどうしても危険な場面やトラブルに遭遇する確率が高いです。一方で、大変に充実した人生を過ごさせてくれる乗り物でもあります。今回のように困っている人をいち早く助けることも、楽しく走ることもできるので最高の乗り物です」と実感を込めた。