亀田和毅「ドラミニありがとう」 前回敗れた“因縁”の相手に感謝したワケ「あの試合があったから」

元世界2階級王者でIBF同級5位・亀田和毅(TMK)がケビン・ビジャヌエバ(メキシコ)にTKO勝利。5R終了時に相手が棄権した。再起戦を飾った和毅の戦績は41勝(23KO)4敗。試合後は前回、敗れたレラト・ドラミニ(南アフリカ)に感謝した。なぜか――?

試合後、報道陣からの取材を受ける亀田和毅【写真:ENCOUNT編集部】
試合後、報道陣からの取材を受ける亀田和毅【写真:ENCOUNT編集部】

強打を振るう史郎スタイルへの変化

ボクシング興行「3150FIGHT vol.8」(2024年3月31日、名古屋国際会議場・イベントホール=ABEMAで全試合無料生中継)セミファイナル、フェザー級(57.1キロ)10回戦

 元世界2階級王者でIBF同級5位・亀田和毅(TMK)がケビン・ビジャヌエバ(メキシコ)にTKO勝利。5R終了時に相手が棄権した。再起戦を飾った和毅の戦績は41勝(23KO)4敗。試合後は前回、敗れたレラト・ドラミニ(南アフリカ)に感謝した。なぜか――?

 新スタイルの和毅だった。自ら仕掛け、ガードの上からでもお構いなしにこぶしを振るった。手数よりも一発の重みにこだわった。亀のようにガードを固め、前に出てこないビジャヌエバに対し、常に先手を取りながら力のこもった強打を何度も振るった。相手をサンドバッグのごとく殴り続け、文字通りワンサイドの展開。メキシコのユース王者もよく我慢したが、5Rが終わりコーナーに戻ったところで白旗を上げた。

 父・史郎氏との再タッグ結成の成果を見せた和毅は試合後、「今までとはスタイルが違う。前のスタイルやと(上に行くのは)絶対無理。親父のスタイルプラス、今までやってきたオレの技術。4か月でスタイル変えるのはリスクですよ。ケガもしましたし、アキレス腱もいった(けがした)んですよね。9人くらいにかわるがわるケアしてもらって。やっとこういうスタイルやとわかってきた」と充実感を漂わせつつ、まだまだ進化の過程であることも強調した。

「今までよりパンチも打ち込めたし、(ダメージの)蓄積やからね、コーナーから出てこーへん可能性あるなと、まさにその通りでした。倒れるか出てこないか」とにやり。「まだまだね、ここからですよ」と32歳にして進化の手応えを口にした。

 スタイルチェンジのきっかけは前回の敗戦だった。昨年10月7日の「3150FIGHT vol.7」でドラミニに判定負け。終始、慎重なボクシングを展開。積極性に欠き、手数で上回られた。

「あの試合があったからこそこのスタイルに変えられた、ドラミニにありがとうと。負けたことによって変えることができた」と敗れた相手への感謝を口に。今回はリマッチ予定が消滅し、「あのスタイルでやりたかった。倒せる自信はある。(負けたのは)もちろん悔しいですけど、スタイルを変えてくれた。それは次に繋がるじゃないですか」とうなずいた。

 生まれ変わった32歳は目標に掲げる3階級制覇へ「今年中には挑戦したい」と宣言した。

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