『トゥナイト2』元リポーター・岡元あつこが語る グラビア時代にあった「不適切なオファー」の断わり方

1990年のデビューから34年目を迎えた俳優の岡元あつこ。先日公開したインタビュー「前編」では、テレビ朝日系情報番組『トゥナイト2』のリポーター時代を振り返った。放送中のTBS系連続ドラマ『不適切にもほどがある!』(金曜午後10時)でも、『トゥナイト』の話題が飛び出すことから、当時を懐かしむ読者が続出。岡元も自身の足跡が多くの人々に刻まれていることが分かり、驚きと喜びを隠せなかったという。続く「後編」では、岡元の知られざる過去、グラビアタレント時代の“不適切な”エピソード、昨年8月、再婚した兄弟デュオ・狩人の加藤高道との生活などを語っている。

岡元あつこが『トゥナイト2』だけじゃない意外な経歴を紹介【写真:山口比佐夫】
岡元あつこが『トゥナイト2』だけじゃない意外な経歴を紹介【写真:山口比佐夫】

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1990年のデビューから34年目を迎えた俳優の岡元あつこ。先日公開したインタビュー「前編」では、テレビ朝日系情報番組『トゥナイト2』のリポーター時代を振り返った。放送中のTBS系連続ドラマ『不適切にもほどがある!』(金曜午後10時)でも、『トゥナイト』の話題が飛び出すことから、当時を懐かしむ読者が続出。岡元も自身の足跡が多くの人々に刻まれていることが分かり、驚きと喜びを隠せなかったという。続く「後編」では、岡元の知られざる過去、グラビアタレント時代の“不適切な”エピソード、昨年8月、再婚した兄弟デュオ・狩人の加藤高道との生活などを語っている。(取材・文=福嶋剛)

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岡元の芸能活動は、バックダンサーが始まりだった。『ふり向くな君は美しい』(全国高校サッカー選手権大会のイメージソング)で知られ、日本テレビ音楽学院に所属していた音楽ユニットのザ・バーズで踊っていた。

「高校生になって『俳優養成所で頑張ろう』と思って入りましたが、研修初日に転機が訪れました。その日はピンク・レディーの振り付け師だった土居甫(どい・はじめ)先生が講師でいらっしゃっていて、『君、新しく入ったの?』と聞かれて『はい』と答えると、突然、『来週からトップテンで踊りなさい』と言われました(笑)。最初は全然踊れなくて、いつも泣きながら先輩の指導を受けていました」

初めてのステージは、『歌のトップテン』で『学園天国』を歌う小泉今日子のバックだった。

「緊張しました。『24時間テレビ』でも踊りました。でも、まだ高校生だったのでアルバイト感覚でしたね。バーズの活動がない時は小劇場の研修生として芝居を学んだり、トンカチを持って舞台を組んだり、そんな感じで高校3年間はあっという間に過ぎていきました」

高校卒業と同時に『ザ・バーズ』も卒業。次は女性4人組バンドをスタートさせた。

「これは私のちょっとした黒歴史です(笑)。高校卒業のタイミングでミスコンに挑戦したんです。『マンガのキャラクターにそっくりな巨乳の女性を探す』みたいなコンテストでファイナリストに残ったのですが、その中で楽器のできる4人を集めて『ザ・ガール』というバンドを組むことになりました。今でいう地下アイドルみたいなグループで、私はトランペット担当。実は中学生の時に吹奏楽部でトランペットをやっていたので得意でした。ライブハウスで1年半くらい活動してCDデビューする前に解散。インターネットがない時代だから、いくら検索をしても画像も情報も出てきません(笑)」

バンド活動を終えると、今度は『トゥナイト2』のリポーターに抜てきされた。同時にグラビアタレントの活動も始まった。

「『トゥナイト2』に渡っていたプロフィールと同じものが、別のカメラマンさんのところにも渡っていて、急に『写真集を出しませんか』という話をもらいました。劇団の研修生ですし、『グラビアなんてやったことがない』と話したら、『じゃあ、練習を兼ねて一度撮影しましょう』と。最初の写真集は私のエッセイみたいな文章も載せて良いと言ってもらえたので、子どもの頃の夢だった戯曲っぽいものを書く仕事もできてうれしかった記憶があります」

グラビアは好評。『トゥナイト2』のリポーターと連動する形で人気も跳ね上がった。

「当時は経済的にも生活が大変だったので、グラビアはすごく助かりました。水着になる抵抗はなかったのですが、父は激怒しました。ある日、家に帰ったら私が表紙の雑誌を持った父が立っていて、いきなりグーで殴られました(笑)。親には内緒でやっていたので、父の知り合いから『お嬢さんが雑誌に載っていますよ』と言われて、それで知ったみたいです」

狩人の2人は「夫婦みたいな関係」と語った【写真:山口比佐夫】
狩人の2人は「夫婦みたいな関係」と語った【写真:山口比佐夫】

グラビアタレントとしてのこだわりは、「脱ぎそうで絶対に脱がない」こと。

「私のポリシーです。でも、カメラマンや出版社の方々は『そろそろどうですか?』と近づいてくる訳です。よくあるパターンはすごく高級なお店に連れて行ってくれて、おいしいご飯を食べながら、『脱がなくても良いので、そろそろ透けた下着を付けてみるのはどうですか』とか、『そろそろ…』という言葉を連発して口説いてきます。そんな時は会話をはぐらかして、『今日は楽しかったです』『ご飯、おいしかったです』『素敵なお話ありがとうございました』と言って帰りました。『岡元は食い逃げする』なんて大人たちに言われたかどうかは分かりませんが(笑)」

強引に脱がそうと話を進める『不適切な相手』とトラブルになったこともあるという。。

「大手出版会社さんと私の間に“不適切な”コーディネーターがいました。最初から『ちょっと怪しいな』と思っていましたが、案の定、『どんな写真を載せてもOK』という約束を勝手に出版社と進めていました。それで『絶対に許さない』と思い、出版社に乗り込んで、『写真を全部見せてください』と徹夜でネガフィルムを見ながら、変な写真がないかどうかを1枚1枚チェックしていきました」

不適切な相手には一切の妥協を許さない。その姿勢は今も変わらない。

「今も昔もグラビアをやる上で、一番大切なのはお互いの信頼関係です。万が一のトラブルに備えて、事務所だけじゃなく、自分の身は自分で守るという意識を持つことが大切です。ルールを守ってくれない大人たちは、私たちの気持なんか考えずに一方的な都合で手を変え、品を変えて近づいてきます。だから、だまされてしまう子も多くて、昔もグラビアをやった後に病んだり、人間不信になっている子がいました。だから、私は『嫌だったらいつでも辞めてやるよ』と思いながらやっていました。嫌なことはカメラマンの人にもハッキリと伝えたし、不適切な大人たちは許せませんでした」

プライベートでは昨年8月に加藤と再婚。キューピッド役は大御所の歌手だった。

「三善英史さんと舞台をご一緒したことがきっかけで、三善さんのご紹介でいろんなお友達とゴルフに行ったりグループでご飯に行ったりすることが多くなりました。そこで夫と知り合いました。私は『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)でザ・ぼんちのおさむちゃんがコントで歌っていた『あずさ2号』で、初めて狩人を知った感じです」

結婚から半年。生活ぶりを聞くと、照れながら「もう、本当に落ち着いた夫婦みたいな感じです」と返した。

「夫は歌手として一年中、全国を回っています。私も舞台が多いので、お互いに忙しいのですが、一緒の時間はおいしいもの食べたり、好きなゴルフを一緒にしたり、そんな感じです。夫は14歳も違う私のことを『お母さん』と呼びます(笑)。家にいる時は私が料理を作って、夫が皿洗い担当です。仕事の話をしないですし、一緒にカラオケも行かないです。でも、昨年、舞台でがっつりと歌わなければいけなくなり、『先生と呼ばせてください』と言って教えてもらいました。短い時間でしたが、『ここにアクセントを入れてみて』とかいくつかアドバイスをもらっただけで歌が変わりました。『さすが、狩人だな』って(笑)。夫は60歳を過ぎてタップダンスを極めようと毎日練習したり、新しい楽器にも挑戦しています。芸事に対する姿勢には頭が下がりますし、すごく良い刺激を毎日もらっています」

2人は仲良し夫婦のようだが、狩人の兄弟仲はどうなのだろうか。

「『仲悪い説』ですよね。今も狩人としていつも一緒にやっていますけど、私から見ると仲は全然悪くないです。若い頃、『ザ・ベストテン』の楽屋で取っ組み合いのケンカをしていたみたいですが、リハーサルもせずに本番でいきなり歌っても、いつもバッチリ合うんですって(笑)。むしろ、2人の方が『夫婦みたいな関係だな』って思いました(笑)」

□岡元あつこ 1973年10月6日、東京都出身。96年にミス・マーメイドクイーン、テレビ朝日系『トゥナイト2』の女子大生リポーターとして活動を開始。99年に番組を卒業した後、俳優として舞台、映画に出演。グラビアタレントとして写真集を多数出版。2023年8月、兄弟デュオ・狩人の加藤高道と再婚。

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