【さよならマエストロ】明らかになった俊平の高校時代 柄本明演じる父の言葉に視聴者涙腺崩壊

俳優の西島秀俊と芦田愛菜が主演するTBS系日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(日曜午後9時)の第8話が、3日に放送された。今回は、西島演じる天才指揮者・夏目俊平が故郷へ帰省。高校時代の父との確執と指揮者を志したきっかけが明らかになった。

父・行彦を演じる柄本明【写真:(C)TBS】
父・行彦を演じる柄本明【写真:(C)TBS】

30年ぶりの父と息子の和解に「仲直りできてよかった」

 俳優の西島秀俊と芦田愛菜が主演するTBS系日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(日曜午後9時)の第8話が、3日に放送された。今回は、西島演じる天才指揮者・夏目俊平が故郷へ帰省。高校時代の父との確執と指揮者を志したきっかけが明らかになった。

 同作は、脚本家・大島里美氏によるオリジナル作品。20代の頃から海外で活躍してきた天才指揮者・俊平が、5年前に起きた“ある事件”をきっかけに家族と音楽を失ってしまう。そんな父を嫌う娘・響(芦田)。しばらく音楽界から離れていた俊平は、日本の地方オーケストラの指揮をするため数十年ぶりに帰国し、響と気まずい同居生活が始まる。父と娘が失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていくアパッシオナート(情熱的)なヒューマンドラマ。

(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

 晴見市に俊平の母校・香川県立高松城西高校から手紙が届いた。創立100周年の記念式典で、俊平にゲスト出演してほしいという。高校時代に父から勘当されて家出した俊平は、30年ぶりに帰省することに。

 響とともに高松へ向かった俊平。実家の玄関前で呼び鈴を鳴らせず戸惑っていると、そこへ野球のユニフォーム姿の父・行彦(柄本明)が帰って来る。行彦は俊平の存在を無視すると、そのまま玄関へ入っていった。

 響が中へ入ると、俊平の母・裕子(梅沢昌代)は喜んで出迎える。響は裕子から、行彦が野球強豪校の監督で、俊平が「ピッチャー、4番、甲子園でもエースになれる」と言われたほどの高校球児だったと聞かされる。俊平の意外な一面を知り、響は驚きを隠せない。

 そこへ、高松城西高校の吹奏楽部を指導するためにゲストで呼ばれた晴見フィルハーモニーのメンバーがやって来る。団員たちは俊平に、高校球児から指揮者を目指すことになったきっかけをたずねた。

 行彦と二人三脚で甲子園からプロの道を目指していた俊平は、高校2年の時に、隣家から聞こえてきたバイオリンの音色に惹かれる。その音色が気になっていた俊平は、たまたま庭先で見かけた隣家の外国人男性に声をかけた。それが、元バイオリニストで、ドイツの名門・ノイエシュタッド交響楽団指揮者のクラウス・シュナイダーだった。シュナイダーは俊平を家に招くと、オーケストラのレコードを聞かせる。その音色に衝撃を受けた俊平は、「すっかり音楽のとりこ」に。

 俊平は行彦の目を盗んでは、シュナイダーのもとでこっそり音楽を学んだ。シュナイダーは俊平に、ノイエシュタッド交響楽団の来日東京公演チケットをプレゼントする。しかし公演日は、甲子園の予選日だった。悩んだ俊平は、夜中にこっそり家を抜け出し、夜行バスで東京へ。チケットを紛失するハプニングがありつつも、親切な男性(実は『うたカフェ二朗』の店主・小村二朗/西田敏行)にチケットをもらい、オーケストラの生演奏を観賞することができた。俊平は、「初めて生で浴びたオーケストラの音。僕は決めた。『指揮者になりたい』。いや、『指揮者になる』」と当時を振り返る。

 公演後、行彦は大激怒。シュナイダーの家に乗り込み、俊平と取っ組み合いになると、「出て行け! もうお前はわしの息子でない! 出て行け! もう2度と帰って来るな」と吐き捨てた。シュナイダーは自分のお守りだった懐中時計を俊平に手渡すと、「大丈夫。きみの心の中の“アパッシオナート”さえ忘れなければ。オオカミの口に飛び込んでおいで」と勇気づけた。翌日、俊平は家を出た。それ以来30年、行彦とは一度も話していないという。

 記念式典当日、俊平は学生を前にあいさつし、晴見フィルメンバーと一緒に吹奏楽部員を指導する。吹奏楽部は、俊平の指揮でドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』第2楽章を演奏。その頃、行彦はグラウンドで自身の引退試合を迎えていた。校舎から聞こえてくる音色に、思わず耳を傾ける行彦。この曲が夕方の町内放送で流れていたことから、幼かった俊平と野球の練習に勤しんだ日々を思い出す。

 試合を終えた行彦のもとに、俊平が歩み寄り、「お父さん、長い間、お疲れ様でした」と頭を下げた。「ずっと、会いに来れんでごめんなさい。こんまい時から、ようけぇ教ぇてもろうたのに。お父さんの望む息子になれんで、ごめんなさい」と謝る俊平。「野球選手にはなれなんだけど、野球に負けんくらい、音楽で人の心、熱うにしたいって思うとる。自分の選んだ道で精一杯頑張るけん、見よって」と再び頭を下げた。

 そのまま立ち去る俊平を、行彦は「俊平!」と大声で呼び止めた。「何言いよる! 誰が見るか! もう帰って来るな!」と吐き捨てたかと思うと、「帰ってこんでええけん、しっかりやれー!」と、厳しい声で応援した。俊平が行彦に手を振ると、行彦も泣きそうな表情で振り返す。初めて見る孫の響と海にも、手を振るのだった。

 俊平と行彦の雪解けにSNS上では、「仲直りできてよかった」「長い年月かけて和解出来て良かったね」と、安心する声が。また、「帰ってこんでええけん、しっかりやれ~!!!って泣くだろ」「行彦の『しっかりやれー!』で涙腺崩壊」「不器用な父の息子に向けてのエール。素敵でした」と、息子を思う父・行彦の言葉に感動する声も見られた。

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