「新宿駅で時間あるとき、たまに見に行く」。巨大ターミナルの新宿駅のホームを独自の視点で切り取った1枚の写真がネット上で大きな話題になっている。毎日、駅を利用していても気づかない人もおり、「現実の世界にこんなのが！」と驚きの声が上がった。撮影したまつじ（@matsujun5213）さんに詳しい話を聞いた。

「新宿駅で時間あるとき、たまに見に行く。1番ホームで人知れず迫力を出しているダクト」

　まつじさんが2月24日、ネット上に1枚の写真を投稿すると、240万件のインプレッションを記録する反響に。「現実の世界にこんなのが！」「生きてるみたいですね！」「近未来アニメで見たことのあるような風景」「なにを封印してんだ」「なんか増殖しそう笑」などさまざまな反応が寄せられた。

　新宿駅の1番ホームは、埼京線や湘南新宿ラインが止まるホームだ。通勤時などはごった返しているが、どこにこんな場所があるのだろうか。

　まつじさんは「この場所を知ったのは、2021年4月です」と明かした上で、初めて見たときから鮮烈な印象だったと振り返る。

「配管を設計した人、施工した人は大変だったろうなと思いました。また、ミミズみたいでキモかわいいなと思いました。新宿駅というよく使う駅で、普段見ない真上という場所に、人の目を引くような設備のデザインを見つけて興奮しました」

　1番ホームを南に歩いていくと、突如天井に現れる。むき出しになった配管の集合体は、確かに不思議な魅力を放っている。

　まつじさんによると、繰り返し見てしまうお気に入りのスポットはほかにもあるという。

「新宿駅ほど頻繁ではないですが、別府へ旅行に行くときには、ついでに大分市『ア.スエヒロホテル』の裏側を見に行ってしまいます」と紹介した。

　投稿が反響を呼び、改めて思うことは。

「こうした配管は、限られたスペースの中で、周囲の人の邪魔にならないように、メンテナンスもしやすいように、設計者が頭を悩ませて這わせた結果だろうと思います。目を引くほど迫力があり整えられた配管は、見る相手、使う相手ありきでデザインしたという点では、『芸術作品みたい』という感想もその通りだなと思いました」と結んでいる。