松坂桃李、5年ぶり時代劇で主演「非常に光栄」 役所広司、芳根京子らと共演「心強かった」

俳優の松坂桃李が映画『雪の花 ―ともに在りて―』(2025年1月24日公開)で主演を務めることが22日、発表された。共演者として役所広司、芳根京子が出演する。

『雪の花 ―ともに在りて―』に出演する芳根京子、松坂桃李、役所広司(左から)
『雪の花 ―ともに在りて―』に出演する芳根京子、松坂桃李、役所広司(左から)

2025年1月24日公開『雪の花 ―ともに在りて―』

 俳優の松坂桃李が映画『雪の花 ―ともに在りて―』(2025年1月24日公開)で主演を務めることが22日、発表された。共演者として役所広司、芳根京子が出演する。

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 小説家・吉村昭さんが1988年に発表した『雪の花』は、江戸時代末期を舞台に、数年ごとに大流行して多くの人命を奪う天然痘と闘った1人の町医者の実話。天然痘の絶対確実な予防法が異国から伝わったと知った福井藩の町医者・笠原良策。京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請い、また私財をなげうち種痘の苗を福井に持ち込む。良策はかつてない予防法成功の為にさまざまな困難にも諦めず、妻・千穂の支えの中で流行病と闘い続ける。自らの利益を顧みずに、天然痘に侵された日本を本気で救おうと立ち上がった“実在の知られざる町医者・笠原良策”が描かれる。

 監督を務めるのは、1970年黒澤プロに参加した小泉堯史。『影武者』(80年)以降、『乱』(85年)、『夢』(90年)、『八月の狂詩曲』(91年)、『まあだだよ』(93年)で助監督を担当。脚本作りから準備、撮影、仕上げまで黒澤明監督に師事、黒澤映画のさまざまな手法を学び、黒澤監督の遺作脚本『雨あがる』(00年)で監督デビューを果たし、『博士の愛した数式』(06年)、『蜩ノ記』(14年)、『峠 最後のサムライ』(22年)といった日本映画を制作し続けている。

 松坂が演じるのは主人公・笠原良策。映画『真田十勇士』(16年)、映画『居眠り磐音』(19年)以来の時代劇に挑戦する。

 京都の蘭方医・日野鼎哉(ひのていさい)を演じるのは役所。松坂とは映画『日本のいちばん長い日』(15年)、『孤狼の血』(18年)、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(19年)、TBS日曜劇場『VIVANT』(23年)と5度目の共演となる。

 良策の妻・笠原千穂を演じるのは芳根。松坂とは『居眠り磐音』以来2度目の共演となる。

松坂桃李、役所広司、芳根京子、小泉堯史監督のコメント全文

○松坂桃李

「非常に身が引き締まる思いです。時代劇に参加するのは『居眠り磐音』以来。約5、6年の時間が経っていますが、小泉堯史監督のもとで演じさせてもらえるということが、僕にとっては非常に光栄でした。そして、今回、再共演となる役所広司さんはじめ、すてきなキャストの方々と共演させてもらえたのは何より心強かったです。分からないもの程怖いものはない、そんな未知の病と戦った1人の町医者が繋いだ希望。懸命に命と向き合う笠原良策の姿を『雪の花』という作品を通して見ていただきたいです」

○役所広司

「小泉監督の作品にはどんな形でも参加したいと思っていたので、声をかけていただきぜひ参加させてほしいとお答えしました。松坂くんとは何度かご一緒していますが、良策という役は本当に心の澄み切った青年で、松坂くんにぴったりだと思いました。今の時代があるのも、いろいろな人たちが命をかけて頑張った結果なのだろうなと、そんな思いをこの映画を通して感じていただきたいです」

○芳根京子

「小泉堯史組に参加するのは2度目だったのですが、千穂というすばらしい役に呼んでいただけてとても光栄でした。と同時に、自分に務まるのかすごく不安でしたが、小泉監督から優しさと強さを大切にしてほしいと導いていただきました。今回は殺陣や太鼓、調薬など撮影前から毎日必死に役作りを準備してきましたが、時間をかけた分よりていねいに演じられたと思います。松坂桃李さん演じる良策ともすてきな時間を積み重ねることができました。こういった歴史があるから今があるということをぜひ感じていただきたいです」

○小泉堯史監督

「映画監督として、歴史の上で出合った実在の人物は、『明日への遺言』の陸軍中将・岡田資。『峠 最後のサムライ』の長岡藩家老・河井継之助。そして、このたびの『雪の花』福井藩町医者・笠原良策。いずれも、己を無に帰し、事に当たった男たち。小林秀雄さんは『無私の精神』で、次のように書いています。『実行家として成功する人は、自己を押し通す人、強く自己を主張する人と見られがちだが、実は反対に、彼には一種の無私がある。空想は孤独でも出来るが、実行は社会的なものである。有能な実行家は、いつも自己主張より物の動きの方を尊重しているものだ。現実の新しい動きが看破されれば、直ちに古い解釈や知識を捨てる用意のある人だ。物の動きに順じて自己を日に新たにするとは一種の無私である』と。

 江戸末期、福井に生きた町医者・笠原良策に、無私の美しい精神を感じます。努力を積み重ね、勇気を持ち、己を捨てて誠実に働く良策の姿は、永遠に価値ある歴史を生み、現在に生きる私たちの心に、強く働きかけてくれます。歴史は、決して進歩するものではありません。歴史は自然とともに、いつも同じものと戦っているのです。今や、品位をあえて失わせようとする文化が、消費と手を結び、勝手気ままに振るまっています。それによって破壊されるのは、道義的な美しさです。言葉や行ないの立派さは、美しさがあればこそ、時の移り変わりに、耐えることが出来ると謂います。良策との出合いは、歴史を鑑とし、少しでも良きものになれるかもしれないと、私たちに希望や勇気を示し、道を清々しく照らしてくれるのでは、と思っています」

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