【どうする家康】語りの寺島しのぶが春日局「実は最近になって知ったんです」

NHKは27日、松本潤が主人公の徳川家康を演じる『どうする家康』(日曜午後8時)に、語りを務めている俳優・寺島しのぶが、福(春日局)役で出演すると発表した。寺島は7回目の大河ドラマ出演。演じるのは徳川秀忠(森崎ウィン)の嫡男・竹千代(3代将軍・家光)の乳母、のちの春日局。自らを取り立ててくれた家康には、深い恩義と敬意を抱いている。竹千代に祖父・家康の偉業を神のごとくと教え、家光の治世に大きな影響を与える設定。

福(春日局)を演じる寺島しのぶ【写真:(C)NHK】
福(春日局)を演じる寺島しのぶ【写真:(C)NHK】

3代将軍・家光に帝王学を教え込む愛深き乳母

 NHKは27日、松本潤が主人公の徳川家康を演じる『どうする家康』(日曜午後8時)に、語りを務めている俳優・寺島しのぶが、福(春日局)役で出演すると発表した。寺島は7回目の大河ドラマ出演。演じるのは徳川秀忠(森崎ウィン)の嫡男・竹千代(3代将軍・家光)の乳母、のちの春日局。自らを取り立ててくれた家康には、深い恩義と敬意を抱いている。竹千代に祖父・家康の偉業を神のごとくと教え、家光の治世に大きな影響を与える設定。

 寺島は語りも務めているが、出演依頼を受けた時の気持ちはどうだったのか。

「冗談交じりに『いつかご出演も』と言われたことはありましたが、まさか実現するとは思っていなかったので、やはり驚きました。『語り』が福、のちの春日局だった、というのも、実は最近になって知ったんです。SNSなどで視聴者の方が『(語りは)春日局じゃないか』と予想しているのは目にしていて、『え、そうなの?』と思ったこともあったんですけど、当たっていたとは…。家康を神の君として崇め奉っていたり、豊臣に対して憎らしいような言い方を望まれたりしていたので、きっと語りは徳川サイドの人間なんだろうなとは思っていたんですけど。もっと早めに教えてもらいたかったですね(笑)」

 語りのときと、福として演じるときとで、意識的に変えた部分はあるのか。

「語りのときは、私情が入ったナレーションだけでなく、戦における戦況の説明なども多かったので、講談調、語り部調で、どちらかといえば力強く発声していたんです。でも、福として話すとき、そのトーンでいくと芝居が舞台っぽくなってしまうかなと悩みまして、監督と相談しました。最終的には『福はそれでいいんじゃないか』と言っていただいたので、不自然にならない程度に、語りのトーンに寄ってお芝居をしました。ただやっぱり、それまで語りしかやっていませんでしたから、ポンと生身でセットに入ってお芝居するのは、なかなか難しかったです。うまくつながっているといいんですけれど」

 福を演じる上で気を付けた点、表現したいと思ったことは。

「今回の福は、『自分たちが徳川を守っていかねばならない』という信念を持っている人です。それができるのは、家康の孫である竹千代。竹千代の乳母である自分こそが、この子をしっかり教育しなければと、強く思っているのかなと。ですから、竹千代に大御所さま(家康)のすばらしさを託そうとするんだけれども、幼いころの家康がそうだったように、竹千代も『戦なんて関係ない』というタイプで、いかんせん血は争えない…という(笑)。そういう必死さや不安とともに、それでも今の大御所様のように、きっとこの子もいつか立派な人間になっていくだろうという希望も込められたらいいなと思って演じました。短いシーンでいろんな表現をするのは難しいんですけど、楽しんでやらせていただきました」

 現場で松本潤とどんな話をしたのか。

「『撮影が終わったら飲みましょう』と言われました(笑)。語りは、撮影がクランクアップしたあとも仕事が続くので、それが終わったら、と。松本くんはこれまでずっと頭として頑張ってきて、きっと大変だったと思うんです。語りの立場だと、なかなか撮影スタジオには行かないので、私はあまり現場を見ていないんですよね。だから、お互い落ち着いたところで、ゆっくり話をしたいなと思います。放送はもちろん拝見しています。今はメークや編集の技術が優れていて、家康が年を重ねるに従ってシミが増えていったり、だんだん肌がくすんでいったりするのはすごいんですけど、見た目だけで今の表現ができているわけではないと思うんですよね。1年半近くお芝居を積み重ねてきたからこそ、本当は若くても『老け』を堂々と演じられるし、映像として違和感なく成立する。そこが、長い期間撮影されてきた強みだなと、映像を見ていて思います」

 最後は視聴者にメッセージを送った。

「撮影で松本くんと会ったとき、すごく充実した顔をしていて、大河に出る意義をあらためて感じました。でも実は視聴者の皆さんも同じように、1年間、ドラマと並走してこられたんですよね。それは大河ドラマならではの体験だと思いますので、ぜひ、最後まで一緒に走りきっていただけるとうれしいです」

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