アジャコングを認めさせたド根性、デビュー9か月の“大食いタレント”上原わかなが示した将来性

プロレスオーディション企画『夢プロレス』を完走し、今年1月4日に東京女子プロレスの後楽園ホール大会で正式にプロレスラーとしてのデビューを果たした上原わかな。アイドル活動を経て大食いタレントとして注目を集めていた彼女が、プロデビューしてから9か月……『夢プロレス』で厳しい言葉を口にしたアジャコングとの対戦が実現した。

10.9東京たま未来メッセ大会ではアジャコングと対戦した上原わかな【写真:東京女子プロレス提供】
10.9東京たま未来メッセ大会ではアジャコングと対戦した上原わかな【写真:東京女子プロレス提供】

アジャが上原に手荒い歓迎…急角度のバックドロップで真っ逆さま

 プロレスオーディション企画『夢プロレス』を完走し、今年1月4日に東京女子プロレスの後楽園ホール大会で正式にプロレスラーとしてのデビューを果たした上原わかな。アイドル活動を経て大食いタレントとして注目を集めていた彼女が、プロデビューしてから9か月……『夢プロレス』で厳しい言葉を口にしたアジャコングとの対戦が実現した。

 10月9日、東京女子プロレスの秋のビッグマッチ『WRESTLE PRINCESS IV』が東京たま未来メッセで開催された。超満員札止めとなった今大会で、上原は第4試合の6人タッグマッチに出場、ハイパーミサヲ&凍雅と組み、アジャコング&らく&鈴木志乃組と対戦した。実はアジャは『夢プロレス』の終盤に登場し、参加者に「プロレスをなめないでください」と厳しい言葉を投げかけていた。

※アジャの真意は「(参加者が)プロレスをなめていないのはわかっているけど、なめているように見える可能性がある技を使ってほしくない」というもの

「私はキックボクシングの経験はあるんですけど、エルボーで人を殴るというのはやっぱり気が引けてしまって……。プロレスは戦いであるという当たり前のことをアジャさんが教えてくださって、自分がエルボーを打つと相手だけでなく自分も痛いというのも教わって。だからこそ、対戦したときはエルボーを打って倒してやろうと思っていました」

 果敢にエルボーを打ち込んだ上原だが、エルボーだけでは倒すことができなかった。しかし、ドロップキックとフィニッシャーであるスリーパーホールドを駆使して、アジャをロープブレークさせることに成功した。

「私はプロレスラーになったんだぞ、という一心でした。お客さんに対してももちろん、あの日はアジャさんに対しても、その気持ちは大きかったです。『夢プロレス』のときとは違う、変わった私を見てほしかったですね」

 上原の”変化”を感じ取ったのか、アジャはとんでもない角度のバックドロップを上原に放った。十分に間を取って上原を持ち上げたアジャは、凄まじいスピードで上原をリングに叩きつけた。

「持ち上げられてからは記憶にないです……あ、真っ逆さまだ!と思って、気づいたときには試合が終わっていました。私は試合のことを覚えている方なんですが、あの日は衝撃が強すぎて何が起こったのかわからなかったですね」

 急角度バックドロップという、最大級の賛辞を贈ったアジャは、試合後にようやく起き上がった上原に何か声をかけた。野暮かなと思いつつも、そのときの会話の内容を聴いてみると……。

「『夢プロレス』のときよりはよくなったけどまだまだだね、という感じの言葉をもらいました。私の中で、アジャさんとの対戦はこれからのプロレスラー人生においてかけがえのないものになるなと感じています」

プロレスのことを語る上原はキラキラしていた【写真:橋場了吾】
プロレスのことを語る上原はキラキラしていた【写真:橋場了吾】

プロレスを通じて世界中で誰もが知っている存在を目指す

 上原にとって、11月・12月はとても大事な月になった。2023年に東京女子プロレスでデビューした6選手によるトーナメント『ねくじぇねトーナメント’23』にエントリーされたのだ。上原は、3日に新宿FACE大会で行われた大久保琉那に勝った凍雅と11月19日にエディオンアリーナ大阪第2競技場大会で対戦することになった。

「凍雅ちゃんと琉那ちゃんは、いつも一緒にいる仲なので、その3人が同じブロックになってしまったので心境は複雑です。でも……仲がいいからこそ、絶対に負けたくないという気持ちは大きいですね」

 そして12日には東京女子と同じサイバーファイトグループのDDTの秋のビッグマッチ『Ultimate Party 2023』にて、上原が初めてプロレスを観戦した両国国技館にプロレスラーとしてリングに上がる。(カードは荒井優希&宮本もか&鈴木志乃vs鈴芽&遠藤有栖&上原わかな)。

「東京女子プロレス提供試合があるというのは知っていたんですが、まさか私が出ることになるとは。DDTのファンの方に東京女子を好きになってもらいたいという気持ちと、若手でもここまでできるんだぞという試合をお見せしたいと思っています」

 1年半前はプロレスに関する知識がゼロだった上原が、いつの間にかプロレス漬けの毎日を送るようになり、アジャコングとの対戦のほか、中島翔子や辰巳リカといったプリンセス・オブ・プリンセス王座戴冠経験者とのシングルマッチを行うまでに成長した。では、プロレスラーとして上原が目指している姿はどのようなものなのか……。

「まだデビューして1年も経っていないのに、こんな大口叩いていいのかわからないですが、世界で活躍するプロレスラーになりたいです。東京女子でも山下(実優)さんや伊藤(麻希)さんが海外で大活躍されている姿を見て、憧れだけではなく、自分もその世界に飛び込みたいという気持ちが強くありますね」

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