ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害をめぐり、NHK『ニュース7』は9日、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長がNHK局内で性加害を行った疑惑があることを伝えた。

　現在30代の男性が同局に被害を告白。高校生だった2002年秋、ジャニーズJr.が出演する同局の音楽番組『ザ少年倶楽部』の出演を希望し、東京・渋谷の同局放送センターを訪れてダンスの練習に参加。その際、会場に来ていたジャニー氏から休憩時間に声を掛けられ、連れて行かれた男性用トイレの個室内で下着を脱がされて性被害に遭ったと証言しているという。

　男性は大きなショックを受けたというが、当時、ジャニーズ事務所のアイドルを目指す思いが強く、その後も事務所から連絡が入ると週末、練習に参加。その間、局内のトイレ個室で5回ほど同様の被害に遭ったが、数か月後、初めて拒んだところ、翌週以降は練習に呼ばれることがなくなったと、同局の取材に話したという。

　『ザ少年倶楽部』は2000年4月にスタート。ジャニーズJr.をメインに歌、ダンス、トークを繰り広げている。現在はBSプレミアム、BS4Kで金曜午後6時から放送し、日曜夜などに再放送もされている。

　この日の『ニュース7』では、アナウンサーが「放送センター内で深刻な性被害を受けたという男性の証言を重く受け止めています。番組の制作責任を持つNHKとして看過できない問題であり、今後出演者の安全や人権を守る取り組みをさらに進めてまいります」とコメントし、「番組の内容やタイトルの変更を含めて抜本的な見直しを検討している」との姿勢も改めて伝えた。

　男性はジャニーズ事務所の設置した被害を受けた人から申告を受ける窓口に連絡しているとし、今後、事務所側と面会する予定という。『ニュース7』によると、ジャニーズ事務所はNHKに「性加害に関する事実認定は、独立した第三者である再発防止特別チーム、および、被害者救済委員会にゆだねることとしており、弊社が認識している限り、そうした事実はございません。今後も引き続き、再発防止特別チームの提言に従って被害者の救済に全力で取り組んでまいります」と回答したと伝えている。